「コロナ離婚」は他人事じゃない!実際に「離婚を考えた夫婦」のリアルな声
新型コロナウイルスによって「コロナ離婚」という言葉が話題になりましたね。
この言葉を聞いたときに「元から夫婦仲がうまくいっていなかった夫婦がついに耐えきれなくなって離婚したんだろう」と他人事のように思った人が結構いるのではないでしょうか。
しかし、コロナ離婚を考えた夫婦のうち半数近くはコロナ禍になって初めて離婚を意識したことがわかりました。もしかしたらコロナ離婚はどの夫婦が経験してもおかしくないことなのかもしれません。
今回は株式会社カケコムが「新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、離婚を考えたことがある方」100名を対象に行ったコロナ離婚に関するアンケートを基に、リアルな声を交えながらコロナ離婚についてご紹介します。
コロナ離婚を考えたことのある人のうち、離婚に至ったのは…?
コロナの影響を受け、離婚を考えたことのある方の中で、最終的に離婚に至ってしまった方はどれくらいるのでしょうか。アンケートの結果、新型コロナウイルス感染拡大の影響で離婚した方は5%、離婚を考えたがしていない方は95%となりました。
外出自粛により夫婦共に過ごす時間が増え、ふとしたときに「離婚」の2文字が頭をよぎっても、実際に離婚まで至ったケースはそれほど多くないようです。
コロナ前は順調だったのに…「コロナ離婚」は他人事じゃない!
次に、コロナの影響で離婚を考えた、または離婚に至った方は、コロナ感染拡大前から離婚を考えたことがあるのか、それともコロナ感染拡大後初めて離婚を考えたのか、気になるところですよね。
コロナ感染拡大後初めて考えた方が47%、コロナ感染拡大前から何度か考えたことがある方は40%、コロナ感染拡大前から頻繁に考えていた方が13%となりました。
コロナ離婚は元々夫婦仲が悪かった夫婦にとってコロナが決定打となって離婚に至るように考えがちですが、約半数は、コロナ感染拡大後に初めて離婚を考えていたことがわかります。
では、最終的に離婚に至った方の回答に絞ってみた場合はどうなのでしょうか。
結果としては「コロナ感染拡大後初めて考えた」との回答が40%、「コロナ感染拡大前から何度か考えたことがある」との回答が20%、「コロナ感染拡大前から頻繁に考えていた」が40%というものでした。
最終的に離婚に至った方の場合をみても、やはりコロナ感染拡大後初めて離婚を考えたという方が一定数いらっしゃることがわかります。このことから、コロナ離婚は決して他人事ではなく、どの夫婦にも起こり得ることだと言えるでしょう。
コロナ離婚を考えるきっかけ
コロナ離婚を考えた方たちは、どういったことがきっかけや理由となって離婚を考え始めたのでしょうか。回答別に実際の声をご紹介します。
「コロナの影響でネガティブな思考が強くなってしまった」34名
「一人の時間が取れなくなってしまった」31名
「ストレスによる暴力や不仲」29名
「コロナに対する衛星間や倫理観の違い」27名
「夫婦の働き方に対する意識の違い」24名
「コロナの影響による経済的困窮」18名
◆「コロナの影響でネガティブな思考が強くなってしまった」
「コロナの影響で経済的に不安が強くなり、その不安に対する捉え方と対策や危機感に関する価値観の違い」(30代男性)
「コロナの影響で収入が減ったことで、家計の話をした時にお互いの考えのすれ違いが生じて口論になってしまいます。」(30代女性)
「今まで朝から夜まで仕事に行っていたのが、コロナの影響で昼から夕方までというバイトのような仕事だったり、1日休みがあったりと日頃家にいない人がいるだけで息が詰まります。給料もかなり下がったので、それだけでイライラするしいっそ離婚しようかと考えました。」(30代女性)
「毎日TVで暗いニュースが流れ、気持ちも暗くなりがちで、お互いにずっと一緒に居ることでストレスになり、喧嘩が増えたのと、この先の生活や環境が変わって行くことに不安を感じるようになり、離婚を考えてました。」(40代女性)
