モデルの蛯原友里さんが、5月7日に発売された『AneCan』6月号をもって、7年半専属モデルをつとめた同誌を卒業しました。
その卒業を記念して、Woman Insightは蛯原さんに独占インタビューを敢行。今だから語れる裏話、家族のこと、母になってからの変化……さまざまなことをうかがった、卒業記念インタビューをお送りします!
Woman Insight編集部(以下、WI)2009年1月号から専属モデルを勤めたAneCanを、2016年6月号をもって卒業とのことで……7年半もの間、お疲れ様でした。そして、おめでとうございます! まず、7年半を振り返って、これは思い出深い……という出来事を教えてください。
蛯原友里さん(以下、友里)とにかく、何よりも思い出深いのは、2012年2月の『Canコレ!』です。
WI 『Canコレ!』のウワサは聞いたことがあります……(笑)。CanCam創刊30周年とAneCan5周年を記念した合同イベントで、両誌の専属モデル陣が本気で踊ったダンス&ファッションイベントですよね。
友里 そうです、小学館の会議室のフロアを貸し切って、ダンススクールのように3か月毎日練習しました。今でもそのときの曲が流れると体が動くくらい、みっちりと(笑)。体育祭のような感じだったので、終わったときに「楽しかったね、出し切ったね!」って、感動のあまりみんなで泣いたくらい……(笑)。本当に思い出深いですね。
WI それは忘れられないですね! では、これはものすごくハードだったな……というものはありますか?
友里 ハードだったな、という印象が強いのは、2012年に行かせていただいたNYのロケですね(※2012年12月号掲載)。ニューヨークコレクションを取材して、ファッションシューティングをして、連載の「YURISM」を撮って、「コールハーン」のムービーを撮って……そういえばそれもダンスのシーンを撮影したんですよね(笑)。そんな感じで、とにかくスケジュールがギュッと詰まっていて、夜ホテルに戻ったらお風呂も入らず寝てしまったような……相当ハードでした(笑)。でも、不思議と、大変だったことこそ、あとで振り返ると「あれもいい思い出だったなぁ」と思えるものなんですよね。
WI となると、これは純粋に楽しかった! ということで思い出せるものって……ありますか?
友里 麗ちゃん(※高垣麗子さん)とパリに行ったことはただただ楽しかったです! これまでは、(押切)もえとハワイに行く以外で、モデル仲間と海外に行ったことがなかったので新鮮でした。それに、すべての撮影が終わったあとに、スタッフみんなでひとつの部屋に集まって、少々飲んだくれながらプチ打ち上げをしてみたり……(笑)。なかなかない経験ができました。
WI やっぱりこれも部活のようですね(笑)。さて、AneCanでの7年半……蛯原さんにとって、どうでしたか?
友里 CanCamも同じく7年半くらいだったんですけど、AneCanのほうがあっという間だったように感じます。AneCanでは、いわゆる「エビちゃんブーム」だったCanCam時代よりも、落ち着いて仕事ができたのかもしれません。さらに連載の「YURISM」を筆頭に、すごくいろんな表現ができる機会があって……いつも楽しくてしょうがなかったです。
WI 「YURISM」ではいつも、一流スタイリストやヘアメイクさんとのコラボ、アート寄りの写真に男装など、こちらがあっと驚くような写真多数でしたが、中でもこれはすごかった……というものはありますか?
友里 どれも楽しかったですが、その中でも特に印象的なのは、2014年5月号の、世界的ヘア&メイクアップアーティストの加茂克也さんとコラボした回ですね。その場で作ったお花のペーパーモチーフを頭にセットするのに3時間くらいかかったんですけど、これをセットさえしたら、メイクは5〜10分でしたし、撮影もあっというまに終わって……。いろいろと驚きの多い撮影でした。
WI これだけ見るとAneCanに載っていそうなページじゃないですよね。なんでしょう、『装苑』というか、モード誌のような。
友里 本当に。世界に名だたるクリエイターの方とお仕事ができて本当によかったです。AneCan卒業後も、「YURISM」の連載だけは残してほしいくらい(笑)。
WI 蛯原さんにとって、AneCanって、どんな存在でした?
友里 なかなかひと言ではまとめられませんが……まずは、モデルとしてさまざまな表現を頑張って「やりきった!」と思える場所です。そして、とにかく、自分の人生のターニングポイントがたくさんあった場所でした。独身だった私が、結婚して妻になり、そして母になって……普通だったら、その間に何回か雑誌を変わっていてもおかしくありません。自分でも、AneCanにいる間に、こんなに自分自身が変わっていくなんて思ってもみませんでした。
WI 母になって「自分、こう変わったかもしれない」と思うことはありますか?
友里 いい意味で、頑張らなくなりました。子どもを産むまでは、「もっと自分を磨かなきゃ」「こうなっていかなきゃ」と、常に上を目指す、という感じだったんですが、母になったら……欲がなくなった、というか。
WI いわゆる、肩の力が抜けて自然体に……という感じでしょうか?
