絶賛お盆真っ只中の今は、仕事中心の日々から少し離れて、穏やかに家族と過ごせる帰省シーズン。でも、中には「正直、実家に帰るのが憂鬱」という声も。
進学や就職を機に一人暮らしをしてみると、自分びとって一番心地いい生活のリズムか作られたり、これまでの親子感の衝突から解放されたりなど、むしろプラスに働くこともありますよね。一方で、「帰りたくない」というと他人からよく思われないのではないか…と思い、その気持ちを隠してしまうこともあるでしょう。
今回は、『親子の法則 人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』著者である三凛 さとしさんが行った「帰省時の気持ちと親子関係」に関するアンケートをもとに、親との距離感に悩む現代人のリアルをご紹介します。この記事が、あなたの帰省ブルーを少しでも和らげるものになりますように!
「帰省時の素直な感情は?」気疲れは二割以上
帰省についての意識を知るため、「実家に帰るときの素直な感情」を聞きました。最多の回答は「楽しみ・リラックスできる」(41.5%)となり、「親に会えるのはうれしい」(30.9%)も二番目に続きました。やっぱり、家族との再会を楽しみにしている人は半数近くに上るようです。
一方、「気を遣って疲れる」(21.9%)が三番目に多い回答として上がります。また、「帰省は義務のように感じる」(14.0%)、「とにかく気が乗らない」(8.0%)、「親に会いたくない」(4.7%)といったネガティブな感情も目立ちます。性別で見てみると、女性は男性より「気疲れ」「義務感」「会いたくない」と答える割合が高く、帰省ブルーを抱えやすい傾向があることが判明!
その原因を探るべく、続いて「帰省時に実家で気になる・イヤだと感じること」について伺いました。結果、「親の言動・価値観の押し付け」(28.6%)と「自分の生活への干渉」(28.2%)がほぼ同率で上位を独占! 「結婚や出産に関する話題」(14.6%)もストレスの要因です。
続いて、「実家と距離を置きたいと思うことはあるか?」と伺ってみると…「よくある」(21.9%)、「時々ある」(25.9%)と答えた人が約半数(47.8%)に上る結果に! 反対に、「もっと関わりたい」と答えた人はわずか5.7%にとどまりました。
親といえども、年齢を経るにつれて経験や価値観に差が出てくるのも当たり前。特に結婚や出産、キャリアをめぐる話題については、親も「聞くべきではない」と分かっていながらも、心配して聞いてしまうことも少なくないはずです。
家族との仲は良い? 母親との方が良好の傾向にあり
最後の質問は、「父親・母親・きょうだいとの仲」について。「父親との仲」については、「非常に良い」(15.3%)、「まあまあ良い」(22.9%)と答えた人が38.2%。「母親との仲」については、「非常に良い」(19.9%)、「まあまあ良い」(28.2%)と答えた人が48.1%で、父親との仲を約10ポイント上回る結果となりました。
多くの家庭で母親と関わる時間の方が長くなりがちなことを考えると、納得できる結果かもしれません。
また、「きょうだいとの仲はいいですか?」という問いについては、「普通」(29.6%)が最多となりました。「非常に良い」(14.3%)と「まあまあ良い」(23.9%)を合わせると38.2%で、良好な関係を築いている人も多いことがわかります。一方で、「疎遠」(7.0%)、「良くない」(5.3%)、「あまり良くない」(5.0%)の回答も17.3%と一定数いるよう。どちらにも偏らない無難な関係性を築く人が確かに多いようですが、兄弟姉妹の関係性もさまざまであることがうかがえます。
また、女性の方が男性よりも比較的関係性を良好と答える傾向が多いようです。
正直帰省に気乗りしないあなたへ。「帰省ブルーを軽減する5つの工夫」
