主演映画『お終活 熟春!人生百年時代の過ごし方』が全国公開中!ボイメン・水野 勝、独占インタビュー
名古屋発エンターテイメント集団・BOYS AND MEN(ボイメン)のリーダーとしても活躍する俳優・水野 勝の主演映画『お終活 熟春!人生百年時代の過ごし方』が5月21日に公開に。30歳を迎えたタイミングで主演映画が公開と、まさに今ターニングポイントとなっている水野さんにCanCam.jpが独占インタビュー!作品の見どころや裏話などをお伺いしました。
観ると前向きな気持ちにもなれるし、夫婦円満にすごすヒントにもなる作品に。ひとりではもちろん、大切な誰かと一緒に観るのもおすすめ
──主演映画『お終活 熟春!人生百年時代の過ごし方』がついに公開!今作の主人公・菅野涼太役へはどうアプローチしましたか?
コメディパートとシリアスパートがあるんですけど、そのふたつの棲み分けをしないと菅野くんというキャラが立たないと思ったので、コメディパートは大袈裟に演じていて。監督の演出で、わざとこけたり、机に脚をガチャーンとぶつけたりとか、ある種舞台チックなオーバーな演技をしていたんです。逆にシリアスなパートは、ギャップを出すために目線と表情だけで魅せるようにしていました。
あとは、撮影がちょうど舞台『諦めが悪い男たち〜NEVER SAY NEVER〜』の公演中だったんですよ。その時に(BMKの)三隅くんの立ち方とかを密かに観察していました(笑)。
──まさか後輩の三隅さんがモデルだったとは(笑)。
ヘタレっぽいじゃないですか?(笑)結果、思い描いた菅野像よりももう少しシャキシャキした子になったんですけど、『諦めが悪い男たち』の舞台って事務所総出で後輩の祭nine.やBMKとか色んな人がいたので、どういう人の立ち方がいいかな〜?って稽古中は常にアンテナを張ってみんなのことを見ていましたね。
──周りを観察してたんですね。葬儀社で働く役ですが、何か準備はしましたか?
一柳葬具総本店さんに行ってカウンセリングと講習を受けて、葬儀屋さんってこういうものだというのをひと通り学びました。僕らが知っている葬儀屋さんってお葬式の時に見るくらいじゃないですか?でも実際の葬儀屋さんって人生の最後にどれだけ寄り添えるかというのが仕事で、お金のことやどういう葬儀にしたいかとか、どういうメッセージを残したいとか、そういうのをどれだけ汲み取れるかをすごく大事にしていらっしゃるんだなというのを感じましたね。
──ボイメン10周年ブックのインタビューでも「色んな職業をやってみたい」と話していましたが、葬儀屋はどうでしたか?
すごかったですよ!今、外国人も増えてきて海外の宗派とかも入ってきているので、どんな宗派でも対応できるよう色んな宗派の祭壇や色んなものが準備されていて全部並べられていたりして。この役をやってなかったら葬儀屋さんの仕事も知ることができなかったと思うと、またいい経験ができたなと思います。
──主演として心掛けていたことは?
高畑さんも橋爪さんも劇団の座長なので、僕なんかが座長なんて言えないんですけど、誰よりも一生懸命やるっていうことは心がけていました。SNSをされる方々でもないので、自分が宣伝という部分でどれだけ貢献できるかっていうのがいちばん主演としてできることなのかなと思って頑張っています。個人的には思い入れの深い作品でもありますし、たくさんの方に観てほしいので。ファンの方も僕の思いを受け取って一緒に宣伝してくれたりしてありがたいですね。
──高畑淳子さんや橋爪 功さんなど共演者には豪華俳優陣がそろっていますが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
まじで豪華でしたね。俳優のアベンジャーズみたいでした(笑)。そんな方々の中で主演を務めるのはプレッシャーもあったし、「俺で大丈夫かな?」という思いもありましたけど、みなさん第一線で活躍されている方々なので、僕なんかもすごく受け入れてくださって。楽屋で高畑さんとも自分の人生をお話する機会があったんですけど、その時僕の話を聞いて高畑さんが涙を流してくれたんです。それがすごく印象に残っています。
──どんなことを話したんですか?
