【連載vol.9】ヤーレンズ出井隼之介「日本の猛暑」に喝!そして、おすすめのコーヒーも紹介<深煎り編>

『M-1グランプリ2023』準優勝で話題!ヤーレンズのツッコミ担当、出井隼之介のエッセイ連載がスタート!

日々過ごす中で思ったことや、おもしろかったことを独自の目線で綴ってくれます。

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第9回目は…
最近の異常な暑さについてのお話!サマーソングに感じる違和感や、出井さんの日焼け対策についても。
そして、前回の浅煎り編に続き、おすすめの深煎りコーヒーについても教えてくれました!

「日本の猛暑とコーヒーのお話」

さて、一句読みたくなるくらい急激に暑くなったが、いかがお過ごしだろうか?

先日訪れた快晴の京都

ここ数年、日本の夏がとりわけ暑いというのはよく言われていることだが、自分の中ではっきりと記憶にある“ボーダーライン”が2019年。日本の夏の暑さは、2019年から別次元に突入した。

覚えているだろうか?

「このままだとエアコンが壊れるから、室外機に濡れたタオルを被せたほうがいい!」

というデマが流れた年だ。(コロナのときに痛感したが、「デマ」っていうのはいつまでたってもなくならないね。)

あの年を境に、この国の夏はすっかり変わっちまった。35度が関の山だった最高気温も、38…ひどいときは40度に。汗ばむとかそういう次元ではなく、肌が刺されるような、痛みを伴う暑さ。もう季節の表情がすっかり変わってしまった。

この「2019年別世界突入説」を風化させないために、常々言っていたのだが、先日ラジオのトーク中に気象庁のデータを見たら全然そんなこともなくて、実際は2020年からぐっと暑くなっていたし、昔は昔でそんなに涼しくもなかった。マジで数字ってつまんない。

ラジオ色々やってます。

さて、ここからは(いや、ここからも?)本当に個人的な感覚で、まだ誰とも共有できていないので大変恐縮なのだが、
定番のサマーソング、ちょっと涼し過ぎない?

例えば、敬愛する桑田佳祐先生には大ヒット曲『波乗りジョニー』があるが、今、外を歩いているときに聴いても、昔ほど“夏にドンピシャ”じゃないのだ。

『波乗りジョニー 』の持つあの疾走感、夏の恋の生き急いだ感じ、日差しは感じながらも颯爽としたあの曲調が、今の夏とはマッチしないのだ。

今の夏は肌が焼けて痛い、苦しみの季節だ。

(ちなみに『波乗りジョニー』は曲からでも歌詞からでもなく、タイトルからできた曲だと言われている。)

今となっては、スチャダラパー『サマージャム’95』なんてちょっとクーラーが効いている感じがするし、PRINCESS PRINCESS 『世界でいちばん熱い夏』なんてもはや秋の雰囲気がある。

真心ブラザーズ『サマーヌード』は風がビンビンに吹いているし、PUFFY『渚にまつわるエトセトラ』はちょっと肌寒いくらいだ。(あのペリカンさみしそう波にフワフワしてっていう歌詞大好き。)

それくらい、定番のサマーチューンの世界観を破壊してしまうほど、近年の夏の暑さは異常だということだ!サマーチューンを返せ!

完全に感覚で書いているし、過去一共感を得てないだろうなぁ。とりあえず暑過ぎて、今外で聴く曲がない。

まあ、でも俺たちには打ち水があるから。そのうち外も涼しく歩けるようになるさ。

『打水大作戦2024』

自分が無知であるとも知らず、文句を垂れ、理由を知ったときに自分の思慮の浅さに赤面する事が結構ある。

愛用の日傘

そもそも日焼け止めは年中無休でつけるUVカッターなのだが、ここ数年はしっかり日傘ってものをさしている。

外がシルバーで中が黒のやつだ。中がシルバーだとアスファルトの照り返しをもう一回跳ね返して肌に食らってしまうのだとか。日差しってそんなパンパン反射するもんかね?と思いながら、とりあえずそうしている。

