雨が多い梅雨の時期は、それほど暑くなくても肌がべたつき不快感を感じたりしますよね。そんなジメジメする梅雨に、エアコンの「冷房」か「除湿」どちらを使用すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
今回はパナソニック株式会社が全国の551名を対象に行った「梅雨の冷房と除湿の使い分けに関する実態調査」を基に、梅雨の時期のエアコンの活用術をご紹介します。早速見ていきましょう。
エアコンを使って梅雨の湿気対策をしている人は6割以上
Q.梅雨の湿気対策方法
エアコンを使う 63.2%
窓を開けて風通しを良くする 42.1
扇風機を使う 28.9%
ジメジメする梅雨にどのような方法で部屋の湿度を下げているかを調べたところ、6割以上がエアコンを使って湿気対策をしていました。そのほか、窓を開けて風通しを良くしたり、扇風機を活用している人もいました。
約7割が「冷房」と「除湿」どちらを使用するかで悩んだ経験がある
Q.エアコンの冷房/除湿モードどちらを使うか悩んだ経験
いつも悩んでいる 17.3%
時々悩んでいる 50.9%
あまり悩んだことはない 25.4%
悩んだことはない 6.4%
梅雨にエアコンの「冷房」と「除湿」を使い分けて湿気対策をしている人の中でどちらの機能を使用するか悩んだ経験のある人は7割近く(68.2%)にも上る一方で、全く悩んだことがない人は6.4%に留まり、エアコンの使い分け方について多くの人が悩んだ経験があることが分かりました。
部屋を冷やしすぎたくない時には「除湿」を! おうち時間を快適にするエアコン機能の使い分け
コロナ禍による外出自粛で、長時間自宅で過ごす時間が増えています。少しでも自宅環境を快適にしたい、という要望から家具や調理家電を買い替える人が多い一方で、「冷房」と「除湿」の機能についての悩みなどわからないことが多いのも事実ですよね。
そもそも、人が暖かい、涼しいと感じる要因は設定温度だけではありません。たとえ同じ温度だとしても、湿度がどれくらいか、直接風が当たるかどうかによって体感温度は変化します。特に「湿度」の増減は体感温度に大きく影響し、気温が高くても湿度が低ければ不快さは減り、気温が低くても湿度が高いと寒さを感じにくくなります。
そこで、エアコンの温度、湿度調節に煩わされることなく自宅で快適に過ごすためのエアコン機能の使い分けについて、パナソニックエアーマイスターの福田風子さんにご解説いただきました。
■空気中の湿度を下げる仕組み
エアコンの「除湿」機能は、まずお部屋の湿った空気を本体に取り込み、その空気を本体内部の熱交換器で急激に冷やします。すると、空気中に含まれていた水分が水滴になり、熱交換器に結露として付着した後、冷やされた空気が部屋に戻されます。この空気中の湿度を下げる仕組みは、「冷やした水を入れたコップに結露がつく現象」で例えることができます。
通常の状態
・空気中には水蒸気が含まれている
・空気の温度が高いと、含むことのできる水分量が多く、温度が低いと空気中の水分量も少なくなる
空気が冷やされた状態
・空気中に蓄えられる水分量が減る
・減った空気中の水分は水へと変わり、冷やされた水が入ったコップ周辺に結露として付着する (=除湿)
空気がさらに冷やされた状態
・空気中に蓄えられる水分量がさらに減る
・水が冷やされるほどコップ周辺に多く結露する
上記のように空気は急激に冷やすほど大幅に湿度も下がるため、設定温度によってはエアコンの「冷房」の方が「除湿」よりも除湿量が多い場合があるのです。
■エアコンの「冷房」と「除湿」の仕組み
では、温度とともに湿度も下げることができる「冷房」と、湿度を下げる「除湿」の仕組みにはそもそもどのような違いがあるのでしょうか。空気の温度を優先的に下げるのが「冷房」、そして湿度を優先的に下げるのが「除湿」であり、「除湿」は「冷房」と比べて弱い風が吹き出されます。また、「除湿」にも冷やされた空気が噴出される「冷房除湿」と、暖めなおした空気が吹き出される「再熱除湿」の2つの方式があります。