結成当初は稽古場もなくゼロからスタートしたことやこの世界に入った経緯や演技をしたいと思った理由とか、それこそボイメン10周年ブックのインタビューや「名古屋レジェンドちゃんねる」でしたような話を全部して、「今回、僕はただの映画じゃなくてそういう思いがあってここに来ました」と伝えたら、「ビジネスで演技している役者もいるし、そういう部分もあるから、こんな熱い想いを持ってやるのは久しぶり」って言ってくれて。
──気持ちを共有した状態で臨めたんですね。剛力彩芽さんとは『新 デコトラのシュウ 鷲』と二度目の共演ですが、いかがでしたか?
撮影順番的には、この作品で初めましてだったんです。キッチンカーで豚しゃぶを食べているシーンがあって本番はごまドレッシング味を食べているんですけど、メニュー板にはポン酢味や梅味とか色々あって。それを見て「どれがいいですか?」みたいな話をしていたら、お互い梅好きで甘い派としょっぱい派だったらしょっぱい派なことがわかって。最初だったので当たり障りない雑談をしてたんです(笑)。そしたら、次の日、その雑談を覚えてくれていて、「うち、代々しょっぱい梅を漬けるのが伝統で。食べてください」って持ってきてくれて。けっこう量が入った大きい袋を2つもくれて。
──うれしいですね!
その梅がめちゃめちゃしょっぱいんですけど、おいしくて撮影中に全部食べちゃいました。そしたらまたくれて。めっちゃいい子ですよね。コロナにかかって自宅から出られない時はその梅に助けられました。
──和やかな現場だったんですね。そんな周りの役者陣から影響を受けたことは?
ちゃんと準備してきたものを表現しようとするような現場も多ったんですけど、もうみなさんベテランなので、その現場での演技を受け止めてくれるんですよ。その場の空気でお芝居をされるんですよね。改めてお芝居って反射なんだなって。自分よがりじゃなくて、相手がしたことに対して自分が反応するという根底の部分を再認識させられました。逆に自分の演技プランを持っていかないほうがいい場合もあるよなって。
──現場での雰囲気重視で?
もちろん準備はしていったんですけど、その場の空気を大事にしようって。準備があったからできたことなので準備はするに越したことはないんですけど、監督もあまり演出しない方なので。「この中で自由にやって」みたいな感じだからプレッシャーもあるし集中してないと乗り遅れちゃう。そういう緊張感はあるんですけど、その分自由にやれましたね。やりがいがありました。
──水野さん的見どころはどこだと思いますか?
全部見どころではあるんですけど、メインは家族の話なので、自分を家族のドラマを知るきっかけになるんじゃないかなと思います。自分の両親がどう出会って、どういう恋愛をして、俺がいつ生まれたのかとか知らないじゃないですか?それを知るきっかけになるのがこの作品の見どころかなと。
あと『お終活』というタイトルだけを見ると、死生観とか暗い話なのかな?と思われるんですけど、全然そうじゃなくて。どうやって生きていくかの話なので、観るとポジティブな気持ちになれると思います。
──タイトルから受ける印象とは違いますよね。
そうですね。「それって死ぬってことやん!」っていう気持ちになって自分のじいちゃんばあちゃんには勧めづらいと思うかもしれないんですけど、そうじゃないんだよって。岡山県でお年寄りの方に向けて先行試写会をする機会があったんですけど、その時にみなさん喜んでくれたらしいんです。そういうのを聞くと、やっぱり間違ってないなって思いましたし、タイトルの印象に捉われずに一度観てほしいなと思いましたね。
──CanCam世代が両親や祖父母を誘う時は、どう誘うのがおすすめ?
この映画って誰かと観たいと思える映画だと思うんですよ。家族でも恋人でもいいんですけど、大事な人と共有したくなるような、一緒に観たくなる映画なんです。だから、そう説明するのがいいんじゃないかな。観て損はないし、絶対後悔しないので!
──水野さんがこの作品を観て思ったことは?
やっぱり家族の話なので、家族を大事にしたいなということですね。あとは、結婚して熟年夫婦になったらああなっちゃうのかなってこと(笑)。俺の親父もくだらないことでケンカしとったな〜とか思うと、今は「誰のおかげで飯食えてると思うんだ」みたいなことは絶対言わない自信があるんですけど……。
──そうならないという反面教師には?