友里 自然体になった、というのとも違って……ぱっと開けた、というか……なんて言えばいいんだろう(笑)。何とも比べなくなって、常にすごく満たされている状態になりましたね。卒業号の表紙の写真が、そんな雰囲気が出ている気がして、とっても大好きなんです。
WI それっていちばん幸せな状態かもしれませんね。そういえば、AneCan、Domani両誌で、息子さんとのお写真も掲載されていましたよね。あの写真もとっても美しくて、聖母マリアか……!?と思いました(笑)。
友里 このふたつ、連日の撮影だったんですよ。1日めの『Domani』のスタジオはちょっと暗くて、そこにフラッシュが焚かれる……という、スタジオ特有の独特の空気だったので、息子も落ち着かなかったのか一回お出かけしたことも。一方2日めの『AneCan』は、自然光が入る明るいハウススタジオだったので、すやすや眠ってました(笑)。
WI そんな裏話があったんですね。いわゆる「ママモデル」というか、ママ感を出していく予定についてはどうでしょうか。
友里 子どもと撮影したのはその2回だけなんですが……今後は、どうなんでしょうね。撮影現場にも、連れて来ていいよ、とは言っていただくんですが、もし撮影中に息子が泣いてしまったらどうしても気になるでしょうし、迷惑かけちゃいけないな、仕事に集中したいな、と思うので、あまり撮影現場にも連れていっていません。でも、そのときの流れ次第かな、とは思っています。
WI ちなみに……今、もしなんの制限もなく、なんでも、どんな撮影でもできます、と言われたら、やりたい撮影はありますか?
友里 一周まわって、久しぶりにすっごくかわいい撮影がしてみたいです(笑)。白いほわっとしたライティングに包まれて、ふわっふわの女子です……という感じは、最近やっていないので、今撮ったらどうなるんだろう、と思います。
WI いわゆる「エビちゃん」への回帰ですね……! 確かに今だとどんな「かわいい」が出てくるのか気になりますね。さて、ここまでのインタビューには、元AneCan編集長で現WomanInsight編集長の福田葉子さんに同席していただいているわけですが……福田さんから、何かありますか?
元AneCan編集長 福田葉子さん(以下、福田)こんなに長い間、ピンでカバーガールをつ務めることができるモデルって、そうはいないと思っています。そして、友里は、AneCanの表紙に最多で出てもらっていると思う。さっきも卒業号の表紙の話になったけれど、やっぱり、表紙って、特別?
友里 特別です! 表紙は、その雑誌の顔というか……その時代の「今のAneCan」を表現するものだから、できるだけ華やいでいるAneCanの姿を見て欲しい、と思っています。撮影現場でも、その日の雰囲気を見て、「今のAneCanのこの雰囲気をそのまま伝えよう!」と思って、カメラの前に立っていました。
WI 蛯原さんと福田さん。蛯原さんのソロ表紙はこれまで26回ありますが、卒業号の写真は特別であるとして、他に過去の表紙で、それぞれ好きな表紙を選ぶとしたら、どれですか?
友里 私はこの、2015年1月号の表紙です。
福田 そう、私もこれ。この衣装はウエディングドレスで、これを友里が現場で見た瞬間に、「これ着るの!?」って、嬉しそうにテンションが上がっているのがこっちにも伝わってきて(笑)。でもヘアメイクはナチュラルで大人っぽくてかわいくて、ハッピーな感じが撮れた、と、その場にいたみんなが思いましたね。
友里 あまりにもよくって、自分から「ページを増やしてください」とお願いするの、初めてでした……。
福田 そうそう、表紙の1枚以外ボツはあまりにももったいない、ということで、急遽ページを作ったんだよね。本当に友里はカバーガールなんだな、と実感しましたね。こんなモデルはなかなかいないと思うし、だから表紙モデルを続けられるんだな、と思っています。
友里 ありがとうございます……!
WI それでは最後に。2015年7月号から、日本の雑誌史上初のDomaniとのW専属モデルを勤めていますが、Domaniでの撮影は、AneCanとはまったく違いますか?
友里 違います。まず、AneCanは、20代から、35歳の私の年代くらいまでと、世代だけとっても幅広い読者がいるので、表情のバリエーションもかなり自由度が高いです。それに対してDomaniは、求めている女性像が「35歳前後のキャリアウーマン」とはっきり示されています。これまで、自立したかっこいい女性像、というのは、私の中にはあまりなかったものなので、それを表現するのはとても楽しいですね。ぜひこれからも見ていただけると嬉しいです。
AneCanを卒業し、Domani専属モデルとして、蛯原さんは引き続きカバーモデルを務めていきます。
今後、また新たなステージで、どんな素敵な女性像を見せてくれるのでしょうか……?
日本の「かわいい」の象徴として、そして大人の女性たちが憧れる女性として、さらに輝き続けていくであろう蛯原さん。改めて、AneCan卒業、おめでとうございます。そしてDomaniでのますますの活躍、楽しみにしています!(後藤香織)
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