熱が出たら冷やすのはおでこじゃダメ!医師が語る正しい高熱の対処法【風邪Q&A】
風邪と言えばつきものなのが「熱」。熱が出るとだるいしつらいし、できれば早く下げてしまいたいですよね。
だから解熱剤を飲んで、おでこを冷やして……とやりがちですが、実はそれって、間違った対処法のようです。
熱が出たときの正しい対処法を、さまざまなメディアで活躍する医師、大谷義夫先生にうかがいました。
Q.熱が出たらどうしたらいいですか?
よく高熱が出るとおでこを冷やしている方を見かけますが、あまり意味はありません。首やわきの下、そけい部などの血流が多い部分を冷やしたほうが、解熱効果は期待できます。病院でクーリングを行う場合はそのような箇所を冷やしますので、39℃台まで上がってしまったり、高熱でつらさを感じるようであれば、そういった部分を冷やしてみましょう。
また、若い方であれば、38℃くらいであれば冷やさなくても基本的に問題ありません。
熱はウィルスや菌と戦っているサインで、熱だけを下げてしまうと風邪が治ったのか、治っていないのかわからなくなり、以前の患者さんの例だと肺炎の発見が遅れたこともあります。症状だけをおさえてしまうと、ウイルスが体ではびこって治りが遅くなります。
解熱剤もできれば飲まないほうが、結果的に治りは早くなります。ただ、解熱剤のすべてを否定するわけではなく、大事なプレゼン前や学校の試験など、どうしても外せない用事と高熱が重なったら、1日1~2回程度、昼間だけ飲む、くらいにしておくことをおすすめします。
確かにおでこを冷やすとひんやりして気持ちいいけれど、効果があるのは首やわきの下、そけい部など……というのは覚えておきたいポイント。熱でつらい、というとき、是非試してみてくださいね。(後藤香織)
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池袋大谷クリニック 大谷義夫先生
医学博士、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医・指導医、日本内科学会総合内科専門医・指導医。日本一の呼吸器患者数を誇るクリニックの院長として知られ、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演多数。