今回の調査から、帰省を楽しみにする人と帰省ブルーを抱える人の二極化を浮き彫りに。親世代との価値観の差や家事分担、結婚や出産に関する話題へのプレッシャーがストレスの主な要因であり、親との関係が良好な人でも、距離感を保ちたいと考える人が多いことがわかりました。そこで、今すぐ使える帰省ブルーを軽減する工夫を5つ提案します。
1.夫婦別々に帰省する「セパレート帰省」
旦那さんの実家では妻ばかりが家事分担や親戚づきあいで疲弊し、夫はくつろいでいる…。そんな構図も帰省ブルーの大きな要因。女性は自分の実家でも家事負担が回ってきやすいために、女性側の負担がおもくなりがち。この場合、夫婦がそれぞれ自分の実家に帰る、あるいは夫だけ子どもを連れて帰省する「父子帰省」というスタイルなら、妻は自分の実家でリラックスしたり、自宅で休息したりできます。
家族の形が多様化する現代では、夫婦別行動の帰省も断然アリです。
2.「ホテル帰省」や短期滞在で物理的な距離を保つ
実家に泊まると生活リズムや衛生環境の違いでストレスが溜まりやすく、家事の負担も増えがち。無理やり朝方になったり、インドア派なのに連日お出かけで疲弊したり。
近くのホテルや旅館を利用して寝る場所だけ分ける「ホテル帰省」は家族全員の気疲れを減らす効果があります。滞在日数を短く決めておくことも同じく有効です。
3.オンライン帰省や「逆帰省」を取り入れる
交通費や混雑を考えると、実家に行かない方が負担は少ない場合も。場所によっては一回あたり3万、4万とかかる場合も少なくないですよね。特に働きたての社会人にはなかなかしんどい…。
ビデオ通話やメッセージのやり取りが普及した今、離れていても気持ちを伝えられる環境が整いました。年末年始に親が子どもの家を訪れる「逆帰省」も良いですよね。親側も、子どもが大きくなってから築いた習慣は見えづらいですし、「どんな暮らしをしてるのかな」ときになるところ。自分のホームで迎え入れる方が気軽な場合もありますし、双方の負担を考慮して帰省の形を柔軟に選ぶことが大切です!
4.会話の「地雷」を避けるコミュニケーション術
帰省時に親や親戚と交わす会話は、楽しみでもありながら、時にストレスの火種にも…。特に、結婚や出産、仕事の話題は、本人の状況によっては触れられたくないテーマ。そんな質問をされたときは、素直に「今は自分のペースで考えているから、決まったら報告するね」と気持ちを伝えつつ、最近始めた趣味やおすすめのテレビ番組、地元の美味しい食べ物など共通の話題にさりげなく切り替えましょう!
また、親や親戚から過去の失敗談や家族の悪口を聞かされた場合は、同調はNG。「そういうこともあったね。でも、今はこうしてみんな元気で良かったよ」と肯定的な言葉で受け止め、別の話題に移すのがgoodです◎
健康の話題や季節の行事、近況報告などの世代を問わず話しやすい話題で、場を和ませましょう。
5.帰省の目的やルールを事前に共有する
ストレスの多くは、「○日滞在しなければいけない」「親戚全員に手土産を用意しなければいけない」といった暗黙の期待から生じることも多いです。事前に滞在日数やスケジュール、家事分担の範囲を家族で相談し、無理のない形に調整しましょう。場合によっては、帰省費用や準備を夫婦で分担したり、手土産をネット通販で手配したりするなど負担を減らす工夫もおすすめです。
帰省ブルーを軽減するためには、従来の「みんな一緒に実家に集まる」スタイルにこだわらず、セパレート帰省やホテル帰省、オンライン帰省など新しい選択肢を取り入れ、コミュニケーションや滞在方法を工夫することが重要。帰省は家族の絆を確かめるとても大切な機会ですが…一番大切なのは、自分や家族の心身の健康を守ること。
無理のない形で、自分たちらしい帰省のスタイルを実践していきましょう♡ (Ami)