「十五夜」以外にもあった!月を指す言葉
この時期の季節のイベントとして気になるものといえば「十五夜」のお月見ですよね!
ところで、「十五夜」という言葉以外にも「十三夜」や「十六夜」などなど月の名前がたくさんあるのはご存じですか? 今回はそんな月の名前をご紹介します!
そもそも十五夜っていつで、どういう意味?
「十五夜」とは、現在の「15日の夜」…ではなく、「陰暦15日」の月を指します。一般的には陰暦8月15日の「中秋の名月」を指し「十五夜」と呼ぶ場合が多いです。「旧暦の15日」は、現在使われる太陽暦では毎年日付が変わるため、実はこの「中秋の名月」を指す「十五夜」も、毎年大幅に日付が違います。
たとえば今年、2021年は9月21日(火)。でも、来年2022年は9月10日、2023年は9月29日、2024年は9月17日、2025年は10月6日と、年によって1か月近く違うことも。ちなみに、1991年〜2030年のここ40年で見ると、最も早い日は2014年の9月8日、最も遅い日は2006年・2025年の10月6日です。
他に月の呼び名って何があるの?
・十三夜
・小望月(こもちづき)
・十六夜(いざよい)
・立待月(たちまちづき)
・居待月(いまちづき)
・寝待月(ねまちづき)/臥待月(ふしまちづき)
・更待月(ふけまちづき)
・有明月
十五夜以外にも月の呼び方は沢山あります。十三夜、十六夜は比較的有名どころかもしれませんね。他にも、「有明の月」なんかは古文の授業などで耳にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。それでは、陰暦の日付順に詳しくご紹介します。
■十三夜
十三夜とは陰暦13日の月を指します。陰暦9月13日の月を指す場合が多いです。実は中秋の名月(十五夜)に並ぶ名月として、古くから月見が行われていた日です。
■小望月
デジタル大辞林(小学館)によると、小望月とは望月(満月)の前夜、陰暦14日の夜の月のことを指します。陰暦では月の満ち欠け周期の約半分にあたる15日が満月であると考えられていました。そのため陰暦14日の夜は満月になる翌日の十五夜を待つ「待宵」とも言われています。
■十六夜
十六夜とは陰暦16日の月を指します。既望(きぼう)、哉生魄(さいせいはく)とも呼ばれます。「いざよう」は「ためらう・躊躇する」の意味で、十五夜よりも少し遅い時間に、ためらいがちに出てくる月にちなんで「いざよい」と名付けられています。
■立待月、居待月、寝待月(臥待月)、更待月
それぞれ、陰暦17日、18日、19日、20日の月を指します。当時の月の出を待ちわびる習慣で、最初は立って待ちますが、翌日は座って、翌々日は寝て、更に翌日は夜も更けるころまで待つことにちなんだ名前です。
■有明月
有明月とは夜明けになっても沈まずに残っている月を指します。十六夜以降の月が当てはまります。
月を指す言葉ってこんなにたくさんあるんですね! それだけ当時の人々にとって月は身近で、楽しむものだったことがよくわかります。皆さんもこれを機に、夜にゆっくり月を眺めて楽しんでみてはいかがでしょうか?(山口彩楓)