洗濯機や柔軟剤はNG!洗濯のプロに教わる、布マスクの正しい洗い方

洗濯機はNG! 布マスクの正しい洗い方を知ろう! 


新型コロナウイルスとの戦いが続くなか、仕事や私生活の様々な場面においてマスクの着用が求められています。そんななか、使い捨てマスクから布マスクに移行した方もいるはず。しかし、「正しい洗い方がいまいちわからない」という方も多いのではないでしょうか。

(c)Shutterstock.com

そこで今回は、ライオン株式会社のお洗濯マイスター・大貫和泉さんに教わる「布マスクのお手入れ方法」をご紹介します! 

 

布マスクのお手入れは、1日1回&1枚ずつの「手洗い」が基本!


布マスクを清潔に使用するにはお洗濯が肝心!汚れやニオイを取り除いて繊維を傷めないためには、洗濯機ではなく「手洗い」がベストです。 他の洗濯物や他のマスクから、菌やウイルスが付着するのを防ぐため、1日1回・1枚ずつ、 衣料用液体洗剤と塩素系漂白剤で洗います

「1枚ずつ洗うのは面倒くさい! 他の洗濯物と一緒じゃダメなの?」と思う方もいるかと思いますが、1枚ずつ洗うことで型くずれや、ゴムが伸びるなどの悩みを軽減できる上、他の洗濯物や他のマスクから、菌やウイルスが付着するのを防ぐことができるんです! 

また、洗い方の工夫によって「口紅やファンデーションが落ちにくい」というお悩みも解決するんだとか。詳しいお手入れ方法について、ステップごとに見てみましょう! 

 

STEP1: 家庭で洗えるマスクか確認!


マスクだからと言ってなんでも洗えるかというと、実は家庭で洗えないものも。まずはご自分の使っているマスクが洗えるものなのかチェックをしてみましょう! 

 

【家庭で洗濯できる布マスク】

・綿素材のガーゼ生地など、布製の家庭用マスク

・パッケージに「家庭で洗える」と表示されているもの

【家庭で洗濯できないマスク】

・パッケージに「家庭で洗える」と明記されていない布マスク

・不織布の使い捨てマスク

・家庭用マスクではない、医療用マスクや産業用マスク

 

ちなみにポリウレタン素材のマスクは、パッケージに 「家庭で洗える」と明記してあれば大丈夫◎。しかし、 塩素系漂白剤を使用すると黄色く変色したり強度が低下したりするため、塩素系漂白剤の使用には注意が必要です。

 

STEP2: 洗濯に必要な物を準備しよう! 


布マスクのお手入れに入る前に、洗濯に必要な物を準備! 揃えておきたいものはこちらです。

準備するもの

・布マスク

・洗面器(ない場合は、洗面ボウルを利用)

・洗剤

・スプーン

・清潔なタオル

・洗濯バサミ

・炊事・掃除用ゴム手袋 ※手荒れしやすい方、塩素系漂白剤を使用する方

・スポンジ ※口紅やファンデーション汚れが気になる方

 

なお、洗剤は一般的な衣料用洗剤でOKですが、水に早く溶ける液体洗剤がおすすめ。 パッケージに「中性洗剤で洗いましょう」と表示のあるものは中性洗剤を使用します。

また、汚れや菌・ウイルスの付着を防ぐため、洗濯する前後にしっかり手を洗うようにした方が良いそうです。

 

STEP3: 基本的な布マスクの洗い方をマスターしよう!


準備ができたらいよいよ布マスクを洗うステップに入りましょう! 

【基本的な布マスクの洗い方】

①洗面器に水と衣料用洗剤を入れ、スプーンでかき混ぜる

水2ℓに対し、「アクロン」などのおしゃれ着洗剤なら 5ml(キャップでの計量がおすすめ)を入れます。

②洗剤液にマスクを入れて10分浸す

③やさしく10回ほど押し洗いする

マスクの繊維を傷める可能性があるため、ごしごしもみ洗いするのはNG! 口紅やファンデーションなどの気になる汚れは、洗剤液の中に浸した状態で、手やスポンジで やさしくたたき洗いします。

④洗剤液を流す

洗剤を流す

マスクを洗剤液からそっと取り出し、両手ではさんで押しながら水気をきります。このときマスクをねじらないように注意! また、菌やウイルスの飛び散りを防ぐため、洗剤液は静かに流しましょう。

⑤洗面器に水道水をためてすすぐ

洗面器に水道水をためてマスクを入れ、水の中で振りながら十分にすすぎます。

⑥マスクの水気をきる

マスクを両手ではさんで押しながら水気をきります。そして、清潔なタオルではさみ、両手でそっとたた いて水気を吸収。タオルにのせる位置を2〜3回ずらしながら行うと、タオルにしっ かり水分が吸収されて乾きが早くなります

⑦陰干しする

ピッピッと引っ張る

マスクは洗濯をすると縮む場合 があるので干す前に縫い目方向と横方向にピッピッと引っ張り、形を整えることで型くずれを防ぐことができます。また、乾燥機は使わずに、陰干ししますマスク本体を洗濯バサミで留めると、ゴムが伸びるのを防ぐ効果が◎

 

STEP4: さらに汚れが気になる場合は漂白剤を! 


