池田エライザ流、「落ち込むことを否定しない」前の向き方|歴代モデルを直撃Vol. 22

CanCamモデル時代をひと言で表すなら…修行!

CanCam創刊40周年を記念して、歴代のOGモデルをクローズアップするスペシャル連載。専属モデル時代から今日までの軌跡を振り返りつつ、今だから話せる撮影裏話やプライベートなお話など、自分らしく輝き続ける彼女たちのリアルなメッセージをお届けします。

第6弾では、抜群の存在感とクリエイティブな感性で人気を博し、現在は俳優・歌手・タレント・映画監督などマルチに活躍する池田エライザさんにインタビュー。

エライザさんは、2009年ファッション雑誌『ニコラ』(新潮社)にてモデルデビュー。同誌を卒業した翌月より『CanCam』の専属モデルになり、2013年から2018年の約5年間在籍。愛され要素たっぷりのかわいらしい表情はもちろん、カジュアルでクールなスタイルを担当し、当時のCanCamの世界感をグッと広げてくれました♡ 第2回目のインタビューは、CanCamモデルを経験して学んだこと、感じたことを伺いました!

CanCamでは停滞しないことの大切さを知りました

ーCanCamモデルの経験で学んだことは?

「自分を更新し続けること、停滞しないことの大切さを学びました。実は、CanCamモデル時代にとても苦手だったことがひとつあって…それは、撮影後日に編集部でカメラロールをチェックしながら、ポーズのダメ出しやフィードバックを受けること。私、あれがかなり怖くて…本当に嫌でした(笑)。自分の写真を見てくれた編集スタッフからアドバイスをいただくのですが…愛のムチだと知りながらも結構グサグサきてました。でも同時に、その厳しさがあったから私は謙虚でいられたし、常に新鮮なものを見せ続ける習慣のようなものも教わりました」

エライザさんがCanCamに登場した当初は、舞川あいくさん、山本美月さん、トラウデン直美さんなど人気モデルがしのぎを削っていた時代。読者からCanCamへの期待も専属モデルに求められていたレベルも、モデル本人たちの意識も相当高いものだった。

ープロフェッショナルな仕事が求められていた?

「そうですね。でもモデルたちの仲はとても良くて、いいものを作るために全員が同じ方向を見て切磋琢磨していた感じかな。編集部のスタッフの中には、『エラちゃんとこの企画をやりたいからページ取って来たよ!』と、提案をしてくださる方もいて、モデルもスタッフもみんなが一生懸命でしたね。だからこそ私も、厳しいことを言われたら萎縮するんじゃなくて、自分の意見やアイデアはハッキリと伝えるようにしていました。例えば何か修正の指示があったときに、自分は良いと思っていたら『これって変えた方がいいですかね?』って、疑問や違和感は残さないようにその場で正直に。言われたことをそのまま鵜呑みにしたり、ただ凹むだけでは、本当にいいものが作れなかったり…なんか”段取り”が悪いじゃないですか!? CanCamは初めて体感する独特な文化があったけど、実はすごく基礎的なことを教わった場所だった気もします。ある意味、社会人1年目みたいな気分でした」

そんなエライザさんに、「あなたにとってCanCamとは?」と聞いてみたところ…返ってきた言葉は…“修行”でした。

「CanCamは、”力”をつけるための修行が絶えず行われている場所。私にとっての社会人1年目を過ごした場所ですね」

その頃の自分に声かけるとしたら?

「うーん、何もないです。なんかすごい頑張っているし、ほっとく!(笑)」

ー今のCanCamを開くことってありますか?

