お中元の起源&知っておきたいマナー
日頃お世話になっている人に贈る「お中元」。夏が近づいてきて、そろそろ今年は何にしようかと考えている方も多いのではないでしょうか。ところで、そもそも〝お中元〟という習慣はなぜ始まったのか知っていますか? 今回は意外と知らないお中元の起源やマナーについてご紹介します♪
お中元の起源
お中元はもともと中国の風習だったそうです。中国では7月15日は「中元」と呼ばれ、この日に神様にお供え物をした人は罪を赦されると信じられていました。本来の中元には「罪を償う」という意味がこめられているのです。
それが日本に伝わった後で、日本のお盆に親戚や近所に祖先の霊を祭るためにお供え物を配った習慣と混ざり、 「お盆の頃にお世話になった人に品物を贈る」という行為に変わっていきました。
意外とわからない「お中元」と「お歳暮」の違い
お世話になった人への贈り物として思い浮かべるのは「お中元」の他に「お歳暮」ですよね。この2つは、似ているようで時期も意味も全然違います! 「お中元」は「上半期の感謝の気持ちを相手に伝える」という意味が込められており、時期は地域によって異なることがありますが、全国的に見ると7月1日~15日、8月1日~15日が多く、夏に贈ります。
一方「お歳暮」は「年明け~歳の暮れまで1年間お世話になりました」という感謝と「来年も1年よろしくおねがいします」という挨拶の意味が込めて冬に贈るものです。この違いは理解しておきたいですね!
お中元のマナー
日頃の感謝を伝えるために贈るお中元。マナーにも注意を払わないとかえって不快な思いにさせてしまうかもしれません。ここでお中元を送る際気をつけたいマナーを確認しておきましょう。
■相場はいくらくらい?
高すぎても低すぎても良くない金額。贈る相手との関係性にもよりますが、親や親戚のような間柄でだいたい3,000円~5,000円くらい、特にお世話になった方や仕事の関係でお中元を贈る場合は、3,000円~10,000円くらいがお中元の予算の相場だと言われているそうです。
お中元は毎年贈るもので、特別な理由なく贈り物の金額が大きく変わったり、前年より予算の低い品物を贈ったりすることはマナー違反と言われています。毎年贈ることを考え無理のない範囲で品物を選ぶことが大切です。
■送り状はいつ送るの?
送り状は品物に添えて贈る場合と、品物が到着する前に届くように贈る場合の2通りありますが、後者の「送り状が先にきてから品物が届く」のが本来最も丁寧なお中元の形だそうです。
注意点は、フルーツやスイーツ、生モノを贈る場合は特に、受け取り時期を逃すと腐らせてしまったり食べられなくなってしまう可能性もあるため、到着日を必ず伝えることです。
■注意が必要! 熨斗を付ける必要のない場合って?
「熨斗(のし)」とは、お中元やお歳暮の包装紙の右上にある飾りのことです。お中元など贈答品には紙で作られた熨斗を付けるか、熨斗が印刷されているのし紙を使うなど簡略化されていますが、あくまでのし紙は包装を省いた略式の贈答方法なので、贈るものや贈る相手によっては失礼にあたる場合があるため、気をつけましょう。
また、熨斗はもともとアワビが由来なので、海産物のような生ものを贈る際には付ける必要がないことは知っておきたいポイント。生もの以外の品物を贈る際は熨斗をつけるものだと覚えておくと良いですね♪
今まで起源を知らずにお中元を贈っていた方や、贈る際のマナーが曖昧だった方は参考になったでしょうか。心のこもったお中元で、より良い人間関係を築いていけると良いですね♪(谷夏帆)