9月26日は「ワープロの日」なんだそう! といっても、今の35歳以下くらいの方は、ワープロを触ったことがないという人も多いかもしれません。
ワープロが発売されてから一般に普及するまで少し時間がかかりましたが、私たち雑誌をつくっていた人間にとって、ワープロの出現は、手書き原稿から解放されるという大きなインパクトがありました。
20年前の『CanCam』編集部は、ワープロも一部あったものの手書き原稿が主流。手書き原稿をもとに、写植屋さんが文字を並べて、雑誌の文字部分が完成します。当時学生ライターだった私も、手書きで原稿を書いていました!
そんな昔の記憶をひっぱりだして、今月号の『CanCam』をちょっと手書き原稿で再現してみようと思いたった!
『CanCam』11月号P40の山本美月さんが天使みたいなページです。『CanCam』にしてはかなり原稿が少ない特集なので、これなら見開きくらい書けそうです。
サブタイトル、タイトルです。ここは文字数が少なくて楽ちんです。本当はこれに、どういう書体を使って、どんな大きさで、どんな文字間隔で…という指定も記載しないといけないのですが、今回は省略! 赤い文字で書いてあるのは「赤入れ」です。手書きの原稿なので、これは「一(1の漢字)」じゃなくて「ー(オンビキ。カナの音を伸ばすやつ)」です、とか、「○」じゃなくて「。」です、とか、すべて赤字で指定しないといけなかったのです。ああ、手書きより赤入れが面倒くさくなってきました。
「ッ」と「ツ」なども間違えがないように赤入れしていきます。この赤入れのルールは、出版社や編集部によって違うものもありますが、だいたい共通して決まっています。
うわあああー。慣れない作業で原稿が汚れました。もうこれが本番だったら、汚れだけでやりなおしさせられそうです。ファッション誌には、値段やブランド名が書いてあるキャプションがつきものですが、手書きで一番つらいのはこれです。日本語、記号、欧文、数字が入り乱れるのを、決まった文字数の中に収めるように指定していかないといけません。これはすでにある原稿を起こしただけなのに、赤字を入れるのが面倒すぎて、心が折れた……! 見開きなら書けそう、なんて言ってスミマセンでした……!
これをゼロから自分で書いては消し、書いては消ししながら決まった文字数で書いていくなんて気が遠くなるような作業ですが、ワープロの出現によって工数は半減。さらに数年後はパソコンが普及してDTP(デスクトップパブリッシング)が一般的になり、雑誌作りの工程自体が画期的に変化しました。ワープロは長年の雑誌作りの工程を変える、第一歩だったというわけです! ということで、本日は昔語りでした。 ※本記事中の赤入れは記憶を元に行ったので間違いがあったらスミマセン… (安念美和子)
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