全額返ってこないことも!銀行の不正取引被害にあわないために注意すべきこと

こんにちは!ファイナンシャルプランナーの横川楓です。

突然ですが皆さん、もし自分の銀行から不正に引き出しや振込がされていたら、その不正にやりとりされたお金は銀行や警察が対処してくれれば全額返ってくると思っていませんか?答えはNOです。

いくらキャッシュカードや通帳を盗まれてお金を引き出されたりしまっていても、その盗られてしまったお金は一部しか戻ってこなかったり、1円も戻ってこない…なんてことも実はあるんです!
今回はそんなことにならないために、知っておくべきことをご説明していきます。

(c)shutterstock.com

 

◆「預金者保護法」を要チェック!


銀行の不正取引にあったときは、「預金者保護法」というのが適用されます。
これにより、偽造・盗難カードを用いた被害については原則として補償されるんです。ほっとしますよね。
ただし、本人に重大な過失または過失があった場合は補償されない&補償額が減ってしまうんです…。
では、その重大な過失または過失とはどんなものなのか、学んでいきましょう!

 

◆「重大な過失」って?


重大な過失とは、

  1. 本人が他人に暗証番号を知らせた場合
  2. 本人が暗証番号をキャッシュカード上に書き記していた場合
  3. 本人が他人にキャッシュカードを渡した場合
  4. その他本人に上記の場合と同程度の著しい注意義務違反があると認められる場合

以上のいずれかのケースを言います。

重大な過失と認められた場合…偽造・盗難カード被害ともに補償されません!!!!!

 

◆「過失」って?


●以下のどちらかに該当する場合

  1. 金融機関から何回も暗証番号を変えるように言われていたのにもかかわらず、生年月日、自宅住所、電話番号、勤務先の電話番号、自動車のナンバーを暗証番号にしていて、免許証や健康保険証、パスポートなどのそれらの暗証番号を想像できるような書類と一緒にお財布やバッグに入れていた場合
  2. 暗証番号をメモして、キャッシュカードと一緒にお財布やバッグに入れていた場合

●以下の1.と2.のどちらかに該当して、3.と4.のどちらかにも該当する場合

  1. 金融機関から何回も暗証番号を変えるように言われていたのにもかかわらず、生年月日、自宅住所、電話番号、勤務先の電話番号、自動車のナンバーを暗証番号にしていた場合
  2. 暗証番号をロッカーや携帯電話など、金融機関以外で使う暗証番号としても使用していた場合
  3. キャッシュカードを入れたお財布などを自動車の中や人の目につきやすい場所に放置するなど、他人から奪われやすい状況においた場合
  4. 酔っぱらっていつもより注意力が散漫になり、キャッシュカードを他人から奪われやすい状況に置いた場合

●その他↑と同程度の注意義務違反があると認められる場合

上記のいずれかの過失があった場合…偽造カードは全額補償、盗難カードは全額ではなく75%が補償されます。

(c)shutterstock.com

 

◆補償を受けるためにしなくてはならないことは?


●「30日以内」に金融機関と警察に届け出をしましょう!
長期入院や海外出張があったときは30日を超えても補償されますが、その場合でも原則は2年以内となっています。

●金融機関に盗難をされた時の事情を偽りなく説明しましょう!
被害にあった状況を説明するときにもし嘘をついてしまうと、補償がされなくなってしまうことも。
ショックで落ちついていられないかもしれませんが、記憶を頼りに嘘をつかずに説明してくださいね。

 

◆誕生日も電話番号もダメ…どんな暗証番号がいい?


銀行の暗証番号は基本的に4ケタということもあり、誕生日はダメとわかっていながらも、ついわかりやすいからという理由で誕生日にしてしまう方が多いのではないでしょうか。

わかりにくい暗証番号にしよう!と思うと、結局自分も忘れてしまうので、なかなか自分とまったく関係ない暗証番号を考えるというのは難しいんですよね。

さらにメモをして一緒に持ち歩くのはダメとなると、さらに難しい…。
結局好きなアニメや芸能人、その他趣味に関係した数字など、常に自分の意識が向いていて、すぐに思い出せるようなものが一番いいのかもしれません。

 

◆その他やっておくべきこと


クレジットカードは不正利用されている可能性があってカード会社から電話がきたなんて話を聞きますが、銀行は基本的には電話はかかってこず、気づかないまま30日以内の期限を超えてしまったなんてことにもなりかねません。こまめに通帳記帳をしてチェックしましょう。

また、おじいちゃんやおばあちゃん、両親などには、
暗証番号はカードに書かない
暗証番号をメモにして持ち歩かない
は最低限守ってもらうように伝えておきましょう!

他人事と思っていても、自分がお財布をなくしてキャッシュカードも一緒に盗られてしまったり、もしくは親やおばあちゃんおじいちゃんが悪い人にうっかりお金を引き出されてしまったり、いつ被害を受けるかどうかはわからないのです。
酔っぱらってお財布をとられたことがあるという経験がある方も、これからは要注意してくださいね!
(横川楓)

※基本的に通帳やインターネットバンクについても同様の補償が適用されます。

横川 楓

kaedeyokokawa20160818._2jpg

24歳で経営学修士(MBA)を取得し、その後ファイナンシャルプランナー(AFP)に。
マイナンバー管理アドバイザー、マネーマネジメント検定2級などの資格を取得し、現在は新宿にある税理士事務所に在籍中。
元地下アイドルという経歴をもち、最近のマイブームは変身できるカメラアプリとポケモンGOという26歳。

・Blog http://ameblo.jp/kaede-yokokawa/
・Twitter(@yokokawakaede)https://twitter.com/yokokawakaede
・Facebook https://www.facebook.com/横川楓-1287714024649472/

★横川楓プロフィール&「横川楓のマネー入門」一覧

【あわせて読みたい】

※意外?年収が高い人ほど「口コミ」を大切にしていた

※毎月いくら貯金してる?OL女子の平均額は●万円

※転職を考えるタイミングは○○が不満だったとき!?20代の理由1位はやっぱり

※「お金に愛される人」と「お金が逃げて行く人」の違い7つ

※実は簡単!30歳で年収1,000万円になる12の習慣