WI やっぱりみなさん一度はそういう夢を見るのですね。ちなみに、台詞覚えはいいですか?
小澤 最近、覚えが早くなってきました。『ダイヤのA』の2作目の時はすごく遅かったんです。台本を手放す勇気がなくて、ずっと片手に台本。でもそれが原因だと最近気づきました。暗記能力はある方だけど、臆病なんです。台本を手放してからやっと台詞がちゃんと入ってくるんですけど、最近は覚えていなくてもとりあえず手放してみる。それで「あっ、たしかこうだったな」ってやってみて、間違えたところは台本を見返すほうが手っ取り早いということが分かったんです。台詞を覚えるのは、だいたい寝る前。暗記して、しゃべれるようになった状態で寝ると、寝ている間に、脳みそが整理してくれるみたいです。寝る直前のデータを。記憶して、整理された台詞を稽古場に持って行って、稽古前に読み合せをします。手が空いてる役者に自分以外の台詞を読んでもらって覚えてない台詞をチェックして、稽古が始まったら絶対に台本は手放すっていう。
WI 舞台に立つ役者さんのそこがすごいなと思います。分厚い台本を全部頭に入れて、2時間の舞台に立つ。
小澤 けっこう大変です(笑)。役者によって覚え方がいろいろあるんですけど、僕は夜、必死に覚える方法ですね。『おそ松さん』でも一緒だった(高崎)翔太くんは、感情を大切にして、台本と全然違うことを言うのに、ちゃんとストーリーはつながるんですよ。台詞は台本と違うのに、言わなきゃいけない台詞のニュアンスは違っていないから、物語にあまり影響しないんです。稽古中、演出家さんに「ここ違いますよ」と言われたら「すみません」と言ってから台本を見直す。それを見た時に思ったんです。「まずは台本を手放すところからだ」って。
┃ドラマ『男水!』で、先輩・廣瀬智紀の優しさに触れる
WI 高崎翔太さんの話が出ましたが、1月スタートのドラマ『男水!』では、舞台など過去に共演者した方がたくさん出演されていますね。
小澤 (廣瀬)智紀くんは、2016年の12か月中、8か月も一緒でした(笑)。本当のお兄ちゃんみたいな存在で、僕のことをよく気にかけて話しかけてくれるし、僕もこの1年で、智紀くんがいちばん気兼ねなく話せる相手になりました。『男水!』の時、撮影初日に緊張してガチガチだったんですけど、そういうときに話かけてくれるのがやっぱり智紀くんで。撮影中も「いま感情で動いてなかったでしょ」とか僕の演技を見ていて、アドバイスもくれて、そういうところは弟の面倒をみてくれるお兄ちゃんみたいだなって。
WI 小澤さんは、年下の役者仲間の面倒をみたりできていますか?
小澤 最近はできるようになってきたと思います。この仕事を始めてから、あまり仲のいい後輩を持ったことがなくて接し方もよく分かってなかったんですけど、『あんさんぶるスターズ』では僕は上の方で、しかも主演を務めさせていただいたので必然的に僕がしっかりしなきゃいけない立場になりました。それもあって最近、後輩との関係も大切にしているし、稽古場の和やかなムード作りも座長としての仕事なんだなって。『男水!』だと、舞台『私のホストちゃん』で共演した(黒羽)麻璃央とよく一緒にいましたけど、彼は年下だけど僕に敬語を使ったことがないし(笑)、“仲のいい友だち”って感じで面倒みなくちゃいけない後輩という感じではないかも(笑)。
現在放映中のドラマ『男水!』(日本テレビ/毎週土曜日深夜0:55~放送 他)では、水泳強豪高・龍峰高校の背泳ぎエース、平光希役にキャスティング。「幼稚園から小6まで水泳教室に通っていました。でも早く泳ぐというより、泳ぐことを楽しむって感じ」と、小澤さん。しかも「実は、いちばん苦手だったのが背泳ぎ。だから『背泳ぎか~』って内心思いました(笑)」と苦笑い。
ドラマはまだ始まったばかり。これから急展開を見せていく本ドラマでの小澤さんの活躍にもぜひご注目を!
(撮影/小林裕和、取材・文/さとう のりこ)
『月刊 小澤廉×小林裕和』2017年2月23日(木)発売
(A4 サイズ・80ページ/¥3,024 税込)
【あわせて読みたい】
※素の小澤廉が98%!「あとの2%はセクシーゾーンが見えていないだけ」
※ウブだった10代の名残り…「社会に染まりきれない自分がいる」│宮崎秋人&廣瀬智紀
※AB型ひとりっこの黒羽麻璃央が思い描く「理想のバレンタイン」は?