「コロナ感染への不安や、仕事の負担増により、夫がメンタル系の病気になってしまいました。夫の真面目すぎる性格や、コロナが流行しているこの状況では仕方のないことだとは思いつつ、何日も寝たきりで何もできない夫の姿を見ていたら、家事や子育てでいっぱいいっぱいな私も気持ちが不安定になってしまいそうで、いっそこのまま離婚してしまえば楽になるのかなと何度も思ってしまいました。」(30代女性)
コロナ離婚を考えた理由として最も多かったのが、「コロナの影響でネガティブな思考が強くなってしまった」という回答でした。
回答者の声を聞いてみると、すぐに経済的困窮へ直結しないような状況だとしても、仕事や収入が減ってしまったことで、将来への不安やストレスを感じるようになったとの意見が多くあがりました。
また、コロナ感染への不安がストレスとなり、離婚を考えるようになったとの声も寄せられました。
◆「一人の時間が取れなくなってしまった」
「主人が在宅勤務をするようになり、主人が私のことを常に監視しているような気がして、ストレスを感じるようになりました。」(40代女性)
「テレワークで自宅にいる時間が長くなり、相手のことを細かく知ってしまったのがきっかけです。昼間の時間は会社で過ごしていたことが、家庭の中で再現できないストレスからイライラが始まりました。また、狭い家の中に24時間夫婦でいることに疲れてしましました。」(40代男性)
「共働きのため、今までこんなにも長い間一緒にいることがありませんでした。ただでさえ、家事の邪魔になることの多かった夫が、毎日のように何もせずにぐーたらと、横にいるとそれだけでストレスが溜まります。老後のいいシミュレーションになったというか…。というよりも、この段階でこんなにもイライラしてたら、ほんと、老後どうなるんだろう。それを考えるとますます離婚に対する気持ちが高まってきます。」(30代女性)
「ずっと一緒にいることによりストレスが溜まり、このことが一生続くのかと思うと離婚をしたくなりました。」(40代女性)
「一人の時間が取れなくなってしまった」と回答した方の中には、仕事の休業や外出自粛により、夫婦共に家で過ごす時間が長くなり、ずっと一緒にいることでイライラしたりストレスを感じてしまったといった意見が目立ちました。
中には、今回外出自粛により夫婦で過ごす時間が増え、ストレスを感じたことで、老後の生活への不安を覚えたといった声も寄せられました。
◆「ストレスによる暴力や不仲」
「数年間私はDVを受けていましたが、コロナの影響で在宅の時間が増えた夫のストレスを強め、DV被害が増したからです。」(30代女性)
「夫が在宅勤務になり、仕事がうまく進められないということから暴言や暴力を受けるようになりました。私だけでなく子供にも暴言を吐くようになったので、その時に初めて離婚を考えるようになりました。」(30代女性)
「お互いリモートワークになり常に顔を合わせるようになりました。外出自粛で、ストレスも増え口論が絶えない日々が続きました。」(30代男性)
「ずっと一緒の時間を過ごしているうちに家事を手伝わなかったりゲームばかりしているのが嫌になってきました。注意すると口論になります。」(20代女性)
ストレスによる暴力や不仲を理由に離婚を考えた方の中には、コロナの外出自粛の影響によりパートナーから暴言・暴力を受けるようになった、または暴言暴力が悪化したといった声が多く寄せられました。コロナの外出自粛によるDV急増は、日本だけでなく世界中で問題になっています。
また、コロナへの不安や外出自粛で気分転換できないストレスから、夫婦間で口論が増え、離婚を考えるようになったとの声も多くあげられました。
◆「コロナに対する衛生感や倫理観の違い」
「妻が真面目にコロナ感染防止対策に協力しようとしないので嫌になってきました。」(40代男性)
「外出しているのに、衛生面で手を洗わなかったり、うがいをしなかったり汚すぎるから。」(50代女性)
「コロナが広まっていて、子供もいるのに、平気で手を洗う前に子供を触ったり、くしゃみしたりすることにイライラしたから。子供を守りたいと思いました。」(20代男性)
