かわいすぎると話題!江戸時代の犬の絵に…胸きゅん。

私たちが日常的に使っている「かわいい!」という言葉は、今や世界的に「kawaii」として有名な、日本文化のキーワード。

しかもそれは、「アニメ」や「ロリータファッション」などに代表されるような現代のものだけでなく、1200年にもおよぶ日本美術の中で受け継がれてきた、日本を語る上で欠かせない、日本オリジナルの感性です。

そんな「かわいい」日本美術の中で、「かわいい動物」がたくさん描かれてきたこと、ご存じでしょうか?
鎌倉時代の『鳥獣人物戯画』に代表されるように、「かわいい動物の絵」がたくさんあるのです。かわいい動物コレクションを、『和樂』12月号よりご紹介します。

【1】まずは師弟対決!

和樂2015年12月号P71
さまざまな文化や社会情勢の影響を受けながら、「かわいい」美術が爆発的に広まりを見せた江戸時代。18世紀の京都で活躍した絵師、円山応挙や弟子の長沢芦雪たちは、非常にハイクオリティな動物画を描いていました。

上の絵は、円山応挙の『時雨狗子図(しぐれくしず)』の一部。応挙は、それまでにないほどリアルな描写を確立し、その筆致をもって内に秘めた「かわいいものへの愛情」を絵画化し、数多くの仔犬を描きました。ふわふわな犬の質感が伝わってくるよう!

一方下の絵は、応挙の一番弟子、長沢芦雪による『白象黒牛図屏風(はくぞうこくぎゅうずびょうぶ)』の一部。師匠の応挙作に似た仔犬図も多く描きましたが、中でも見た人の心を鷲掴みにするのが、この黒牛の巨体に寄りかかるようにたたずむ仔犬! ちょこんと座るその姿にキュンとします。