前向きな発想に切り替える柔軟性も大切!ネガティブな思考を変える方法

ネガティブな思考を変える方法

ネガティブな感情や考えをコントロールするのって、習慣のようなものなのでなかなか難しいこと。心配性になってしまうと、楽観的な判断が怖くなってしまい、縛られてしまうこともしばしば。そんな後ろ向きな思考を変えるには、どのようにすればいいのでしょうか。そこで今回は、「ネガティブな思考を変える方法」をご紹介いたします。

■上手くいったことや成功体験を思い出す

心理学者バウアーは、情動と情報は一緒に記憶の中に貯蔵されると考えました。つまり、感情と出来事は一緒に覚えられていると言うことです。そしてバウアーは、ポジティブな状態では楽しい記憶を思い出しやすく、ネガティブな気分のときには悲しい記憶を思い出しやすいと結論づけました。ネガティブな人の心理を見てみると、何かで失敗したときのイメージが強すぎて、選択を回避したり先延ばしにする傾向があると言えます。そのため、思考を変えるにあたっては、自分が上手くいった成功体験を思い出すようにしましょう。きっとポジティブになっていけるはず。

■カラ元気でもあえてポジティブに振る舞う

人の心と体には密接な関係性があります。コーネル大学で心理学者ウォルフらによって行われたトムの実験では、気分が落ち込んでいると身体まで重く感じたりするのは、心の動きが体に影響を与えているからだという結論が得られました。そのため、ネガティブで気分が落ち込んでいるときこそ、あえてポジティブに振る舞ってみましょう。そうすれば、テンションも上がり、頑張る力が身体にわいてくるはずです。

■レスポンスを速くして考える時間をなくす

ネガティブになってしまうのは、考える時間があることが原因とも考えられます。そこで時間に制約を設けてみましょう。そのひとつに0.2秒以内にYESというという心理テクニックがあります。これはスポーツやコーチングの世界でよく用いられる手法ですが、考えるという作業をせずにYESという練習をすることで、脳がポジティブな状態のまま自然と身体が動くことになります。あれこれ考えずにYESと言えるようになれば、ネガティブさを回避できるでしょう。

■ピンチの裏側にあるチャンスに気づく訓練をする

ミラノ大学のP・ケルニー博士の実験によると、危機感やピンチをあおるような内容のパンフレットを配った被験者のほうが、安心させる内容のパンフレットよりも高い反応を示したという結果になりました。これを応用すると、ピンチの状態を解消するにはその裏側にあるポジティブなチャンスに気づく訓練をしてみましょう。自然と積極的な姿勢で物事に接することができるようになるはずです。必ずピンチにはチャンスが隠されているのです。

ネガティブと聞くと聞こえは悪いのですが、見方を考えると思慮深くて洞察力に優れている状態とも捉えられます。たいていは、物事のいい面と悪い面の両方に気づけるからこそ、それを比較してしまって選べなくなることがほとんどなのです。ただ、あまりに後ろ向きな考えに縛られてしまうと、生産的な発想ができなくなってしまうこともしばしば。ある程度熟慮しきったら、前向きな発想に切り替える柔軟性も大切です。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。