どう違う?「デスク」と「テーブル」を分ける明確なポイント、知ってますか?【違いは何!?】
家具って、違う言葉で呼ばれているのに、聞かれると違いについてうまく答えられないものがありますよね。
たとえば「デスク」と「テーブル」の違いを聞かれたら……あなたははっきりと答えられますか?
今回はこの意外とわからない違いについて、オフィス家具を数多く手掛ける、株式会社内田洋行に直撃! 商品企画部にて、まさに「デスク」と「テーブル」両方の企画開発に携わる、商品企画部の髙澤彩香さんに違いを教えていただきました。
【素材・形状の違い】
まずはわかりやすい「形状」から。両方とも4本足の「机」な気がしますが……でも、聞いてみると両者はかなり異なっているようです。
◆デスク
天板・脚の部分はスチール製のものが多く、実は形状もほぼ決まっています。
執務デスクの場合は、「横幅1m~1.4m、奥行き70cm、高さ72cm」が一般的です。
◆テーブル
天板は木製のものが多いですが、その他ガラス、スチール、プラスチックなど、様々な素材が用いられています。
脚の形状は4本足タイプ、キャスターがついているタイプ、折りたたみ可能なタイプなどがあり、デスクに比べて、材質、形状、カラーが多種多様にあります。
また、日本規格協会(JIS)で定められている構造上の違いとしては、
デスク:引き出しがつくことが通常
テーブル:引き出しがつかないことが通常
というものがあります。もちろん、引き出しがついているテーブルも出てきていますが、その場合はほぼ「引き出しつきテーブル」と書かれています。一方デスクは引き出しつきと書かれていなくてもついていることが多いです。
*参考
JIS S 1031より
平机 主に天板及び両側を脚部で構成し,通常,天板の下部に引出しをもつ机。
テーブル 主に天板及び両側を脚で構成するもの。
確かに! デスクにはもともと引き出しがついているものが多く、テーブルはついていないものが多いですね。そしてデスクには一般的に「だいたいこのサイズ!」というイメージが確かにあるけれど、テーブルはバラバラ。
そんな見た目の違いだけでなく、使用目的や使い方も異なってくるようです。
【使用目的・使い方の違い】
◆デスク
主に勉強や読書、仕事や事務作業を行うときに使用するものです。
「ひとりで使うこと」が多いです。
ただ、近年は「連結型デスク」と呼ばれる、複数人で使用する大型タイプのデスクも登場しています。
◆テーブル
主に食事のときに使用するもの、オフィスでは会議やセミナーの際に使用するものがあります。
「複数人で同じ目的のために使うこと」が多いです。
ただ、特に「フリーアドレス」で働くスタイルを採用するオフィスでは、仕事をする机としてテーブルを採用することが多くなってきています。もはやスタイリッシュなオフィスの定番となってきています。
こちらも確かに! デスクは「ひとりで使うことが多い」、テーブルは「複数人で同じ目的のために使うことが多い」というのはかなりわかりやすいですね。でも、両方の回答にあるように、「複数人で使用するデスク」もあれば「テーブルをデスク的に使う」こともあり、その境界はどんどん曖昧になってきているのかもしれません。
となると冒頭の写真は……。
おそらく、かなりテーブルっぽいデスク。うーん、でも、やっぱり違いって難しい!(後藤香織)
株式会社内田洋行 商品企画部 髙澤彩香さん
2007年に入社以来、デザイン部門、設計部門を経て、現在は商品企画部にて、オフィス内で使用されるデスク・テーブルや、国産材を活用した家具の企画開発に携わる。代表的なプロダクトはテーブルシステム「LEMNA(レムナ)」、デスクシステム「ARCENA(アルセナ)」
取材協力/内田洋行