最近よく聞くiDeCoとかNISAってなに?知らなきゃ損する賢いお金の増やし方!

iDeCoとNISAのメリット・デメリットを徹底分析!


「iDeCo」「NISA」って最近よく聞きますよね。なんだか難しそうだし、このふたつは何が違うのかピンとこない…。実は手軽にお得に始められる資産運用制度ってこと、知っていましたか? 今回はお金のプロである経済評論家の山崎元先生が、iDeCoとNISAについて詳しく解説してくださいました。知っていると特をするiDeCoとNISA、この機会にぜひ覚えておきましょう!

 

Q. 最近よく聞くiDeCoとNISAってなんですか?

A. 国がすすめる資産運用制度。少額からはじめられて、運用の利益に税金がかからないのが魅力です。

「個人が運用するように促すために国が作った制度がiDeCoとNISA。大きなメリットは運用の利益が非課税というところ。普通、株式や投資信託を運用して利益が発生すると約20%の税金がかかるけれど、それが免除されます。さらにiDeCoは掛け金が所得控除になる。確実にプラスになる節税効果があるから利用したほうがいい」(by山崎先生)

Q. iDeCoとNISA どちらからはじめたらいいですか?

A. 課税される所得がある会社員はiDeCoから

「若い会社員のみなさんは、まずiDeCoを限度額までやって、それでもまだ余裕があればつみたてNISAもやるといい。逆に、専業主婦などの控除されるものがない人は、つみたてNISAからがいい。会社員で、iDeCoを月2万3000円、つみたてNISAを月3万3000円の限度額フルでできたら『今の自分ができる金銭対策はできている』と思っていいでしょう。ただし、iDeCoは60歳まで取り崩すことはできないので無理のない範囲で対策してください」(by山崎先生)

次に、具体的にiDeCoとNISAのメリットデメリットを比べてみました!

♦︎iDeCo(個人型確定拠出年金)

年金だけじゃ老後のお金が不安という人におすすめ。最低投資金額は5000円と、少額から始められます!

メリット

  ①所得控除がある

  ②スイッチング(投資信託を買い替えること)ができる

  ③運用利益が非課税になる

掛け金が所得控除の対象となり、所得税と住民税が軽減。自営業者は確定申告で会社員の場合は年末調整で対応可能であり、現在持っている運用商品を売却・解約して、他の運用商品に買い替えることができます。通常かかる運用利益に20%の税金が非課税になります。

デメリット

①60歳まで換金ができない

②地雷商品(運用管理手数料が年率0.3%以上のもの)が多い

職種によって限度額が変わり、会社員はiDeCoができない場合も

公務員は12000円、専業主婦は23000円、自営業者は68000円と、職種によって限度額が大きく異なります。会社員は、企業年金がある人は12000円~20000円、企業年金がない人は23000円と違いがあるので要注意です。会社がiDeCoを認めていない場合加入できないこともあるので、勤務先に確認をとることが重要です。

♦︎つみたてNISA

iDeCoと併用するもよし! 金融機関により異なりますが、最低投資金額は100円からできます。

メリット

  ①非課税期間が20年間ある

  ②運用利益が非課税になる

  ③いつでも換金できる

  ④「地雷商品」が少ない

20年後は、課税口座に移して引き続き運用もできるし、新たにゼロからつみたてNISAをはじめることも可能。また、金融庁が厳しい条件で投資信託を選別しているので地雷が少なく「失敗しにくい投資体験」をしやすいです。

デメリット

  ①年間40万円までしか投資できない

  ②積み立て投資しかできない

  ③スイッチングができない

上限額が120万円の一般NISAと比べると、年間に投資できる金額が少なくなります。毎月同額を積み立てる場合は、月3万3000円が上限になります。
「つみたてNISA」と言うくらいなので、毎日・毎月・毎年などの積み立てが原則。ただし、積み立て額は変更可能です! これから新たに積み立てる銘柄を替えることはできますが、すでに積み立てている銘柄を別の銘柄に置き換えることはできません。

♦︎一般NISA

まとまった資金がある人におすすめ! こちらも最低投資金額は100円から。ただし、つみたてNISAと併用はできないので要注意です!

メリット

①年間120万円まで投資できる

②運用利益が非課税になる

③いつでも換金できる

④商品の選択肢が多い

国内外の上場株式や株式投資信託などから、自分に合った投資商品を選ぶことができます。さらにIPO(新規公開株)や株主優待を狙うことも可能なので、投資を幅広く楽しみたい人におすすめです

デメリット

①非課税期間が5年しかない

②スイッチングができない

5年後に損をしていると思ったら、さらに最長5年間延長してNISA口座で非課税で保有し続けることも可能です。

2024年から一般NISAは2階建ての構造に変わります。1階で年間20万円までのつみたて投資をしないと、2階で年間100万円までの自由投資が投資信託ではできない仕組みに(個別株は120万円まで自由投資可能)。今から一般NISAをはじめて2024年から新NISAに移行も可能。その場合は新NISAでも対象であろう銘柄を選んでおいた方がいいでしょう。

老後のためにコツコツお金を貯めたいならiDeCoがおすすめ、60歳になる前にもお金が必要ならつみたてNISAや一般NISAがよさそう。もちろんiDeCoとNISAの併用もおすすめです! 自分の手元にある資金と将来のお金との付き合い方を考えて、自分に合った資産運用を始めてみましょう!

今回教えてくれたのは…

経済評論家 山崎元先生/楽天証券経済研究所客員研究員。株式投資や資産運用を中心に多数の原稿執筆やテレビ出演。転職経験を活かした自己啓発についても発信中。著書『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』¥980(文響社)が大好評。

CanCam3月号「新しい生活のお金の使い方」より
イラスト/菜々子 構成/西村真樹 WEB構成/岩川菜奈 

※紹介している情報は2021年1月現在のものです。制度の内容や金額は変更になる場合があります。