本日2月24日は、直木賞の創設者である直木三十五(さんじゅうご、と読みます)さんの忌日。代表作の『南国太平記』にちなみ、南国忌とも呼ばれます。ところで、「直木賞」と「芥川賞」の違いと詳細って、ご存じですか? 「半年に一度発表されているけれど、それぞれどのような作家・作品から選ばれているのか、実は知らない……」という人が多いかもしれません。今回それぞれ解説をしていきますので、ぜひこの機会に覚えておいてくださいね。
まず直木賞の解説から。直木賞は、当時の文藝春秋社・社長であった菊池寛さんにより、直木三十五さんの名を記念して、芥川賞とともに昭和10(1935)年に創設されました(第6回からは財団法人日本文学振興会による運営)。
その年に各新聞・雑誌(同人雑誌を含む)あるいは単行本として発表された、短編および長編の大衆文芸(純文学に対して「芸術性」よりも「娯楽性」に重きを置いている)作品の中から、最も優秀とされる作品に贈られる賞であり、無名、新進、中堅作家が対象となります。すでに発表されている作品となるため、応募形式ではありません。
授賞は年に2回で、上半期(12月1日~5月31日までに公表されたもの)の選考会・発表が7月中旬、下半期(6月1日~11月30日までに公表されたもの)の選考会・発表は翌年1月中旬に行われ、それぞれ贈呈式は約1か月後となります。上半期の受賞作品は『オール讀物』9月号に、下半期の受賞作品は『オール讀物』3月号に掲載されます。
現在、選考委員は浅田次郎さん、伊集院静さん、北方謙三さん、桐野夏生さん、高村薫さん、林真理子さん、東野圭吾さん、宮城谷昌光さん、宮部みゆきさんの9名。また、正賞は懐中時計、副賞は100万円となっています。
そして芥川賞。各新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された作品の中から、こちらは純文学が対象です。授賞時期は同様ですが、掲載されるのは『文藝春秋』。選考委員は小川洋子さん、奥泉光さん、川上弘美さん、島田雅彦さん、高樹のぶ子さん、堀江敏幸さん、宮本輝さん、村上龍さん、山田詠美さんの9名。そして正賞、副賞ともに直木賞と同様となります。
つまり、大衆文芸作品か純文学作品かというところが主な違いなのです。ちなみに2014年下半期の第152回直木賞受賞作品は、西加奈子さんの『サラバ!』。あまり普段読書はしないという方も、芥川賞・直木賞の受賞作品だけでも読んでおくと、さまざまなシーンでの会話に広がりが出るかもしれません。ぜひ書店で、手に取ってみてくださいね。(鈴木 梢)
★第152回直木賞を受賞した作家・西加奈子さんの、受賞に寄せたエッセイがすばらしすぎる→私たちに会いに来て
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