“元トヨタNo.1メカニックが書いた思考法の本”と聞いて、根っからの文系の私は「カ、カタそう……」と思ってしまったのですが、これが大間違い! 『トヨタの自分で考える力』は、とても楽しく読める一冊でした。
著者の原マサヒコさんが働いていたトヨタの現場では、“5つの思考”を大事にしていたそう。この“5つの思考”は会社員の仕事にはもちろん、専業主婦なら家事や子育てに、学生なら勉強や部活に間違いなく役立ちます。ということで、主婦目線で早速ご紹介します!
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①改善思考
「知恵を出しながら現状を少しでも良いものに変えていこう」ということ。たとえば、どうすれば仕事の無駄な動作を減らせるか。日本の企業では残業する人がほめられがちですが、トヨタでは「頑張らずに成果を出す」ことが重要視されています。たとえば、「自動化」できる作業は、知恵をきちんと足しつつ「自動化」する。「頑張ることは汗を多くかくことではない」という言葉にギクッとされる方も多いのではないでしょうか。
子育てをしていると、「頑張って作った離乳食を食べてもらえない」「毎日掃除機をかけるのが大変」のような、「なんで私ばっかり」的思考にはまりがちですが、そんなときこそこの「改善思考」。多少無駄にされてもダメージを受けないよう、まとめてつくった離乳食を冷凍したり、掃除ロボットを思いきって購入して精神的衛生を保つなど、悲観的になるまえに思い出すと、不思議と思考がスッキリします!
②横転思考
「発想や行動をずらしていこう」ということ。「横転」とは「横展開」のことであり、良いものは積極的にシェアすること。そして、「横転」をスムースにするためには、普段から「縦・横・斜めに人間関係をつくる」ことが大事。ちなみにトヨタでは部署同士、職位同士、出身者同士などで集まる機会があります。他部署の人とも交流が充分にできているのか、そもそも他部署の仕事をきちんとリスペクトできているのか……考えさせられます!
子どもと二人きりの時間が多い主婦にとって、「横転思考」はとても大事。「縦・横・斜め」の人と交流できると、いろいろな子育て情報が入ってくるうえ、子どもと自分自身の視野を広げることができますよね! 教育熱心なママ友とばかり会っていたら、知らないうちに自分も子どもにプレッシャーを与えるようになっていた……なんてこともあるかもしれません。新しい習い事を始めてみたり、ちょっと足を延ばして、いつもとは違う児童館へ行ってみたりして、“井の中の蛙”にならない思考を心がけたいものです。