そう、そろそろそんなシーズンです。台風が今年もやってきますね。この記事を書いているときも着々と日本列島に近づいてきており、ところによっては大雨警報などが発表されています。
子どもの頃は台風がやってくるとだいたい学校が休みになったり……と、いいことがあった気がしますが、大人になると台風の進路情報とにらめっこしては、「頼むから通勤時間にぶつかるな」と祈るばかりです。窓をたたく雨風にあんなにワクワクしていたのに、今や気圧の関係で頭痛になったり、憂鬱になったり……ああ、大人になるって悲しい!
さて、「台風」と言いますが、そもそも「台風」って、なんなんでしょうか。いったいどんなメカニズムで発生するんでしょうか。
「台風○号は熱帯低気圧に変わりました」というニュースを聞いたりしますが、何がどう変わると熱帯低気圧になるんでしょうか。そんな「台風」についてまとめてみました。
【台風って、そもそも何?】
まず、熱帯(ざっくり赤道付近ですね)の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びます。
この「熱帯低気圧」のうち、
1.「南シナ海」もしくは「北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)」に存在する
2.低気圧域内の最大風速(10分間での平均)が、およそ17m/s(風力8、小枝が折れたり風に向かって歩けなくなるレベル)を越える
このふたつの条件を満たしたものを「台風」と呼びます。
【台風ってどうやってできるの?】
台風は、赤道付近の海上で多く発生します。
海面水温が高い熱帯の海上では上昇気流が発生しやすく、この気流によって積乱雲(入道雲とも言いますね) が次々と発生し、それが多数まとまって渦を形成し、発達していくと「熱帯低気圧」に、そして上記のように風速が17m/sを超えると「台風」になります。
【台風は夏にだけ発生しているの?】
実は台風自体は、わりと通年で発生しています。
1951年以降の統計を見てみると、
・最も台風発生が少ない年:1973年の7月~11月の5か月
・最も台風発生が多い年:2015年の1〜12月、すべての月
と、少なくて5か月、多くて毎月発生しています。
そう、実は去年が統計史上初の、すべての月で台風が発生した年でした。1951年、1976年など、「11か月」にわたって発生した年はありましたが、すべての月は統計史上初めてなのです……。ちなみに2016年は現時点で7・8月のみの発生。2015年にやりつくしたのかもしれません。
さて、冬の台風はほとんど知られていないように、「発生」したものの「日本に接近・上陸」しない台風はたくさんあります。上空の風の流れの関係などで、日本に接近・上陸しやすいのが「7~9月」となっています。
特に9月はまさに日本に直撃するラインで北上していくことが多い様子。ちなみに、最も早い上陸は「4月25日(1956年)」、最も遅い上陸は「11月30日(1990年)」。ともに2位に1か月以上の差をつけたダントツの早さ・遅さでした。
一方でフィリピンには6月、10~12月に直撃することが多いようです。フィリピンではもしかしたら「台風」は冬の季語なのかもしれません。
どうか進路がうまいことそれますように……と思うばかりです。(後藤香織)
参照:気象庁 http://www.jma.go.jp/jma/
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