【連載vol.5】ヤーレンズ出井隼之介。ご多忙芸人の「エゴサ」の結果の受け止め方は

『M-1グランプリ2023』準優勝で話題!ヤーレンズのツッコミ担当、出井隼之介のエッセイ連載がスタート!
日々過ごす中で思ったことや、おもしろかったことを独自の目線で綴ってくれます。

第5回目は…
SNSに寄せられる様々な『声』について。エゴサはするけど動じないメンタルについて教えてくれました!

「エゴサとかする?

昔はメディアの影響力を測る指標なんて、視聴率(ラジオだったら聴取率)くらいしかなかったように思うが、
今はテレビに限ってみても世帯視聴率、個人視聴率、コア視聴率やTVer登録者数に再生数、さらには番組のYouTubeチャンネルやTikTok、XをはじめとするSNSの反響などなど、様々な指標が混在していて、もう何が何だかよくわからない。

テレビ局の廊下に「コア視聴率○○%でした!」といった張り紙があったりして、それが高いんだか低いんだかもわからなくて、いよいよ目の前が真っ暗になって気絶してしまい、そこからまた新たな物語が始まる…なんてこともある。

ヤーレンズの『オールナイトニッポンZERO』にて

まあ、我々はまだポッと出の芸人で、一丁前に視聴率だなんだを気にするような立場にないので、数字の話は全然いいのだが、人前に出る仕事である以上“お客さまのリアクション”はどうしたって気になる。

そんなリアクションがわかる、いちばん身近ツールはやはりX(旧Twitter)になるだろう。

芸人はほぼ全員やっているし、中には熱心にエゴサーチする人もいる。

気に入らなかったり、気に障るような意見を発するアカウントを片っ端からミュート、ブロックしたりする人もいるし、クソミソに叩かれているのに全然気にしない人もいて面白い。

(あと、ネット民と言われる人々が妙にこの人好きだな〜とか、逆にこの人は嫌いなんだな〜みたいなのは眺めていると興味深い)

さて、僕はというと、しばしばエゴサをするけれど、そんなに気にならない。

まあこんなタイトルのコラムを書いているくらいなので、僕の肉体には有り余る自己肯定感が、それはもう上質なウインナーのようにぱっつぱつに詰まっているので、他者からの評価が入る隙が一分もないのだ。
それはむしろ、僕のことを評価できない人の感性が心配になってしまうほどに。

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他人がどこで何がどうかはマジで興味ねえ

ありがたいことに、誹謗中傷めいたことは今のところないし、否定的な意見も少ない。そんなものをたまに見かけても、本当に何も感じない。

僕が大切にしている言葉のひとつに『どの口が何言うかが肝心』というものがある。
これは好きなヒップホップアーティストOZROSAURUSのMACCHOさんが唄っている曲の歌詞の一節なのだが、まったくもってその通りだと思っている。

命に価値の差などはないが、発言の価値に差は大いにある。「誰が何言ってんだ」とはまさにそうで、誰が言うかでその言葉の価値は全然違う。

もうひとつ僕が好きな言葉に

「いいですか?とある万引き主婦がこんな良いことを言っていました…」
「聞く耳持たねーわ!万引き主婦の言葉!」

というものがある。

これは僕の大好きなパンクブーブーさんの漫才の一節なのだが、これこそまさにである。

ネットに誹謗中傷や人の悪口を書くやつなんて『とある万引き主婦』なのだから、その言葉には当然価値がないので聞く必要もない。

このように、自分のストレスになることに対して一旦しっかりと向き合ってその原因を紐解き、理屈と正義で自分なりの落とし所を見つけておくのは、健全な精神を守る上で大切なことだ。

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ばあちゃんの笑顔

先日、祖母が亡くなった。93歳だったので大往生だ。お葬式のために田舎である富山県に帰った。

祖母は体が弱っていてここ数年は施設で暮らしており、何度かお見舞いには行けたもののコロナ禍をはさんだこともあり、会える回数や時間は少なかった。

それでも去年の年末から徐々にテレビに出させていただけるようになり、僕のことも「ヤーレンズ」というコンビ名も認識して、応援してくれていたようで、施設の職員の方々にも自慢してくれていたらしい。

もうそれだけで、テレビに出られるようになって良かったと思える。

ばあちゃんが喜んでくれた。

富山の親戚の人たちも皆一様に「テレビ観てるよ」「頑張ってるね!応援してるよ!」と言ってくれる。

もうそれで十分。

テレビにはもうあんまり影響力がないとか、なんとか視聴率がどうとか、SNSとかよくわからないけれど、
出れば、出続ければ、色んな人に届く。それくらいテレビは強い。

SNSでなにがどうとか言われようが、関係ない。
テレビはSNSをやっていない、その先の数千万の人々にも、自分たちのことを届けてくれる力があるんだと思う。

ずっと自分のために、自分のやりたいことをやってきた。
いつしか周りに大切な人がたくさんできて、その人達のために頑張ろうと思えるようになってきた。

段々とその「周り」とされるものが大きくなってきて、今はバカみたいな話だけど「たくさんの人を笑顔にしたい」とか壮大なことを思ってきている。

まだまだ生意気な話だし、もちろん自分達の立身出世もガンガン目論んでいるのだが、これは割とマジ。それとこれとは直結している。

テレビを通じて、笑顔にした人は誰かの大事な人かもしれないし、また誰かの大好きなばあちゃんかもしれない。

ま、御託を並べるのもいいけれど、もっと面白くならないとね!こないだの番組、ほとんどカットされていたよ!どひゃー!(ヤーレンズ・出井隼之介)

★ヤーレンズ・出井隼之介の連載は隔週土曜夜配信予定です!お楽しみに★

ヤーレンズ・出井隼之介(でい じゅんのすけ)プロフィール
1987年3月2日生まれ、神奈川県出身。楢原真樹(写真左)と結成したお笑いコンビ『ヤーレンズ』のツッコミ担当。『M-1グランプリ2023』で初の決勝進出を果たすも優勝を惜しくも逃すが、一気に話題に。好きなことは、コーヒーを飲むこと(カフェ巡り)、サザンオールスターズを聴くこと、美容&メイクなど多趣味で、インスタグラムではコーヒーについても発信している。

・ニッポン放送『オールナイトニッポン0』毎月最終土曜日担当 27:00-28:50 O.A.
・TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』隔週木曜日レギュラー 8:30〜11:00 O.A.
・ラジオアプリGERA『ラジオの虎』毎週木曜日20時配信

★公式YouTube 『ヤーレンズオフィシャルチャンネル』
★個人公式インスタグラム @dei_junnosuke
★公式X @Yarlens_Dei

文/出井隼之介 (ヤーレンズ) イラスト/羽鳥好美 構成/田中絵理子