高垣麗子、AneCan卒業。「つらいことも、太ったのも、いい経験」

WI　太ってしまったときは……どうされたんですか？

麗子　焦りました。食べることが好き、やせたい、でも太っちゃったから食べられない、がまんする。けれど、がまんすればするほど、食べていないのになぜかやせない。焦っても撮影の日は近づいてくるし……。

WI　それは焦りますね……！　そこからどのように体型を戻されたんですか？

麗子　まずは一回落ち着こうと（笑）。太った原因や自分の体質についてしっかり考えました。体質はずっと一緒じゃないし、年を重ねれば代謝は落ちます。それなら食べるものを変えよう、と勉強をして、試行錯誤しているうちに体重も戻ってきて。そこで、「あっ、自分にとってベストなバランスってこれなんだ！」とわかりました。一度それがわかったので、そのあとはそんなに太ることもなく、食を楽しめるようになって。もしちょっと食べ過ぎてちょっと体重が増えても、「じゃあ小麦粉を米粉に変えよう」「黒いものは体をあたためて代謝を促すから、白いものと黒いものがあったら黒いものを選ぼう」とか、自分の中でいいバランスがわかったので……どんな経験も、そのときはつらかったとしても、いつかはプラスになっていくんだな、と思います。

WI　現代女性って、「失敗を恐れる人」が多い気がします。たとえば、離婚するのが怖いから結婚に踏み切れない人、もう年だから新しいチャレンジなんて、と思ってしまっている人……さまざまな意味で「守り」に入っている人が多いと思うのですが、どう思いますか？

麗子　結婚したい人がいるなら、全然、結婚してみなよ、だって、好きなんでしょ？　結婚したいんでしょう？　と思います。ちょっとの失敗なんて、大丈夫ですよ（笑）。

WI　心強い……！

麗子　AneCanで、聖路加国際病院院長の日野原重明先生と対談させてもらったときに、先生に言われたことが大きいですね。本当に、日野原先生の言葉は忘れもしません。

WI　どのようなことを言われたのですか？

麗子　あのとき先生は100歳だったんですが、「Facebookやってる？」と聞かれまして。「機械オンチなのでやっていなくて……」と言ったら、「僕は100歳から始めたんだよ、いいよ」と。年を重ねていくと「もう何歳だから、年だから」と、どんどん守りに入っていく人が多いんですけど、先生の話を聞いていたら、いつも自分の気持ちに素直になって、失敗を恐れずに、興味あることをやっていけばいいんだ、と思えるようになりました。だって、この先何歳まで生きるなんて、誰もわからないんだから。そうそう、先生、そのときにパスポートを更新する必要があって、「10年のパスポートを更新したいんだよ、だってこれからだよー！」って。100歳の先生が「これからだ」と思っていることにパワーをもらうと同時に、すごく自分が恥ずかしくなって……（笑）。本当、これからですよね。

WI　ちなみに、高垣さんの「これから」は、どのようなご予定で……？

麗子　AneCanを卒業したら、またしばらくフリーのモデルとしてやっていく予定です。モデルをして、アクセサリーブランドのディレクターをして……。あと、最近は大好きな「食」絡みの仕事も増えてきました。見てくれる方の世界がちょっと広がるような……そんな仕事ができたらいいな、と思っています。