人間関係で超使える!「いい人になろうとして怒らない人」が損する理由

「いい人になろうとして怒らない人」が損する理由


ここ最近、あなたは「キレた」ことはありますか?
そして「キレる」人を見かけたとき、どのような感情を抱きますか?

怒る
(c)Shutterstock.com

近年、あおり運転や児童虐待など、「怒り」を抑えきれずに社会的事件に至ってしまった……というケースが数多く見られます。

そんな社会情勢の中から生まれた1冊が、脳科学者の中野信子さんによる『キレる!』

キレる!

「人はなぜ怒り、キレるのか」のメカニズムを解き明かし「キレる人」「キレる自分」に必要以上に振り回されずに、うまく怒りを活用していく内容になっています。

今回はその中から「ちゃんとキレない人が損をする理由」についてご紹介します。

【1】「怒る」「キレる」って、そもそも何?


そもそも「怒り」や「イライラ」は、ヒトであれば誰でも感じる自然な感情です。自分を守るために脳に組み込まれたメカニズムでもあります。
ただ、そう理解はしていても、自分のイライラした気持ちと向き合ったり、誰かの怒りを受けることはつらいものですよね。
「キレる」ことは「怒り」による、とてもネガティブな感情によって引き起こされる問題行動だと捉えているからこそ「キレる」と後悔してしまう。

さらに日本人は「いい人=怒らない人」というイメージが強くあるため、子どもの頃から「怒りを表に出すことはいけない」と教育されます。けれど「攻撃の手段として感情的にキレる」ことは良くありませんが「自分の感情をきちんと表現し、守るためにキレる」ことが必要になる場面は確かに存在します。

【2】怒らない人が損をする理由


「怒り」の気持ちを正しく発散させるには、テクニックと経験が必要になります。

日本では、「何も言わず我慢して、その場を丸くおさめる」ことが得策とされがち。ですが、世の中には、その「我慢することが良い」という人の善意を利用して、相手を支配しようとする人や、相手のことを「下」とみなした瞬間、都合のいいように利用する人もいます。いいように利用されても我慢し続けていると、目指した「心の広い、いい人」ではなく、ただの「いいカモ」と思われ、ますますあなたにとって不利な状況になることがあります。
だからこそ、「キレる相手・搾取しようとする相手・支配しようとする相手」には、うまく「私はあなたの言いなりにはなりません」と抵抗する必要があります。

DVもいじめも「相手が言い返せない人かどうか」を相手は見ています。
人間関係をつくるのに、出会いのはじめはとても重要。最初にうまく言い返せるか言い返せないかが、その後の関係に大きく影響していきます。
ひたすら黙って耐えて、「キレる」が自分に向かってしまい、最後に自分の命を絶ってしまうよりも、最初のうちに相手に「キレる」ことが重要です。
言い返したことでさらに事態が悪くなるようであれば、それはその場から離れる必要があります。

【3】得するキレ方、損するキレ方


とはいっても、どんなときにでも「即座にキレるべき」というわけではありません。
「キレる」という行動をうまくコントロールすることが必要になり、それができる人は世の中をうまくサバイブしていけます。ここで損するキレ方・得するキレ方を見ていきましょう。

【損するキレ方: 自分本位の身勝手な怒りを相手にぶつけ散らすこと。】

ちょっとしたことで即座にキレてしまう。もしくは、我慢に我慢を重ねた末に堪忍袋の緒が切れ、積もり積もった怒りが大爆発する状態。
怒りの感情を勢いに任せて放出し、衝動的な言動をとるため、周囲の人も巻き込み、相手だけでなく多くの人に嫌な思いをさせ、最後には自分も後味の悪い思いをして、取り返しのつかないことになる。状況が改善されなかったり、悪化することも。

【得するキレ方:正当な怒り。相手に強くこちらの気持ちや意思を伝えるためのもの。】

自分の感情を素直に受け止め、できるだけストレスが小さくなるタイミングを逃さずキレる。伝えたいことを伝えたいタイミングで、過不足ない熱量で表現できる。

得するキレ方は「キレる」と表現していますが、一般的な「キレる」のイメージとはまた違うものかもしれません。具体的にどのように対応していくのが良いかは次回以降の記事でご紹介します。

 

【4】キレる人にキレ返さないほうが良い場合もある


ただ、相手をせずにその場を回避したほうがいい場合があります。

それは「自分には怒る正当な理由がある、正義感による制裁行動をしていると思っている人」です。

本来であれば理性的な行動を促すはずの「前頭前野」の機能が強すぎる場合、相手を過剰に攻撃する言動につながることがあります。
たとえば新幹線などで「前に座った人が断りなしに座席を後ろに倒してきた、という些細なことでキレて、前の席を思い切り蹴ったり声を荒らげる」人。これは「座席を倒す場合は後ろの席の人に必ず一言告げるべき」という自分のルール=自分の正義にそぐわない人がいたためキレるスイッチが入ってしまい、強すぎる前頭前野の働きで怒りが加速してしまうのです。
この「自分が正しいことをしている」という正義感による制裁行動が発動するとき、「承認欲求が充足」し、脳内にドーパミンが放出され、快感を覚えることがわかっています。
ドーパミンは一度出始めると理性が働かなくなるため、攻撃中毒になり、止めることが難しくなります。そのため「正義感による制裁でキレている」人からは、逃げましょう。

次回以降は「職場にキレる上司がいる場合」「怒っている人に対する対応術」をご紹介していきます。(後藤香織)

 

キレる!

『キレる! 脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』
中野信子 著/小学館
780円+税

 

 

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