人に話を聞いてもらうには? つい耳を傾けたくなっちゃう心理テクニック
人に話を聞いてもらうのは、簡単なようで難しいものですよね。もしかすると、自分との会話をつまらないと感じていたらどうしよう…… と、心配してしまうことも少なくありません。どうすれば、自分の会話に耳を傾けてもらえるのでしょう。そこで今回は、「人に話を聞いてもらうには? つい耳を傾けたくなっちゃう心理テクニック」をご紹介いたします。
■主張の前に相手の気持ちを尊重する
心理学的にコミュニケーションを大まかに分けると…
- どちらかが我慢しがちなコミュニケーション
- どちらかの自己主張が強すぎるコミュニケーション
- いろいろ話しながら相互に納得して進めるコミュニケーション
この3つにわけられます。コミュニケーションは相互のやり取りなので、一方的な会話だと通常は成立しません。そのため、理想としてはお互いに納得してすすめていくスタイルを意識しましょう。これを“アサーティブ”と言います。相互に納得してすすめていくためには、こちらが主張するだけではなく相手の気持ちを尊重しなければならないのです。
■共通点を見つけてから会話をする
あまり話を聞いてくれない友人でも、相手の関心事となると話は別ですよね。そこで、あなたと相手との“共通点”を話題にしてみましょう。どんな相手でも自分に関する話題なら、いやがおうにも耳を傾けたくなるもの。でも、ただ単に数を共有するだけでは、ふーんそうなんだ。で終わることも少なくありません。確かに心理的報酬の面からすると、心理的負担が軽減され好意を抱きやすくなります。しかし、親密度に比例するのは、共通点の深さなのです。そのため、徹底的にひとつの共通した趣味だけを掘り下げるようにしましょう。
■相手の話を聞くことで承認してあげる
心理学者マズローによると、人には認められたいという願望“承認欲求”があります。どんなに自分の中では納得した人生だとしても、誰からも褒められなければ少し寂しいもの。特に、社会人となれば周囲との人間関係の中で、そういった承認欲求はかなり強くなってくるでしょう。そこで、まずはあなたから相手の話を聞いてあげましょう。興味がなくても相づちなどを打って、真剣に話を聞くのです。そうすれば、相手も話を聞いてくれたと感じ、承認欲求が満たされるはず。そうすれば、あなたの話も聞いてあげようと言う好意の返報性が生まれ、耳を傾けてくれるようになるでしょう。
■相手の立場になって“仮定”として話を進める
相手に話を聞いてもらううえで、気軽にできる心理テクニックがあります。それが“イエス・イフ法”です。これは自分の話をするのではなく、相手の話を一度受け入れた上で「もし~だったら」という仮定を提示する会話術なのです。特に、相手の話を受けて「もし私があなただったら……」と切り出して話をすれば、相手は自分のことを考えてくれていると感じ、素直に話を聞いてくれるようになるでしょう。この方法を用いると、相手も満足して会話できるため一石二鳥だと言えます。
おわりに
人は本来、他者とコミュニケーションを求める生き物です。会話を通して、相手の事を知り自分という存在を認識することができるためだと言えます。でも、相手が自分の話しに聞く耳を持っていないと感じたら、ほんの少しコミュニケーションの取り方を工夫してみましょう。きっと、たくさんの人があなたの言葉に耳を傾け、円滑なやり取りが交わされるでしょう。もちろん、あなた自身も相手の話に耳を傾けることも忘れずに。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。