2013年のベストセラー書籍、『わたしたちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社刊 以下、『わたプロ』)が11月よりドラマ化するのに先駆け、著者のジェーン・スーさんにインタビュー! 前回は本を出したら親バレしたという驚きのエピソードが飛び出し、今回もジェーンさんについて質問していきます!
★第1回→ ジェーン・スー『わたプロ』ドラマ化記念インタビュー(1)「ついに親バレしました」
Woman Insight編集部(以下、WI) ジェーンさんが『わたプロ』を出版した経緯は、そもそもは雑誌でコラムを連載していたんですよね。
ジェーン・スーさん(以下、ジェーン) そうです。『GINGER』創刊の2009年からですね。この調子で書いていたら、編集長に「品がない、もっと品良く書いて」って言われて。箸にも棒にもかからない連載が1年で終わり、その後は音楽関係の仕事で事務所にも入っているんですが、そちらで作詞をやったり、アイドルのプロデュースに関わったりもしていましたね。
WI 別のインタビュー記事で読ませていただいたのですが、大学時代から音楽サークルに入られていたとか。音楽活動もされていたんですか?
ジェーン 音楽関係といっても裏方ですね。新卒で入った会社もレコード会社で、音楽業界には今もいるけど、会社員としては9年くらい。その後は全然違う業種にいって……メガネ屋さんなんですけど。
WI エッ(゚д゚)!
ジェーン 素の「エッ」をいただきました(笑)。他のことがやりたくなって。
WI メガネがお好きだったんですか?
ジェーン 業種というよりも川上から川下までのすべてを見ることができる仕事がしたかったんです。新卒で大きいレコード会社に入ってしまったので、自分の部署の仕事しかわからなかったんですよね。メーカーだったのにも関わらず、宣伝のことしかやっていなくて。モノがどうやって作られて、どうやって店頭で売られていくかがわからなかったんです。なので、もう少し全体のことを知りたいなと思ってベンチャーに入って、商品企画から店頭施策まで関われて面白かったです。そこは3年くらいいたかな? その後、いろいろなところから少しずつお金をもらうスタイルになって、自由になりました。
WI 『わたプロ』の話に戻りますが、本のエピソードの中でお気に入りのものはありますか?
ジェーン そうですね、昨年の10月に『わたプロ』を発売してからずっと、数か月に1回、買ってくれた読者の方たちと50人くらい集まって読書会をやっているんです。そこで『わたプロ』の中から好きな項目のアンケートを取ると、第3位が「まだ本気出してないだけで、本気だせばどうにかなると思ってる」、第2位が「友達から『とても結婚願望があるように見えない』と言われる。あなたが」、第1位が「病めるときも健やかなるときも、バカ笑いができる女友達に囲まれている」っていう101個めで、私自身も101個目が好きです。「結婚したいですよね!」とか言いながら読書会に来た50人が、選んでいるのが結局その3つって、「誰も本気で結婚する気ないだろう」っていう(笑)。みんなで「これはひどい」って失笑するっていう流れです(笑)。先日、広島に行ってきたんです。広島県でも広島市じゃなくて福山市というところで、事前に「地方(の読者)は東京とは違う」って聞いてたものの、やっぱり結果は同じでしたね。地方都市だと、もっとプレッシャーが大きいと思うんですけど、それでも結婚が選べない。「まぁ、友達いるしね」ってなっちゃう。
WI 読者の方ってどういう方が多いんでしょう?
ジェーン 実は最初の購買層は半分くらいが男の人だったので、どうなるんだろうと思ってたんですけど、今は圧倒的に女性が多いですね。3万5千部売れて、ようやくアラサーの女の子たちに届いてきたような感じがしています。それまではサブカル物とか、こじらせ女子系のものが好きな人が多かったように思うんですけど、あるときから急にポーンと外に広がって、『ELLE』とかの読モブロガーの方が紹介してくださったりとか、そういう赤文字に近い人たちが紹介してくれるようになって。あ、あと女性編集者の人がすごく多いです(笑)。女性誌からの取材がものすごく多くて、なんだろうと思っていたんですけど、編集者自体の人たちがこうだったっていう。
WI 小学館の『AneCan』でも取材させていただいていましたよね。
ジェーン そうですそうです。私が『AneCan』に出られることがあるなんて夢にも思っていなかったんで、生きててよかったと思いました(笑)。いや、生きててよかったと思うのは本当で、結局、自分たちができないことを101個書いただけなんですけど、そしたらドラマにもしていただけて、市川美和子さんに演じていただけたりするんですよ。市川さんっていったら、私たちオリーブ世代なんで、歯ぎしりしてもいけない、向こう岸に生きているような存在ですよ。そんな市川さんが演じてくれる。わけのわからない状態です。『AneCan』も『JJ』もそうですし……。
WI 何部か超えると、そういうふうに一般に広がるブレイクポイントっていうのがあるんでしょうね。ちなみにまた何か、書きたいと思ってらっしゃることはありますか?
ジェーン 今は『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎刊)が8月に出たばかりなので、特にそういうのはないですが、今は小休止というかインプットする時期ですね。
WI ジェーンさんのインプットは人とのお話で得られることが多いんですか?
ジェーン ほとんど人と話して、ですね。人と話して、違和感とか同意とかがたまってくると、口からジャーッと吐き出す形式ですね。
WI 『わたプロ』の最後のあとがきで「自分ジャンキー」っていうことについて書かれていたんですけど、「結婚したいんだけど、なんでできないんですかね?」っていう人も、ジェーンさんの言葉を借りると「自分ジャンキーをやめればできる」っていうことですよね。「自分ジャンキーをやめたいな」って思っている人に、ひとことはありますか?
ジェーン 「やめられるもんなら、やめてみな!」ですね(笑)。私がやめられてないんでね(笑)。
うん、我ながら愚問でした! 自分ジャンキーから自分ジャンキーへ、思ってもない質問をしてしまった……(ジェーンさん、ごめんなさい)。どの質問に対しても明快で面白い回答を返してくれるジェーンさん。それは常に「〇〇と思った、それはなぜなんだろう」と、自らの主観を客観視しながら掘り下げていくことをしていたからで、だから『わたプロ』の面白さが生まれたんだなぁと妙に納得してしまいました! 次回はさらにしつこくジェーンさん自身について質問を続けていきます。(安念美和子)
LaLaドラ「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」
http://www.lala.tv/watapro/index.html
主演:市川実和子、たんぽぽ 川村エミコ、小島 聖、酒井若菜、鈴木砂羽、谷村美月、平山あや、渡辺真起子 ほか
原作:ジェーン・スー『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社刊)
放送情報:CS放送 女性チャンネル♪LaLa TVにて1stシーズン:11/4(火)スタート、毎週(火)24:00~ほか放送、 2ndシーズン 2015年夏放送予定)
制作協力:ホリプロ 製作:アスミック・エース 製作著作: 女性チャンネル♪LaLa TV
★第1回→ ジェーン・スー『わたプロ』ドラマ化記念インタビュー(1)「ついに親バレしました」
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