「鎌輪奴」読める?ヒントは「かま◯◯」

漢字、ひらがな、カタカナと、3種類の文字が組み合わさっている日本語。「撞球」「蹴球」といった当て字があったり、長いカタカナ言葉を1文字で表す「粁」などの漢字があったりと、日本語って奥が深いものです。
本日の漢字クイズは、そんな日本語の奥の深さをまた1つ実感できるような言葉にチャレンジしていただきましょう。お題はこちら!

「鎌輪奴」
こちらの3文字の熟語、何と読むか分かりますか? 「〜〜りんやつ」ではなくて、ちょっと意外な読み方を持っている言葉です。答えを聞けば納得するとともに、日本の言葉遊びの歴史に触れることができるかも……というわけで、ヒントを元に読み方を推理していきましょう。

■ここでヒント!

・ヒント1 江戸時代からある言葉

小学館デジタル大辞泉によると、「鎌輪奴」とは「江戸時代、元禄(1688〜1704)のころ、町奴(まちやっこ)の間で流行した衣服などの模様」のこと(該当の項より一部抜粋)。ちなみに町奴とは、江戸時代に派手な格好で町を闊歩していた(町人出身の)侠客のことで、粋な服装や言動を好む彼らがよく着ていた衣服の柄のひとつが「鎌輪奴」柄、というイメージです。

・ヒント2 手ぬぐい

江戸時代は服の柄に使用されていた「鎌輪奴」ですが、洋服が主流となった現代日本では、どちらかといえば「有名な手ぬぐいメーカーの名前」として知られているかもしれません。

・ヒント3 ひらがなで何文字?

「鎌輪奴」をひらがなで書くと、「◯◯◯ぬ」の4文字になります。

なんとなく、答えが見えた人もいるのでは? ということで、この辺りで正解を見てみましょう。

■正解は、こちら!

「鎌輪奴」の読み方、正解は「かまわぬ」でした。

「鎌輪奴」は、鎌の絵に丸い輪と「ぬ」の字を連ねた柄で、「構わぬ」という言葉にかけてしゃれたものです。当時の江戸ではこのように、作りてが絵柄の中に隠れたメッセージを仕込んで、見た人がそれを読み解くことを楽しむ「判じ物」という遊びが流行していました。日本語の複雑さを逆手にとったこの遊び、なんとも風流ですよね。

身近な日本語がちょっと新鮮に見えてくるCanCam.jpの日本語クイズは、毎朝6時に更新中です。他の問題にも挑戦してみてくださいね。
(豊島オリカ)