実際どう使えばいいの?意外と知らない「料理酒」と「みりん」の基本Q&A
買ってみたものはいいけれど、案外使い方がわからない調味料があなたのキッチンに眠っていませんか?
たとえばレシピ本やレシピアプリに載っていたから買ってみたものの、他にいったいどう使ったらいいのかよくわからない「料理酒」や「みりん」。
そもそも普通のお酒と「料理酒」って何がどう違うの? どんな味を出したいときに使えばいいの? などの基本を、「日の出みりん」「日の出料理酒」シリーズを製造・販売しているキング醸造株式会社にうかがいました。
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<料理酒の基本Q&A>
早速、料理酒の基本Q&Aをお伺いしてきました。
Q:そもそも「料理酒」って、普通のお酒とは何が違うんですか?
A:料理用として市販されているお酒には「清酒」と「料理酒」があります。清酒は「米、米麹、水」など、法令で決められたものを原料として、発酵して濾した「お酒」です。
一方で「料理酒」は、清酒の「調味料としての働き」を追求し、塩を加えて発酵したもので「醸造調味料」と表記します。
Q:もし、レシピに「料理酒」と書いてあるときに、飲み残して余っている日本酒を使うと、どのように味は変わりますか?
A:日本酒は「飲用」に作られています。もちろん飲んだときの美味しさを第一に考えられているので、原料となるお米のまわりを多く削ることで雑味をなくしています。
ただ、日本酒では「雑味」と言われる部分には、アミノ酸や有機酸などのうま味成分が含まれており、実は料理に使うときには「うま味」に変わります。
料理酒用の原料に使われるお米には、このうま味成分を含む部分を残しているので、日本酒を料理に使うよりうま味とコクが出やすくなります。一般的に、いいお酒を使って作った料理より、料理酒を使ったほうが美味しくなると言われているのはこのためです。
料理家の方によっては、飲用の日本酒を料理に使うと、日本酒の味が際立ちすぎて、むしろ料理の邪魔になる、とおっしゃる方もいます。
Q:料理酒」は、どんな味を出したいときに使えば良いものなんでしょうか?
当社の料理酒は、日本の伝統的調理法「酒塩」をヒントに、1975年に開発したものです。料理に「うま味」と「コク」を与えるもので、味わいを出すというよりは、「料理の美味しさを底上げする」ものです。また、肉や魚など食材の生臭みを消し、風味を良くしてくれる効果もあります。
煮物などの和食に使うイメージが強いですが、洋風料理はもちろん、さまざまなジャンルの料理に使うことができます。なにかひと味足りないな……というときに是非使ってみてください。
Q:料理酒コーナーをよく見ていると「純米料理酒」と「料理酒」があるのですが、何が違うのでしょうか?
「純米料理酒」は、米・米麹、食塩を原料に作られています。そのためお米由来のうま味や風味があります。
一方「料理酒」は、米・米麹と食塩にプラスして、当社のものであればワインなどを加えています。そのため、お米のうま味にワインの風味が加わった、総合的なうま味やコクがあります。
両方試してみて、お好みのものを使ってみてください。
<みりんの基本Q&A>
続いてはみりんの基本Q&Aをお伺いしてきました。
Q:「みりん」はどんな調味料で、どのような味を出したいときに使えば良いものですか?
みりんは料理に甘みやテリ・ツヤを出したいときに使う調味料です。
Q:みりんもよく見ると「純米本みりん」「本みりん」「みりん風調味料」がありますが、それぞれどう違うのでしょうか?
まず大きな違いとしては「純米本みりん」と「本みりん」はアルコールを含みますが、「みりん風調味料」はアルコールが1%未満です。
「純米本みりん」と「本みりん」は、アルコールによる生臭みを消す効果や、原料のもち米に由来する風味が期待できます。
一方「みりん風調味料」は、みりんの調味効果を追求したものです。メーカーさんによって多少違いはあると思いますが、当社の「みりん風調味料」は、本みりんに比べ、テリ・ツヤ効果が高いのが特徴です。そしてアルコールを飛ばす手間もないので、加熱しない和え物などの料理にも使えます。
Q:いつもみりんが余ってしまうのですが、「案外そこまで知られていないけれど、実はこんな料理に入れると美味しい」というものはありますか?
和風のお料理だけではなく、洋風料理やスイーツなどにも使えます。
「本みりん」なら、たとえばジャムを作るときに砂糖のかわりに本みりんを使うと、砂糖を溶かす手間が省けるだけでなく、まろやかな甘さのジャムに仕上がります。
「みりん風調味料」は、お味噌汁やカレーの最後にほんのちょっぴり隠し味として加えると、塩分のカドが取れて、まろやかな味わいになります。
そして実は、カットしたフルーツに「みりん風調味料」と「サイダー」を加えると、簡単にフルーツポンチが作れます。
甘みが欲しいさまざまなお料理に広く使えるので、いろいろと入れて試してみてください!
【まとめ】
つまり、料理酒は「うま味やコクが欲しいとき」に、「みりん」は「甘みやテリ・ツヤが欲しいとき」そして「隠し味としてまろやかさを出したいとき」に広く使えるということ。
なんとなくいつも余らせてしまう……という方、是非2019年のお料理ライフの幅を広げるべく、どんどん使ってみてはいかが?(後藤香織)
取材協力/キング醸造
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