「副業」。気になるけれど、どんなものを選べばいいのかいまいちわからない、という方が多いのではないでしょうか。
そんな方のために「副業」を選ぶポイントを、数々の副業特集も企画している情報誌『ケイコとマナブ』の根岸菜穂子編集長にうかがってきました。「気になるけれどなかなか踏み出せない」方への勇気が出る言葉の数々、必見です。
【これまでの記事はコチラ】
第1回→ 就活に!仕事に!人間関係に!役に立つ「資格&習いごと」をプロに聞きました
第2回→ 「出会える」習いごとで「おケイ婚」!恋が始まる習いごとは意外なアレでした
Woman Insight編集部(以下、WI) 「副業」を見据えて何かを始めるなら、どのようなものを選べばいいでしょうか?
根岸菜穂子編集長(以下、根岸) とにかく自分が好きなもの。そして、「手に職」というか、なんらかの技術が身につけられて、結婚・出産後でも働けるものがいいですね。
WI ひとつずつうかがっていきます。まず「好きなもの」がわからない……という方はどうしたらいいですか?
根岸 「好き」って、ただ考えていても見つからないので、とにかく体験してみることですね。大抵のスクールでは、無料または1000円くらいでちょこっとレッスンが体験できるんです。興味のままにいろいろ体験してみると、見えてくるものがあります。今週はお料理、来週は茶道とか、最初から「これ」と決めず、バラバラでもいいんです。そうすると、料理はピンとこなかったけど茶道の凛とした雰囲気がいいかも、って気づけたりする。そこから「じゃあ私はぴしっと背筋が伸びる和のものがいいのかな?」と思って、「華道とか着付けもいいのかも」と、新しく視野が広がることもあります。それって、行ってみないと本当にわからないこと。何でも始めてみると、いろんなことが動き出します。好き嫌いが見えたり、方向性が定まったり、それだけで大きな前進です。
WI 「なんか始めたい!」って思っても、そのまま何もしないまま終わってしまう……という人が多いのではと思いますが、体験に行ってみることが大事なんですね。
根岸 そうなんです。春になると、みんなが「なんか始めたい」って思う。それを「なんか」のまま終わらせないのがポイントです。みんな「なんかやりたい」って言うけど、実際行動に移す人って本当に少ない。ちょっとでも行動を起こすことが「なんか」から「これかも!」につながっていきます。
WI 善は急げですね。
根岸 「なんかしたいな」の「なんか」が決まらないまま、気づけば5年経っちゃいました……ということが、いちばんもったいないんです。お金の投資って、あとになって「30万を使ったけどムダになっちゃったな」と思っても、30万は後からでも稼ぐことができます。でも、時間だけは「あの1年、何もしないでムダにしちゃったな」と思っても、その何もしなかった1年を後で取り返すことは絶対にできません。
WI ところで『ケイコとマナブ』誌上で、何度も副業について特集されていらっしゃいますが、どのような背景があるのですか?
根岸 27歳くらいになると「この先結婚して出産したら、その後仕事どうしよう」って悩まれる方が多いんです。出産後のプランは、若いうちからしっかり考えたほうがいいです。実際、今でも6割の女性が出産を機に仕事を辞めています。出産してから、毎日会社でフルタイムで働くことって、周りのサポートや会社の理解がないとなかなか難しい。家事や子育てと両立しながら働ける「手に職」の技術を持つことは大事です。そのために若いうちから「副業」として始めてみて欲しいという思いから企画しています。
WI やっぱり「若いうち」から持っておくほうがいいですか?
根岸 会社と育児が両立できずに会社を辞めた方が、「やっぱりもうちょっと働きたい、どうしよう」と思い立って、子どもを寝かしつけてからなんとか時間を作って勉強してネイルや何かの技術を身につけました、という事例は山ほどあります。でも、やっぱりそれはとても大変。そうなるかもしれないことがわかっているなら、今からそれを見越して、オフィスで働くスキルを会社で養いつつ、それ以外にも会社に頼らず稼げるスキルを別に身につけておくことをおすすめします。
WI 具体的にいつぐらいからがいいですか?
根岸 仕事に余裕もできる社会人3年目めくらいからですかね。副業として、例えばネイルなど、「手に職」を身につけておくと、25歳くらいの「お給料が足りない!」というときの支えにもなる。土日だけとか友達にだけとか、ちょっとずつでも続けて30歳くらいになったら、立派に5年のキャリアを持っているネイリストです。そのときにはちゃんとしたお店を持つこともできますし、自宅で開業するにしてもきちんとお金をとることもできる。
WI そういう技術がひとつあると安心ですね。
根岸 はい。実際に結婚して出産し、働くか働かないかはそのときの状況によって決めればいいと思いますが、「働ける技術」を持っていることってすごく大事。安心感にもものすごくつながりますし、そのときに慌てなくてすみます。是非、自分が好きなもので、結婚・出産後も続けていけそうな技術を身につけることをおすすめします。
WI 「結婚・出産後も続けていけそうなもの」とはどのようなものですか?
根岸 育児をしながら働くときに、いったい何が負荷なのかというと、何より「会社まで毎日通う」ということなんです。そのため、自宅や自宅の近くで働けるものがおすすめです。例えば、病院やマッサージサロンならだいたいどこの街にもあるので、医療事務やセラピストの技術はかなり使えます。自宅でできる料理の先生やアロマテラピーの技術もいいですね。
WI 副業で最近おすすめのものはありますか?
根岸 まずオーソドックスなのはネイルやアロマテラピーのサロンを週末だけ開くというスタイルですね。あと、最近人気なのは「ブライダル」に特化した司会やカメラマン。
WI 「ブライダル」のカメラマンは、一般的なカメラマンと違うのですか?
根岸 いわゆる一般的な総合カメラマンの方って、ひとりで人物も静物も撮るし、ロケからスタジオまで守備範囲が広いから、ハードルが高くて何年も修行する必要があります。でも、ブライダルカメラマンは会場の専属になることが多いので、そこで1番キレイに撮るスキルを磨けばいいということで、比較的始めやすいんです。さらに、最近はお支度部屋での舞台裏の撮影をするコースも人気があり、そこへは男性には入りにくいので女性カメラマンの需要がありますね。ブライダル特化型のカメラマンも司会も、どちらも専門のスクールがあります。
WI 習いたい、と思ったときに「スクール」は、どうやって選べばいいですか?
根岸 信頼できるメディアを使って選ぶことが第一です。例えば『ケイコとマナブ』の場合、掲載する前にきちんと1校ずつ経営状況から授業の質まで調べて審査をしています。3か月先につぶれそうなところを載せて、もしつぶれてしまったら生徒さんに申し訳ないですから……。
情報誌『ケイコとマナブ』はもちろんですが、webサイトの「ケイコとマナブ.net」にもたくさんの無料or格安体験レッスンが紹介されているそうです。「なんか始めたいな……」という方、今年こそその「なんか」、行動に移してみませんか?(後藤香織)
ケイコとマナブ.netはコチラ→ http://www.keikotomanabu.net/
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