あるある!やらなきゃいけないことを先延ばしにしてしまうのはなぜ?
やるべきことはあるのに、今すぐではなく少し後でやろうと思うときってありますよね。気合を入れてやりたかったり、気分が乗ってきたときに取り組みたかったりと、さまざまな理由があるかもしれません。でも、どんどん先延ばしをしているうちに、大幅に着手が遅れてしまうことも。一体どうしてそのようになってしまうのでしょう。そこで今回は、「やらなきゃいけないことを先延ばしにしてしまうのはなぜ?」その心理をご紹介いたします。
■楽観視して不安感を塗りつぶしている
先延ばしのクセがある人は、良くも悪くも楽観的な性格であることが多いと言えます。本気で取り組めばすぐに終わるだろうと考えたり、仮に終わらせなくても大問題ではないと考えると、完遂のための努力を怠ってしまう傾向が。
これは、自分には悪いことはめったに起こらないと考えてしまう楽観バイアスによるもの。確かにポジティブに見ると、不安感が少なく自信があるように思えます。しかし、実は不安を楽観視することで塗りつぶしているだけのことも。何とかなると思い込ませて、現実から目を背けていると、いつまでも達成できないままになってしまいます。
■興味の不足が起きやすく対象の遂行に飽きる
先延ばしが起こる他の原因として、興味の不足も考えられます。物事に関心がないと、やる気が起きずダラダラと先延ばしをしてしまいますよね。この状態を、内発的動機づけが低いと評価することができます。自分の内側から湧いてくる感情をそのまま行動に移しているとき、人はものすごいやる気が湧いているものです。
そのため、内発的動機づけを高い状態に持っていかないと、いつまでもやるべきことを達成できません。先延ばしを防ぐためには、自分が今からやろうとするものに対して興味を持つことが大切なのです。
■高すぎる理想のため完璧を求め着手できない
サウスウェストステート大学のパボット博士の実験によると、理想の自分と現実の自分にについて、両者のイメージが離れている人ほど幸福度が低いことがわかりました。つまり、理想が大きすぎて現実とかけ離れていればいるほど、モチベーションが下がってしまうという結果になるのです。
そのため、タスクの難易度や目標が高すぎると不安を感じやすくなり、先延ばし傾向も高まってしまう結果に。自分の手に負えないような仕事や、達成までのプロセスが見えない仕事は注意が必要です。失敗したらどうしよう……という気持ちが着手意欲を削いでしまうため、あまりに高すぎる目標設定は避けるようにしましょう。
■やるべきことの優先順位が変わりやすい
心理学者の藤田教授は、大学生142名を対象とした先延ばしに関する研究を行いました。その結果、先延ばしする人は、他事優先の傾向があることがわかりました。この他事優先とは、簡単に言うと、やるべきことよりも他のことを優先してしまうという心理傾向のことを指します。
他の刺激や楽しい仕事が入ってくると、やるべきことをそのままにしておいて放置してしまうため、いつまでも先延ばし状態になってしまうのです。もしも多事優先傾向を避けたいなら、他の情報が入ってこない環境づくりをして、やるべきことに集中できるようにしましょう。
やらなきゃいけないことの先延ばしを防ぐのに、効果的な方法があります。それが報酬の設定です。
「3時間以内にこのタスクを終えれば、好きなスイーツを食べてもいい」など、自分にご褒美を設定するのです。そうすれば、ご褒美が与えられる喜びとやるべきことの達成を結びつけることができます。つまり「頑張ってタスクをこなすとご褒美をもらえる」と、自分の中で学習をするのです。そうすれば、課題に対しても楽しく取り組めるようになります。つい先延ばしをしてしまうあなたには、嬉しいご褒美の設定をお勧めします。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、現在テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。
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