「東京都でかなりコロナが流行っていた時、送別会だからと言って都心に飲みに行ったから。小さな子供がいるのに自分のことしか考えず、家族を危険にさらしたから。」(30代女性)
コロナに対する衛生感や倫理観の違いから離婚を考えた方の中には、手洗いうがいや外出自粛といったコロナ対策に関して夫婦間に意識の差があることから、不満が溜まっていったケースが多くあげられました。
また、夫婦間に小さい子どもがいる場合は、パートナーがコロナ対策に協力してくれないため、子どものためにも離婚を考えた方も一定数いらっしゃるようです。
◆「夫婦の働き方に対する意識の違い」
「子どもがいるのですが、家にいても、互いに仕事をしているのに世話は夫が殆ど全くしなかったから。」(30代女性)
「奥さんが医療従事者のために、コロナのせいで病院の他の部署も忙しくなり、帰りが遅くなることが多く家事や子育ての負担が全てこちらに来たため。」(40代男性)
コロナの外出自粛によりリモートワークが行われるようになりました。
夫婦の働き方に対する意識の違いから離婚を考えた方の中には、夫婦間で仕事と育児家事のバランスの取り方が異なることから、不平不満がたまり、離婚を考えるようになったとの声が多くあげられました。
◆「コロナの影響による経済的困窮」
「コロナの影響で旦那が自宅待機になり、私は産休中という事もあり毎日ずっと一緒にいる事でストレスが溜まり些細な事で喧嘩になる事が増えました。また旦那が自宅待機中無収入だったので収入が激減したのも離婚を考えたきっかけです。」(30代女性)
「コロナの影響により私の仕事が無くなり嫁だけが働きにいっており、家賃等生活費が厳しくなりこのままだと考えるというところまで到達しました。幸い離婚には至らずなんとかやっておりますが、生活がギリギリなのは変わりません。」(40代男性)
コロナの影響による経済的困窮により離婚を考えた方としては、コロナの影響による解雇や休業から収入が大幅に減ってしまい、生活を維持することが難しくなり、離婚を考えたといった声が寄せられました。
コロナ離婚を防ぐためにできる対処法
できることなら、離婚することなく夫婦で協力してこの苦しい時期を乗り切っていきたいですよね。コロナ不況や外出自粛のストレスがある中、夫婦円満に過ごしたり、夫婦関係を修復するためにできることはないでしょうか?
離婚を考えたことがある人が夫婦関係修復のために、具体的にどういったことをしたのか、その結果夫婦関係は改善したのかなどの、実際の声をご紹介していきます。
「できるだけリラックスするようにした」44名
「一人の時間をつくるようにした」41名
「家族間のコミュニケーションを増やした」30名
「夫婦で家事の分担を決めた」16名
「経済面の不安に対処した」11名
「不安を煽るような情報を鵜呑みにしないよう気を付けた」8名
◆「できるだけリラックスするようにした」
「できるだけ一人で黙々とよむことができる本や、ネット遊びをして気分転換を図りました。」(40代女性)
「外出自粛でしたが、逆にお互いの時間が増えたので、一緒にウォーキング等をしだして口論も少なくなり離婚は考えなくなりました。」(30代男性)
「できるだけリラックスするようにした」と回答した方からは、趣味など自分の好きなことをする時間をつくり、ストレス発散をしたり気を紛らわしたという声があげられました。
そうすることでストレスが軽減したり、夫婦関係が改善したりといったケースも実際にあったようです。
◆「一人の時間をつくるようにした」
「主人と物理的な距離を取ることで、冷静に物事を考えるようにした。」(20代女性)
「一緒にいるとイライラするのでなるべく違うお部屋で過ごすようにしました。」(20代女性)
ずっと夫婦ふたりでいることに息が詰まる、ストレスが溜まるという方は、意識して部屋に一人でいる時間をつくったり、外に出かけたりと、一人の時間をつくるようにすることで、ストレス軽減になったケースもあるようです。
◆「家族間のコミュニケーションを増やした」