基本的な布マスクの洗い方はSTEP3で完了ですが、汚れが気になる場合はSTEP4に進みましょう! なお、以下の塩素系漂白剤を使う上での注意事項を読んだうえで実践してくださいね! 

【塩素系漂白剤を使う上での注意事項】

・製品の容器に「塩素系」と記載があることを必ず確認

・肌を傷めないように 炊事・掃除用ゴム手袋を着用

・酸性タイプの製品や食酢・アルコールなどと混ざると有毒 な塩素ガスを発生する危険があるため、必ず単独で使用 ・脱色作用があるため、色柄物が色落ちする可能性があります

・小さなお子さんがいる場合には、手に触れないように置く場所にご注意ください

【漂白剤を使った洗い方】

①塩素系漂白剤と炊事・掃除用ゴム手袋を準備

手袋と漂白剤を準備

必ず炊事・掃除用ゴム手袋をつけましょう。なお、塩素系漂白剤を使うと色落ちする可能性があるので、色柄物のマスクの場合は酸素系漂白剤を使います。

②洗面器に水と塩素系漂白剤を入れる

水1ℓに対し、塩素系漂白剤15mlくらいが目安です。

③漂白剤にマスクを浸して10分放置する

④漂白剤を流す

10分後マスクを両手ではさんで押しながら水気をきり、 洗面器の漂白剤液をゆっくり静かに流します。この時、漂白剤液が飛び散らないように注意してください。

⑤洗面器に水道水をためて2回すすぐ

2回すすぐ

洗面器に水道水をためてマスクを入れ、漂白剤がしっかり取れるように、水の中で振りながら十分にすすぎます。これを2回繰り返します。塩素のニオイが気になる場合は、塩素のニオイがしなくなるまで十分にすすぎを繰り返してください。

⑥STEP3同様、マスクの水気をきって陰干しします。

 

【塩素系漂白剤Q&A】

Q.塩素系漂白剤は「キッチン用」でも良いですか?

A.塩素系漂白剤は、キッチン用と衣料用がありますが、お洗濯に使用するための「衣料用」を使用してください

 

Q.酸素系漂白剤を使用しても良いですか?

A.酸素系漂白剤を使用してもかまいません。また色柄のマスクの場合は酸素系漂白剤がおすすめです。酸素系漂白剤を使う場合は洗剤で洗った後ではなく、最初に洗剤と酸素系漂白剤を一緒にしてつけおきします。

水2ℓに超コンパクト液体洗剤「NANOX」なら0.7g(小さい スプーン半分程度)、おしゃれ着用洗剤「アクロン」なら 5ml(キャップでの計量がおすすめ)と液体酸素系漂白剤 「ブライトSTRONG」 を20ml入れ、マスクを30分つけおきします。

その後は、基本の洗い方と同様に10回程度押し洗いをしてから、すすぎをしましょう。この場合は、炊事・掃除用ゴム手袋を使用します。

 

Q.洗剤と塩素系漂白剤を同時に使ってはダメ?

A.洗濯機で洗うときは、洗剤と漂白剤を同時に入れることもありますが、マスクの場合はまず洗剤で汚れをしっかりと落とし、 漂白剤の効果が最大限に発揮されるよう、洗剤で洗った後に塩素系漂白剤を使用するようにしましょう。

 

マスクのお手入れに柔軟剤はNG!


最後に、よくある質問とその回答をご紹介します! 

 

Q.マスクを洗濯する時、すすぎ時に柔軟剤を使ってもいい?

A.柔軟剤はマスクへの使用を想定していないため、使用は避けるのがベストです。

 

Q.洗濯後にマスクを乾燥機にかけても良い?

A.熱に弱い材料が使われているマスクもあるので、 縮みなどの型くずれを軽減するためにも、乾燥機は使わずに自然乾燥させてください。

 

Q.洗濯後のマスクはどうやって保管すればいい?

マスクの保存方法

ホコリや菌・ウイルスなどが極力付かないように工夫することが大切。洗ったマスクは、使う人ごとに中身が見えるジッパー付きの袋に入れておくと、マスクをむき出しのまま保管しておくよりも清潔に保つことができます。名前を書いておくと間違えません。

 

Q:洗濯頻度はどのくらい?

A.衛生面から、1日1回は洗濯しましょう。 ただし1日2回外出した場合など、汚れを感じたらその都度お洗濯しましょう

 

緊急事態宣言も解除され、仕事や学校に復帰するという方もいらっしゃるかと思います。暑さが増すこれからの時期。マスクのお手入れを正しい方法で行って、新型コロナから身を守りましょう!(平田真碧)

情報提供元/ライオン株式会社

 

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