『AneCan』専属モデルで作家の押切もえさんが、12月22日発売の『小説新潮』1月号に80ページの短編小説『抱擁とハンカチーフ』を発表しました。
押切さんの小説は昨年夏に書き下ろした長編小説『浅き夢見し』(小学館刊)に続く2作目。エッセイストの阿川佐和子さんにも「ずっと書き続けてほしい」と絶賛されたその筆力を評価され、文芸雑誌デビューとなりました。
この短編小説『抱擁とハンカチーフ』は、自分の才能に疑問を抱く41歳の画家・彩未が、前夫である人気画家や、16歳になる娘や、8つ年下の青年との関係に悩みながら新たな絵の創作に向かっていくというもの。若いモデルを主人公にした第一作とは趣を一新した新作となっています。
前作『浅き夢見し』を読んで執筆を依頼した担当編集者は、「40歳過ぎても現実との折り合いがつかず、いわば〈こじらせ〉ている彩未の内面の変化を鮮やかに描いています。彩未は、押切さんとは年齢も境遇も違う女性なのに、その心理や悩みや成長を具体的なエピソードで語り切って、見事に小説として完成させました。人物造形や物語の構成の巧みさは、『小説新潮』の編集長が舌を巻いたほど。文章もいい。彩未は画家ですが、『絵を描く』ということを文字で表現することは難しいのに、そこも達成しています」と讃嘆しているそう。
押切さんはこの作品を皮切りに、「やりたいこと現実の間で悩んだり、格闘したりしている女性に寄り添う」連作小説を発表していく予定とのこと。
押切もえさんのコメント
昨年初めて書いた『浅き夢見し』に続き、また小説新潮で新しい作品を発表させて戴く事になりました。
今度は短編連載です。
著名な作家さんたちの作品が並ぶ『小説新潮』の中に自分の初の短編が掲載されるなんて嬉しくて胸が一杯です。
沢山の方に読んで戴ければ幸いです。
12月29日に35歳のお誕生日を迎える押切もえさん。「Woman Insight」では、この短編小説への取り組みや来年への気持ちなどを語ったインタビューを掲載予定です。お楽しみにしていてくださいね。(安念美和子)
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