「夫婦で話し合い、夫も“つい無意識のうちにストレスをぶつけてしまった”と考えを改めてくれたことで離婚の危機は免れました。」(30代女性)
「子供を連れて行こうとする主人にまず呆れてイライラしていたのですが、ちゃんと言葉にしてその行動がおかしいことを話し合いました。すると、私が主人の行動を邪魔したいんじゃなくて、家族のことを考えているということが分かったみたいで、主人の行動も変わりました。」(30代女性)
「自粛期間に断捨離したものを出品するメルカリを主人と私で始め、共通の話題が増えたので、同じ趣味を持つと良いと思いました。」(40代女性)
「とりあえず毎日のようにコミュニケーションを取ることで働き方や家族の価値観をすり合わせることできたから良かったです。」(30代女性)
パートナーに対して何かしら不満を持っている方は、夫婦で話し合う時間を取るようにしたとの回答が多くありました。
普段自分が思っていることや「できればこうしてほしい」といったことを言葉にして伝えることで、夫婦間の理解が深まり、夫婦関係の改善ができたとの声が多く寄せられました。
また、夫婦共通の趣味をつくったり、一緒にウォーキングなどの運動をすることでコミュニケーションを取り、夫婦関係を修復した方もいらっしゃいました。
◆「夫婦で家事の分担を決めた」
「一度落ち着き、注意するだけではなく何をしてほしいかはっきりと伝えました。ありがとうと伝えると前よりもゲームの回数が減ってきました。」(20代女性)
「在宅勤務の日には夫に昼食を作ってもらうようにしたら、その新しく覚えたメニューが美味しく、私自身も楽になりました。」(30代女性)
パートナーの仕事と育児家事とのバランスに不満を持っている方や、よく喧嘩するといった方は、夫婦で家事分担について話し合うことで夫婦関係修繕を図っていました。
その際は不満を言うだけでなく、どうしたらいいかを相手に伝えることで、関係改善ができたとの声もありました。
◆「経済面の不安に対処した」
「国の補償制度と主人の再就職でなんとか危機から脱却することができました。」(30代女性)
「妻がやっていたフリーランスの仕事が、コロナの影響で完全になくなりました。早期収束を想定していたが徐々に現状に不安になっていったらしく、普段は何の話もしなかった妻が、私に相談するようになり、制度の利用の検討など、頼りにしてくれることで、お互いが歩み寄り夫婦間のぎすぎすした関係がなくなっていきました」(50代男性)
「収入が減った分、自分が知り合いに頼みこみアルバイトをして減った分を補うようにしたため離婚を回避しました。」(40代男性)
「副業を今までしていなかったのですが、これを機に始めました。最初はお金の為でしたが、実際やってみると自分の時間の確保にも繋がるので精神的にも安定しました。」(20代男性)
コロナの影響で収入が減った家庭など、経済的な不安がある方は、国の補償制度の利用を検討することで、精神的な余裕を持つことができ、夫婦関係が改善したとの声が寄せられました。
その他にも、アルバイトや副業を始めることで、経済面の不安に対処する方もいらっしゃいました。
◆「不安を煽るような情報を鵜呑みにしないよう気を付けた」
「ネットで流れている情報を見ないようにする為にTwitterのアカウントを消去しました。他人の意見に流されないようにしました。又、今まで倉庫として使っていた部屋を掃除して私の部屋をつくりました。自分の時間ができ、離婚するのを辞めようと決意しました。」(20代女性)
「ワイドショーなどを一歩引いて見るようにしました。ネット掲示板はあまり見ないようにしました。」(30代女性)
ネットなどに溢れる不安を煽るような情報は、無意識のうちに心の余裕をなくさせ、夫婦関係に悪影響を与えているケースもあります。
そのため、そうした情報を必要以上に見ないように気をつけたり、鵜呑みにしないように意識することで、夫婦関係が改善されるケースもあるようです。
実際に夫婦関係に悩むリアルな声ばかりでした。実際に体験しているからこそ、後半の対処法は参考になる部分が多かったのではないかなと思います。皆さんも是非参考にしてみてくださいね♪(山口彩楓)