「もちろん! LINEのお友達登録をしているし、紹介されてる服を買ったり、いろいろとチェックさせてもらってます。モデルさんも誌面もかわいくて、私がいたときよりもさらに洗練された印象。一読者として好きなので、私にも撮影させてもらいたいくらい(笑)」

CanCamモデル時代を振り返り、“大変だったけど面白かったな〜”と懐かしそうに笑うエライザさん。高校生でありながらプロのモデルとして成長し続けた日々は、決して平坦な道のりではなかったはず。周りと比べて、落ち込んだり焦ったりしてしまうことはなかったのだろうか。

「私は悩むこと自体が”段取り”悪いと思ってしまうタイプ。悩むくらいだったら、もっと有意義に時間を使いたいし、悩んでいる時間がもったいないと個人的には思うので、あまりメンタルが揺れたり感情が左右されることはなかったです」

ーでは、CanCam世代に向けてメッセージを送るなら?

「よく“周りと比べないようにしよう”ってアドバイスを見聞きしますけど、比べたこと、落ち込んだこと、その感情を否定するのではなく、気持ちを切り替えるまでの時間をなるべく早くしたらどうかな、と思います。落ち込まない、気にしないことよりも、何分何秒落ち込むのかがポイントな気がします。

一度落ち込むと何も手につかなくなるとか、自分を傷つけるような行動に走っちゃうのであれば、落ち込むのに向いてないと思いますが、落ち込んだことで老廃物というかドロドロっとした感情が流れてスッキリする人もいるから、落ち込むこと自体が悪いとは言えないですよね。そもそも、人と比べることで成長できる人もいると思うし。まずは自分がどういうタイプか見極めてあげて、私と同じタイプだとしたら『落ち込むと段取り悪いわ』って、さっさと切り替えるのもひとつの手だと思います。

それと、一度誰かと自分を比べて落ち込んだのなら、もう二度とその人とは比べないほうがいい。『あの子は私よりかわいい、ぴえん』ってずっとやっているのってすごく意味がないんですよ。それなら、『はい、あの人は私よりすごい!』って認めちゃった方が遥かにいい。”認める”って楽になることなんです。

難しいけれど、私ってこういう人間だよな〜っていうのを先に見極めてあげて、それから落ち込むほうがいいんじゃないかな。上には上がいるんだから! ひとりひとりが元々持っている性質や性格があると思うので、まずがそれをわかってあげることが大切なんじゃないかな」

多忙な日々の中でも、自分を見失わず前だけを向いて走り続けるエライザさんの言葉。自分を知り、自分を愛しているエライザさんの言葉や行動には、「なるほど、それでいいんだ」と肩の力が抜ける自然体で彼女らしいメッセージがありました。

次回は、CanCam卒業後のエライザさんをクローズアップ。俳優や監督としての活動、そしてこれからの夢など、アップデートを続ける池田エライザの魅力をお届けします! お楽しみに♡

池田エライザProfile】1996年4月16日生まれ。2009年ファッション雑誌『ニコラ』(新潮社)にてモデルデビュー。同誌を卒業した翌月より『CanCam』の専属モデルに抜擢され、2013年から2018年まで約5年に渡り在籍。モデル業の傍ら女優業をスタートし、唯一無二の存在感と抜群の演技力で映画やドラマに出演。歌い手としても高い評価を得ており、今年6月にはファーストアルバム『失楽園(DELUXE version)』をリリース。そのほか、映画監督やスチールカメラマンなど制作の仕事も手がけ、果てしないパワーと好奇心は多方面に及ぶ。Instagram
【出演情報】タツノコプロ創立60周年記念『WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ』
10/7(金)放送・配信スタート 毎週金曜午後11:00 ※第1話無料放送(全11話)
1977年に初放送された国民的アニメ『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』で、正義の味方であるヤッターマン1号・2号の敵役として知られるドロンジョ。本作では、主人公の泥川七音が、ドロンジョとして悪に手を染めることになるまでの、知られざる過去や生き様を描くダークエンターテインメント作品。キャストは他に、山崎紘菜 矢本悠馬 金子大地 / 高橋和也 古田新太
撮影/谷口 功(Pygmy Company) スタイリスト/福田春美 ヘア&メイク/RYO 取材・文/大下杏子 衣装協力/BURBERRY