妬み恨みを強みに変える…ウーマン村本の「ネガポジ論」が刺さる

著書のタイトルにもなっている「村本論」から始まるこの名言集。そもそも「村本論」とは、一体何なのでしょうか。

【村本論】

ネガティヴ思考だけど負けず嫌い、さらにコミュニケーション下手が原因で人から嫌われ、そこに芸人の底辺にいた15年間の妬み恨みが蓄積。その結果生まれた、芸人・村本大輔独自の言い分のこと。

何かと人にかみつき反感も買うが、ひとたび身につければ、闘うための大きな武器となる。悩める者には前に進む力になる一方で、負けて傷を負うことも多い。自身のネガティヴな感情と長年向き合った結果生まれた、究極のポジティブ行動論であり、本書ではそれを「ネガポジ」と呼ぶ。

 

本書には、芸人・村本さんからしか生まれなかったであろう名言が集められています。

たとえば、「ウサギとカメ」で言うところの“カメ”としてスタートした遅咲き芸人だからこその、せっかちな時間とのつきあい方。

みなさん、ぽっかりと3〜4時間あいたとき、どう過ごしますか?僕の相方(中川パラダイス)は、パチンコして時間をつぶしてる。僕の場合は、目いっぱい予定を詰め込んで、目いっぱい行動する。

たとえば大阪公演のある日、1回目のステージが終わってすぐに髪を切りに行き、お気に入りのわらび餅の店に後輩を連れて行って手土産を持たせ、その後にGパンを買いに行って…。この間、約3時間。(中略)

僕の時間の使い方の基準は、長さではなくて、食事・睡眠・女は短時間で効率よくがモットーです。ちなみに、女のコと過ごす時間は3時間まで。遊びと割り切った仲なら、それ以上の時間は不要です。そして大事なのは、自分の中で時間を留めず、時間を動かすという感覚。ぼーっと止まっている時間は、僕にとっては死ぬのを待つことと同じなんです。

なんという説得力! そしてあの早口でネタを詰め込んだ高速漫才は、この時間の使い方にも関係しているのでは……と思わされます。

 

他にも「嫌われ者論」「トーク論」「漫才論」「さみしがり論」など、カテゴリごとに綴られる村本語録。みるきぃしげお、キャラバン桝本、えんにち望月など、普段から付き合いのある芸人仲間からの証言とともに堪能することができます。