もちろん今はなりたくないなっていう気持ちです。それでも毎日奥さんと一緒にいるのが当たり前になったら、そうなっちゃうのかなっていう嫌な気持ちと諦めと……みたいな(笑)。でも夫婦円満に過ごす秘訣も劇中に出てくるんですよ。男性脳と女性脳の違いの話も出てくるので、それは勉強になりますよね。それを分かったうえで過ごせばケンカにならないのかなって。
──では、理想の結婚生活は?
んふふふ(笑)。理想の結婚生活ですか?僕けっこう甘えちゃうタイプなので、甘えさせてほしいです。ベッドでそっと抱きしめてほしい(笑)。
──切実ですね(笑)。家庭には癒しがほしい?
癒されたい〜(笑)。下心とかじゃなくてそっと抱きしめてもらうだけでいい。自分の気持ちに寄り添ってくれるというか、心の拠りどころを家庭には求めたいです。安心感とかね。あとは料理がおいしい人がいい。食は基本なので。
──作ってもらうとしたら何がいいですか?
なんでも大丈夫ですけど、お味噌汁は赤だしがいいですね。譲って、ん〜……合わせ。白も嫌いじゃないけど、毎日白だと元気なくなっちゃうかもしれない(笑)。
──じゃあ赤だしのほうがいいですね(笑)。具材は?
わかめ、ねぎ、豆腐。シンプルがいいですね。
──作品中には青春ならぬ「熟春」という言葉が出てきますが、水野さんはどんな熟春を送りたいですか?
もしかしたらその時はやだと思うのかもしれないけど、奥さんの言ったことを叶えられる人になりたい。「どこどこ行きたい」って言った時に「いいよ」って言える自分でありたいから、その前に健康じゃないとだめだなって。
──まずは健康第一で?
はい。あと、お金もちゃんとあってほしい。趣味とか何してるんだろ?今が無趣味なので将来も想像できないですけど、できればこの仕事を続けていたいですね。橋爪さんも70歳超えても現場に立っていらっしゃいますけど、求められるからできることじゃないですか?だからこそ歳を重ねても現場に立てることはありがたいことだなと思いますし、そういう人でありたいですね。
──橋爪さんの姿にも影響を受けたんですね。そんな『お終活』は水野さんにとってどんな作品に?
間違いなくターニングポイントにはなりました。30歳というのも人生のターニングポイントだし、そこでこんな大きな作品で素晴らしい方々に囲まれて主演をできたというのもそうだなと。
この作品って、2年半前にいただいた話だったんですよ。だから、それだけ作品にかけられる時間が長くて、本当に綿密に丁寧にこの作品に打ち込めたというので、思い出もたくさんあるんですよね。未だに5年前の「『白鳥麗子でございます』観ました」って言われることが多いし、僕の代表作みたいになってるんですけど、もう5年も経ってるんですよ。その間にも色々な作品に出たんはずなのに、未だにそれを言われるってことはこの5年間更新されてないってことなのかな?って自分の中で嫌な部分でもあって……。だから次の5年は「『お終活』観ました」って言われるような作品にしたいです。
水野さんの熱い思いが詰まった主演映画『お終活 熟春!人生百年時代の過ごし方』は、全国公開中!これからの水野さんの活躍が見逃せません♡
『お終活 熟春!人生百年時代の過ごし方』
配給:イオンエンターテイメント/全国絶賛公開中
出演:水野 勝、剛力彩芽、松下由樹/高畑淳子/橋爪功 他
脚本・監督:香月秀之
主題歌:財津和夫『切手のないおくりもの』
【公式HP】https://oshu-katsu.com
【公式Twitter】@oshukatsu_eiga
©︎2021「お終活」製作委員会
水野 勝プロフィール
1990年11月22日生まれ、愛知県出身。
2016年にレコード大賞新人賞を受賞、2019年にはナゴヤドーム単独ライブを完遂した、名古屋発エンターテイメント集団・BOYS AND MEN(通称「ボイメン」)のメンバ―。数多くの映画やドラマに出演するなど俳優としても活躍中。7/28には、TVアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』の主題歌『ニューチャレンジャー』が発売!
●個人Twitter:@BOYMEN_MASA
●個人Instagram:@boymen_masaru
撮影/石山貴史 スタイリスト/奥富思誉里 ヘア&メイク/中西雄二(Sui) 撮影協力/田中かほ里 取材・文/田中涼子