好きだからこそ避けてしまう…「好き避け」する人の心理とは
あなたは「好き避け」という言葉を知っていますか? この好き避けとは、好きな相手に素っ気なくしてしまうことや、本当は好きなのに相手に嫌われているのかなと思わせてしまうような冷たい態度をとることを指します。好きなはずなのに、一体どうしてこのような心理が生まれてしまうのでしょう。そこで今回は、「好きだから避けてしまう」好き避けの心理をご紹介いたします。
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■一貫性に縛られている
人は、自分が一度してしまった重要な決断(コミットメント)の正しさを信じようとするという心理がはたらきます。そのため、自分はこの人が好きだと思ってしまったら、相手の好きなところを無意識に探しだし、好きだということを信じようとします。しかし、同時に世間体を気にしてしまうため、あえて一貫しない態度をとることでコミットメントを歪め、社会生活を送りやすくする傾向が。そのため、周囲の目線を気にすることで、思ってもいない態度や言動をとってしまう結果になるのです。
■ダブルバインドが心の中で起きている
人を好きになってしまうと、ふたつの感情が芽生えます。それは、相手のことが好き(近くにいたい、話をしたい)という気持ちと、相手に嫌われたくない(近くにいることで嫌われたくない)という矛盾した気持ちです。このように相反する感情が生じてしまうため、好きなのにも関わらず相手を遠ざけようとする行動をとってしまうのです。これを心理学においては、ダブルバインドと言います。この葛藤を解消するために、好き避けが発生してしまうのです。
■自分の感情を認めたくないという反動形成
好き避けの原因は、心理学でいう防衛機制の中の反動形成にあるとも言えます。反動形成とは、心の奥底にある本当の欲求とは反対の行動をとってしまう心の働きです。好きな子に意地悪をしてしまう心理などが、反動形成の典型的な一例です。実は、自分の気持ちを出してはダメだという気持ちが、その奥底にあるのです。自分の感情を素直に認められない人は、自分を守るためにこのように反動形成という形で好意を表現してしまうでしょう。
■自尊感情を守るための好き避け
プライドが高い人は、自分に自信を持っているため、失敗することや見下されることを避けようとします。そのように自尊感情が高いと、無意識に好き避けを行ってしまいがちで、異性に対してポジティブなアプローチをすることができなくなる傾向にあります。その気持ちの裏側には、素直に思いをぶつけたら相手に嫌われてしまうのではないか、自分の内面を知られたらどうしようと臆病になっているのです。それを悟られたくないがために、好き避けをしてしまうと言えます。
心理学における好き避けにおいては、一般的に好意を持っていることを周りの人に知られたくない心情が関係しています。特に、男性は好意を持っている女性に対して、そういった気持ちを出さないように、逃げたり攻撃したりすることも少なくありません。でも、好き避けをすると相手から誤解されてしまう結果になることが多く、恋が実らなくなってしまいます。やはり素直が一番なのかもしれませんね。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、現在テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。