【冷房】
・空気を強く冷やし、温度を優先的に下げる
・温度を下げることで必然的に除湿量も増える
【冷房除湿】 室温を下げすぎないよう風量を抑えながら、湿度を優先的に下げる
【再熱除湿】 室温を下げすぎないよう、冷えた空気を再び暖めてから吹き出す
■エアコン機能の使い分け
「冷房」と「除湿」の仕組みについて理解したところで、ここではどのシーンでどの機能を使うのがおすすめかを紹介していきます。外気温が30度に近づくと、人は暑さを感じるようになり、家の中の室温も下がりにくくなる傾向にあります。
そのような場合には、部屋の湿度を優先的に取り除く「除湿」ではなく、「冷房」を使って部屋をしっかりと冷やさないと快適にはなりません。「冷房」を使って温度と湿度がある程度下がったら、「除湿」を使うことで省エネに。あまり部屋を冷やしたくないという時は「除湿」を使用するのがおすすめです。
「除湿」でも部屋の温度低下が気になる方は「再熱除湿」を使うとよいですが、長時間使う際には電気代に気を付けましょう。また、「冷房」と「除湿」どちらを使うのか迷うような温度帯の時には外気温の環境も考えて運転する「自動」モードを使うといいでしょう。
ジメジメする梅雨の時期に試したい! 身近なもので誰でもできる湿気対策4つ
エアコンの活用以外にも、自宅にある身近なものを使って除湿対策をする方法について、家事アドバイザーの毎田祥子さんにご紹介いただきました。
■新聞紙は昔から愛用されてきた除湿剤
繊維の層が多い新聞紙は、湿気や臭いを吸着する力が高いといわれ、押し入れなど湿気のこもりやすい場所に敷いたり壁側に貼り付けたりして昔から除湿に使われてきました。クシャクシャっとしてから広げた新聞紙は、部屋干しの洗濯物の真下に置いたり、洗濯槽に入れて一晩放っておいたりと優しい作用の吸湿グッズに変身します。湿った新聞紙は晴れた日に干して再利用できます。
■コーヒー豆のかすで除湿グッズ作り
コーヒーを淹れた後の豆のカスは、ドリップペーパーごと乾燥させて除湿剤に。炒った豆には炭のような吸湿と脱臭の効果があり、ドリップペーパーの口を閉じれば、どこにでも置ける除湿グッズの出来上がりです。コーヒーかすはキッチンペーパーに広げてレンジで少し加熱すると早く乾燥できます。
■重曹は掃除の前に除湿剤としてひと働き
重曹は臭いも吸着してくれる除湿剤として使うことができます。例えば、空気を通しやすい素焼きの容器に重曹をたっぷり入れて、玄関や洗面所などに置き、ハーブや精油を混ぜて香りを加えてもよいでしょう。除湿剤として使った後は、玄関の土間に撒いて掃き掃除をするほか、洗面台の発泡掃除にも活用できます。
■珪藻土グッズを自分流除湿剤にアレンジ
珪藻土を使った調味料スプーンなど除湿グッズは色々ありますが、100円ショップなどで売られている小さなグッズの使い方をアレンジしてみて。例えばコースターは、雨で濡れた傘を立てておく受け皿として使うと、玄関に置いた傘立てに水たまりができるのを防いでくれます。使わないときにしっかり乾燥させれば繰り返し使えます。
【家事アドバイザー 毎田祥子さん】
家事アドバイザー、ライター&コラムニスト。企業広報や生協で生活用品や全国の食品生産者へ取材を重ね、独立。ハウスクリーニングやハーブ、アロマ等の資格も生かしたmix家事を提案。著書『ラクしてちゃんとした暮らしができる“朝だけ家事”』、監修『おばあちゃんの歳時記暮らしの知恵』等。新聞雑誌等マスコミ出演多数。
今回の記事の内容をマスターすれば、この梅雨のおうち時間を快適に過ごせること間違いなし! 皆さん、ぜひ参考にしてみてくださいね♡(山口彩楓)