「ハニーレモンジーナ」の手描きラベルを書いたのは私です。若き女性デザイナーがこめた思いとは

2012年に新登場し、炭酸印象市場の成長に大きく貢献した『オランジーナ』。2015年には姉妹ブランドナ『レモンジーナ』を発売し、横ばい傾向だった果汁炭酸飲料市場(小容量)を前年比110%と一気に拡大。当時、販売直後にあっという間に商品が売り切れたことでも話題となりました。

『オランジーナ』は、フランスの国民飲料として1936年に誕生し、ヨーロッパをはじめ世界約60か国で愛されている果汁入り炭酸飲料。最大の特徴は、果実エキス由来の自然な苦味。

フランスからやってきた商品が、“大人炭酸市場”を切り拓き、日本の炭酸飲料に二度もイノベーションを起こしたのです。

そんな『オランジーナ』が日本上陸5年目となる今年、パッケージをリニューアル、TVCMも一新。本日5月24日(火)から、放送がスタートしています。

それと同時に、『レモンジーナ』が刷新! なんと“はちみつ”を加えて、濃厚な味わいに仕上げたレモン炭酸『ハニーレモンジーナ』として、新たに発売となりました。

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┃2種類のはちみつを加えた『ハニーレモンジーナ』。パッケージは手描きデザインに

「レモンといえば、はちみつ」という日本人になじみのある組み合わせですが、そこはさすが『レモンジーナ』ブランド。「単一のはちみつで甘くするだけでは飲み飽きる」ということで、2種類のはちみつの香りを組み合わせ、華やかさ、懐かしさ、そして味に深みを出しています。

ところで、味もさることながら、「パッケージ」にも特筆すべき点が。なんと“手描き風”ではなく、“手描き”のデザインを採用。サントリーの長い歴史の中でも、ここまで全面的に手描きのデザインを取り入れたのは珍しいこと。

そこで今回、Woman Insight編集部では、このパッケージデザインを手掛けた、サントリー デザイン部 デザインディレクター/高木悠子さんに会って、話を聞いてきました。

 

┃『ハニーレモンジーナ』のデザイン担当者はバイリンガル。手描きにした背景にある思い

2009年、経験者採用でサントリーのデザイン部に入社した高木さん。実は、幼少期、高校~大学と、トータル7年半ほどアメリカで過ごしてきたバイリンガル。

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高木さんが入社1年目にデザインを担当したワイン。『JAPAN PREMIUM』シリーズのロゴ、ラベルもすべて高木さんによるもの。他にも、サントリーの数多くの商品に携わっています。

そして高木さんは、2012年の『オランジーナ』発売から、ほぼすべてのボトルデザインを担当。

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(商品左から)ブラッドオランジーナ(420ml・¥160+税)、ハニーレモンジーナ(420ml・¥140+税)、オランジーナ(420ml・¥140+税)

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2015年夏、期間限定で発売されていた『オランジーナ デザインラベル』は、ビキニとボーダーがかわいいデザインで、こちらも高木さんが担当(現在は販売終了)。

 

サントリーでは、マーケ・中味・デザインがひとチームとなって商品開発をしているそうなのですが、『ハニーレモンジーナ』に関しては、素朴であたたかい方向を作りたいという思いから、「全体を手描きにしたデザインにしたかった」と、スケッチを描いて打ち合わせでプレゼン。そのスケッチが、きっかけとなり中味の方向性のきっかけにつながったとか。

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深緑という深い色の上にイラストや文字をのせるため、黒い紙で色味を確認しながら描いていったそう。実際に使った貴重なイラストなどを見せてくれました。「もう要らないから捨てようかなと思ってました(笑)」なんて言っていましたが、保管を強く希望!

では一体、『ハニーレモンジーナ』のパッケージを“手描き”にするにいたった背景とは? 高木さんに単刀直入に聞いてみると、こんな返答が。

「自分をよく見せようとしないで、素朴で考えすぎないような商品を作りたいと思って、それを出すために手作り感のある温かい商品を作りたかったので、全体的に“手描き”というデザインにこだわりました」(高木さん)

 

┃イラストも文字も「手描き風」ではなく、ほぼ「手描き」!

ボトルのイメージは、フランスの家庭で親しまれている“手作りのはちみつ漬けレモン”。

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「おばあちゃんやおかあさんが、家ではちみつ漬けレモンを手作りして、瓶にはラベルのみ。そして、『これ飲んで』みたいなメモが貼ってある。そんな素朴であったかい感じの商品があってもいいんじゃないかなと思ったんです」(高木さん)

 

表示部分は、手描き風のフォントを使用していますが、それ以外のデザインや文字も、すべて高木さんが描いたもの。使用した画材は、アクリル絵の具、鉛筆、ペンなど。

一枚の大きな紙に、レモンやハチ、フランスの国旗、商品名など、微妙に異なるイラストや文字をいくつも描いて、どれとどれをどう組み合わせたらバランスがいいか……などを考えながらデザインを仕上げていったそう。

しかも、イラストや文字がのっている、深緑のラベルまで、手作り!

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「買い物でよくもらうような茶色の紙袋がありますよね。あれをくしゃくしゃにして、ちぎって貼って一枚にして、実際にあの形に仕上げてあるんです。ボトル下の商品名の横にある糸も本物。ボトルに巻いたとき、一枚につながるようなイメージにしました」(高木さん)

紙袋のテクスチャーはそのまま採用。

「紙袋をたくさんちぎっては貼って……というのを何度も繰り返し、理想の形に仕上がるまで試行錯誤していました(笑)」と。細部にまで並々ならぬこだわりを感じさせます。

大学ではグラフィックを専門にしていたそんな高木さんですが、こんなに味のあるイラストと文字を描けるなんて、なんと器用な方!

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デザインで特にこだわったのは、“深緑”のラベル。「自然で素朴な味を表現するには、深い色のほうがイメージが合うので」と、高木さん。

 

最後に、どんなところからデザインのインスピレーションを受けるのか訊ねてみました。

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「街を歩いたり、雑貨や洋服を見たり、旅行先の景色や物とか、普通の日常からですね。他の取材で、趣味を聞かれたりすることがあるのですが、特になくて……。好きなのは旅行とコーヒーぐらいかな?(笑)」と、かわいく笑う高木さん。ちなみに、コーヒーは一日5杯も飲むんだとか。

手描き風ではなく、手描きにこだわった『ハニーレモンジーナ』。本日からコンビニやスーパーなどで販売スタート。まるで1本1本手作りしたかのようなボトル、きっとつい手に取りたくなるはず!(さとうのりこ)

http://orangina.jp/

 

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