必要以上に凹まない!上司に叱られたときの対処法と解決策

必要以上に凹まない!上司に叱られたときの対処法と解決策


「上司から叱られるのは苦手」というのは、多くの働く人たちが持っている気持ち。

叱る上司

でも、その叱られたときに上手な対処法を知っていれば、その日一日が、ユーウツになるということも避けられそう。今回は、ソフトバンクで2万人の社員教育に関わった「新人育成のプロ」である島村公俊さんに「上司から叱られたときのうまい対処法」を伺いました。

 

■叱られたときに使える「10秒質問」


これから島村さんに、上司から叱られたときの対策を教えていただきます。その際にあわせて使いたいのは、自分自身に問いかける「10秒質問」

「10秒質問」とは、島村さんが新人育成で活用しているトレーニングの手法の一つ。上司が10秒質問を新人に投げかけることで、やがて新人は自らこの10秒質問を自分に問いかけるようになり、成長していくというものです。

今回、教わる対策を実践するとともに、各10秒質問を自分自身に問いかけることで、自分自身をより良い方向へと成長させていけます。

 

■こんなときはどうすれば?上司に叱られたときの「10秒質問」と対策


1.上司から叱られたときにネガティブに考えてしまう…!

きっと、多くの人は、上司から叱られると、「今日はホントに最悪な一日!」「ユーウツだなあ」と感じるのでは? そこで、叱られることをネガティブにとらえてしまうことへの対策を教えていただきました。

●こんなとき、自分に問いかける10秒質問

「叱られたときこそ、忙しく楽しい予定を詰め込んだらどうなるだろう?」

 

「叱られた後に、ポジティブに考えようとしてもなかなか上手くできませんよね。まずは、ネガティブに考える時間を極力少なくするのが有効です。例えば、叱られた日は、仕事後のプライベートは、3日間ぐらいヘトヘトになるぐらい強制的に好きな予定を詰め込み、ネガティブに考える時間を無理やり減らしてみます。自由な時間があり過ぎると、叱られた後は、誰しも悶々と悩んでしまうものです。予定を詰め込んでおくと、意外にも結果的に行動するパワーがつき、状況も改善しやすくなっていくことが多いのです。

何をするのがいいのかといえば、自分が夢中になれるものを選択するのがベストです。誰かと一緒にいるほうが楽しい場合はそれを選択し、ひとりで好きな映画を見続けるほうが楽しい場合は、それを選択すればOK。ポイントは、仕事で叱られたことを忘れるぐらいに没頭できる状態を作ることです。

没頭できるもの、夢中になれるものがない場合は、とにかくプライベートの予定を詰め込むだけで大丈夫です。叱られて悩みそうなときには、動きを止めないほうがいいのです」

2.叱られたときのベストなリアクションは?

ところで、叱られたときには、どうリアクションをとるのがいいのか、わからないことはありませんか? どんなリアクションがベストなのでしょうか?

●こんなとき、自分に問いかける10秒質問

「感情に任せて言い返して本当にいいんだっけ?」

「叱られたときの基本姿勢としては、『言いづらいことを言ってくださり、ありがとうございます。』と、まずは間髪入れずに伝えることが大切です。上司の立場からすると、叱らなくて済むならそれに越したことはないからです。叱るのも意外とパワーがいるものです。ですから、“言いづらいことを言ってくださり…”という配慮ある謝罪は、上司の怒りのパワーをスッと無くす力を持っています」

 

3.叱られた後にとるべき行動は?

そして、叱られた後に、どんな行動をとればいいのか、分からないということもありませんか? そんなとき、どうすればいいのでしょうか。

●こんなとき、自分に問いかける10秒質問

「今日中に動き出せることってなんだろう?」

「上司はあなたを叱った後、『次もまた、同じ失敗しないかな…』『今すぐ改善に向けて動いてほしいな…』などの不安や期待を持っています。例えばあなたが、何かの確認漏れがあって叱られたとしましょう。その後は、上司の気持ちをくみとり、『再発の防止策を考えますので、今日中に一度ご報告させていただけませんか?』と伝えてみてください。上司は、今日中に再発の防止策を知ることができ、ひとまずほっとするはずです」

 

4.叱られることを減らすためにできることはある?

一度叱られると、できれば、もう二度と叱られたくないと思いますよね。でも、やっぱりまた叱られる…。そんな方もいるのではないでしょうか。そもそも、叱られることを減らすにはどうすればいいのでしょうか?

●こんなとき、自分に問いかける10秒質問

1)ものすごく慌てているとき
「(一旦深呼吸して)、今確認すべきことってなんだろう?」

2)時間に余裕があり過ぎるとき
「実は、すっかり忘れてしまっていることってないかな?」

「ものすごく慌てているときや、逆に、時間にゆとりがあり過ぎるときは、人はミスを起こしやすくなります。そんなときは、次の10秒質問を自分自身に投げかけてみてください。きっと、叱られることが少なくなってきます」

5.上司が気になりがちな仕事のイラッとポイントは?

部下が気づかない、実は上司が気になっている仕事のイラッとポイントを知っておけば、叱られるのを回避することができそうです。島村さんに教えていただきました。

イラっとポイント1.早めに報告、連絡、相談をしてほしいのに、催促しないと伝えてくれない。

●こんなとき、自分に問いかける10秒質問

「報告しないって判断を、そもそも私がしていいんだっけ?」

「報・連・相は、部下の仕事そのものというぐらい大切なものです。なぜなら、上司は、部下の情報をもとに判断をする必要があるからです。あなたの貴重な情報はぜひ積極的に伝えてみてください」

イラっとポイント2.ちょっと叱ったら、すぐに凹んでしまう。

●こんなとき、自分に問いかける10秒質問

「凹んでいる状態って、私にとって何かメリットあるんだっけ?」

「凹むということは、心のどこかで上司に評価してほしいと思っているということです。意識する対象は上司というよりも、顧客や成果に向けるといいでしょう。“顧客の期待に応える”ことや“高い成果を出す”という方向を見て仕事をする感覚でいると、気持ち的に凹みづらくなります」

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上司に叱られると、即、ユーウツな気分になってしまうという方は、次に叱られたときに試してみましょう。前よりも仕事への意欲や楽しさが芽生えるはずです。(西村朝子)

 

島村 公俊さん

講師ビジョン株式会社代表取締役
2015年までソフトバンク人材開発部に所属し、2万人を超える社員の内製研修をリードする。最高の講師の称号「匠」を獲得する。その後、独立起業し、現在は、OJT(メンター)研修や社内講師トレーニング等を提供する会社を経営。著書に『10秒で新人を伸ばす質問術』(東洋経済新報社)がある。
https://koushi-vision.co.jp/

 

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