「台風は温帯低気圧に変わりました」って言われても…その2つって何が違うの?

最近台風が多すぎやしませんか?
先週上陸した台風21号はまれにみる「超大型」&「非常に強い勢力」の台風、そしてついこの間の土日に日本列島に接近した台風22号も21号ほどではないにせよ、各地で大雨&強風となりました。

ところで、そんな「台風」、最終的にたいてい「台風●●号は◆◆で温帯低気圧に変わりました」と言われて消滅します。
……が、そもそも、そんな「温帯低気圧」、そしてそもそも「台風」ってなんなのでしょうか。まとめてみました。

◆そもそも「台風」って何?


まず、熱帯(ざっくり赤道付近ですね)の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち「北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)」または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間での平均)が、およそ17m/s(風力8、小枝が折れたり風に向かって歩けなくなるレベル)を越えたものを「台風」と呼びます。

◆じゃあ、台風と温帯低気圧って何が違うの?


台風が「温帯低気圧になる」って、いったいどのようなことなのでしょうか。

【台風】水蒸気が凝結して雲になるときに出す熱を原動力として、熱帯や亜熱帯の海上で発達します。したがって、台風は「水蒸気を多く含んだ暖かい空気」でできていることが特徴です。

【温帯低気圧】一方で、温帯低気圧は(北半球では)北川の寒気と南側の暖気の境目となる中緯度で発達し、前線を伴います。つまり、「南北の温度差がある」ことが大きな特徴です。

 

【台風→温帯低気圧への変化、って、どういうこと?】

「暖かい空気」でできた台風は北へ進むにつれて、周辺の空気との間に温度差が生まれます。すると、台風域内の暖かい空気が冷たい空気と混ざり始めると同時に前線ができはじめ、台風としての性質が徐々に失われ、温帯低気圧の性質が強くなっていき、ついには温帯低気圧に変わっていきます。
台風では風が強い領域は中心付近に集中するのに対し、温帯低気圧では広い範囲で強風が吹くのが特徴。台風が通過しても風だけ残っている……というときは、この「温帯低気圧」の影響による風ということもありそうです。

 

 

日本に台風が上陸することが多いのは8・9月で、本来は10月になれば遠めのところでそれることが多いのですが、今年はやたら日本に来がちな遅めの台風。

(画像出典:気象庁ホームページ 台風の月別の主な経路)

ちなみに観測史上最も遅い上陸は1990年の11月30日。それ以降は11月の上陸はなく、10月でも上陸があったのは、ここ50年でも2017年(今年)、2014年、2009年、2004年、2002年、1998年、1990年、1987年、1979年、1967年……と結構レアケースなのです。最近は以前よりもペースが増してきていることを考えると、日本の気候自体が変わってるのかも……。これ以降は上陸しないことを祈るばかりです。(後藤香織)

 

参照:気象庁 http://www.jma.go.jp/jma/

 

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