そう言えば、日焼け止めで、SPFが気休め程度の商品ってなんのためにあるのかさっぱりわからなかった。

強いほうがいいだろ。強い日焼け止め、出てこいや!というPRIDE日焼け止め祭りを毎年開催している日焼け本部長だったのだが、お肌の弱い方もいるよね、というのを美容を気にするようになってから知って合点がいった。

僕は肌がめっちゃ強いし面の皮が厚い。レチノールも1%から全然問題なくいけちゃう。だから気づかなかった。

本当にも知らずにこういう文句を垂れていて、理由を知ったときに自分の思慮の浅さに恥ずかしくなることが結構ある。

お弁当のおかずの下のスパゲッティには、余計な油を吸ったり、容器が熱くなりすぎるのを防いだりする効果があると知ったときもそうだったし、

大好きなコーヒーでも、デカフェ(カフェインレスコーヒー)の存在意義がさっぱりわからなかった。

こちとら一定時間カフェイン摂取しないと震えと頭痛が出るから摂っているってところもあるのに、カフェイン抜きとはこれいかに!と思っていた時期が俺にもありました。

妊婦さんとか、カフェインが摂れない人のためと知って、本当に反省した。

このエッセイではポジティブだなんだって言っているけれど、ダメなところは反省するのも大事。至極当たり前のことを書いているが。

さて、コーヒーの話も出たところで、僕がよく行くコーヒー屋さん深煎り編。

コーヒーは長い時間焼いている“深煎り”のほうが、苦味が強く出る。深煎りはいわゆる皆さまが想像するコーヒーの味だ。

基本的に深煎りのお店のほうが多いが、本当においしい店はひと握り。その中でも、僕がよく行くお店を2店舗ご紹介。

『G☆P COFFEE ROASTER』(初台)

僕の中で、深煎りといえばここ。最近行けていなくて申し訳ない。

いい深煎りはガツンと苦味が来た後、その奥にほのかな甘みを感じる。ここのコーヒーはまさにそれ。

最近流行りのカフェとも、昔ながらの純喫茶とも一線を画した店内の雰囲気もたまらない。

ハウスブレンドがばっちりうまいのだが、ひととおり飲んだらもう一段階深い“極深”に挑戦してみるのもおすすめ。深過ぎて喉にクッとくる感じがたまらない。

『筋金珈琲焙煎所』(下北沢)

下北沢の商店街の中に、突如現れる注意書きだらけのお店。もうかれこれ何年も通っているが、こちらも最近行けていない。

狂気にも似たこだわりの数々が店内にもびっしり書いてあるので圧倒されてしまうと思うが、コーヒーはうまいので恐れずにドアを開けてみてほしい。

常にフレッシュな豆を用意してくれている。中でも店名を冠した『スジガネブレンドは香り、苦み、甘み…深煎りブレンドの極み!と言った味わい。(ヤーレンズ・出井隼之介)

★ヤーレンズ・出井隼之介の連載は隔週土曜夜配信予定です!お楽しみに★

ヤーレンズ・出井隼之介(でい じゅんのすけ)プロフィール
1987年3月2日生まれ、神奈川県出身。楢原真樹(写真左)と結成したお笑いコンビ『ヤーレンズ』のツッコミ担当。『M-1グランプリ2023』で初の決勝進出を果たすも優勝を惜しくも逃すが、一気に話題に。好きなことは、コーヒーを飲むこと(カフェ巡り)、サザンオールスターズを聴くこと、美容&メイクなど多趣味で、インスタグラムではコーヒーについても発信している。

・ニッポン放送『オールナイトニッポン0』毎月最終土曜日担当 27:00-28:50 O.A.
・TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』隔週木曜日レギュラー 8:30〜11:00 O.A.
・ラジオアプリGERA『ラジオの虎』毎週木曜日20時配信

★公式YouTube 『ヤーレンズオフィシャルチャンネル』
★個人公式インスタグラム @dei_junnosuke
★公式X @Yarlens_Dei

文/出井隼之介 (ヤーレンズ) イラスト/羽鳥好美 構成/田中絵理子