人によって異なるバストの悩み。中でも「サイズアップしたい」と願う人は、やっぱり多いのではないでしょうか。
そこで今回は、モデルやミスコン出場者も通うバストアップ専門サロン「メディカルサロンM.M.M」の創業者・田島 真紀子さんにお話を伺いました。
バストアップを目指す人が意識すべき生活習慣や食事とは? ダイエットとの両立のコツは? さっそく教えていただきましょう。
田島 真紀子さん
エステティシャン、整体師として働いたのち、2004年にバストアップサロンのパイオニア「メディカルサロンM.M.M」を創業。現在は表参道、銀座、大阪梅田、心斎橋の4店舗を運営。日本マーケティングリサーチ機構調べによる2020年 「バストアップサロン人気No.1」、「安心して通えるバストアップサロンNo.1」、「施術効果を期待出来るバストアップサロンNo.1」の三冠を獲得。
■バストにまつわるQ&A。「大きさは遺伝」とは限らない?
Q.「やせるときはバストから落ちる」というのは、本当ですか?
残念ながら、本当です。人間の体は良質な脂肪から消費していくようにできており、胸の脂肪は体の中でも非常に良質なので、真っ先に落ちてしまいやすいのです。
反対に、「太るときは胸以外から太っていく」と感じる方も多いと思います。これは、体を寒さから守るため、血流が悪く冷えている部分に優先的に脂肪がつくという仕組みのためです。足やお尻は冷えやすいので、胸よりもお肉が付きやすくなります。
ダイエットをすると胸から痩せ、体重が増えても胸には肉がつきにくいため、バストアップは意識して正しく行うことが大切です。
Q.「バストの大きさは遺伝で決まる」という説は、本当ですか?
いいえ、バストの大きさを決める要素は遺伝だけではありません。遺伝的な要因は30%程度しかなく、あとの70%は成長期の女性ホルモンのバランスや生活習慣によって変化すると言われています。同じ両親から生まれた姉妹でも胸の大きさが異なるのは、このためです。
女性のバストが最も成長するのは第二次性徴期(10〜17歳頃)で、バストの内部組織が発達し、それを守るように脂肪組織が増殖してふっくらした形になっていきます。この時期に栄養バランスの良い食事と充分な睡眠をとり、ストレスを溜めずに過ごす……といった理想的な生活を送ることができれば良いのですが、思春期ということもあり、実際はなかなかそうもいきません。
ちなみに、バストの成長には以下の5段階の過程があると言われています。
◆バストの成長過程5段階とは……
・第1段階 まだ膨らんでいない。
・第2段階 乳頭周辺が少し膨らむ。
・第3段階 膨らみが前に突き出すように広がり、バストとお腹の境目(ヴァージスライン)がはっきりしてくる。
・第4段階 膨らみがサイドに広がり、丸みを帯びる。
・第5段階 お椀のような形の成人型バストになる。
本来であれば思春期に第5段階まで発育するポテンシャルがあるのですが、日本人女性の中には第3〜4段階目で成長が止まってしまう人も少なくありません。原因はのちほど詳しく説明しますが、無理なダイエットやストレスによるものが多いと言われています。
Q.思春期に止まってしまったバストの発育……。大人になってからバストアップすることはできますか?
可能です!
バストアップ成功のカギとなるのが女性ホルモンです。女性ホルモンのバランスが乱れているとどんな施術を行ってもバストアップ効果は得にくいので、まずは女性ホルモンの分泌を整えることを心がけましょう。
本格的なバストアップ、たとえば「第3〜4段階目で止まった成長を第5段階へ引き上げたい」といった場合は専門サロン等での施術が必要ですが、生活習慣に気をつけてセルフケアを行うだけでも、今より1サイズ程度アップさせ、形の良い丸いバストに近づけることは充分に可能です。
■バストの成長を阻害する「7つの原因」とは?
Q.バストの成長が途中で止まってしまう、その原因は何ですか?
最も多い原因は、過激なダイエットによるものです。バストの形成にはタンパク質と脂質が必要なので、食べないダイエットでこれらが不足するとバストは成長できません。
バストが最も発達する思春期に、「細くありたい」と願うあまり、食べる量を極端に減らしたり特定のものだけを食べ続けたりする過激なダイエットを行ってしまうことがありますが、これはバストの発育を大きく妨げる原因になります。
大人になってからも同様で、バストアップを目指すのであれば、過度なダイエットは控えたほうが良いでしょう。ご飯代わりにお菓子を食べる、カップラーメンばかり食べる、といった偏った食生活もバストの発育を妨げます。
Q.無理なダイエットや偏った食生活の他にも、バストの成長を妨げてしまう要因はありますか?
思春期における発育、そして大人になってからのバストアップ、その両方を妨げる要因として次のようなものが挙げられます。
・過剰な運動
運動を行うと女性の体にも男性ホルモンが分泌されますが、走り込みやマシンによる筋トレといった激しい運動では、男性ホルモンが多く分泌されます。こうした運動を定期的に行うと、女性ホルモンより男性ホルモンの分泌が優位になって、女性らしいボディラインが失われやすくなります。
またバストを吊り下げるように支えているクーパー靭帯は、激しい運動によって切れてしまうことがあります。クーパー靭帯が切れるとバストの下垂にも繋がります。
・卵巣の冷え
女性ホルモンの分泌には卵巣が関与しています。卵巣が冷えて働きが悪くなると、女性ホルモンの分泌が減少してしまいます。
・睡眠不足、質の悪い睡眠
女性ホルモンは寝ている間に分泌が活発になります。睡眠不足が続いたり、時間は充分でも睡眠の質が落ちていたりすると、やはり女性ホルモンの分泌が減少してしまいます。
・ストレス
意外に感じるかもしれませんが、ストレスもバストアップの大敵です。これは、女性ホルモンの分泌コントロールを脳の視床下部が司っているため。ストレスが溜まると自律神経のバランスが乱れ、ホルモンバランスも崩れてしまいます。
・猫背などの前傾姿勢
バストアップのためには、乳腺に栄養を運ぶ血液と、老廃物を排出するリンパの流れを良くすることが大切です。猫背などの前傾姿勢は血液とリンパの流れが妨げ、乳腺の新陳代謝を滞らせてしまいます。
・サイズの合わないブラジャー
窮屈なブラジャーは、締め付けによる血流の圧迫、脇や背中への脂肪の押し出しなどにより、バストアップを妨げてしまいます。また大きすぎるブラジャーも、クーパー靭帯の断裂や伸びを招くことがあります。ブラジャーはサイズの合ったものを選び、1年を目安に買い換えることをおすすめします。