セルフチェックの方法は?20代が知っておくべき「乳がん」のこと

20代にも多い婦人科・乳腺科トラブルを総チェック!

体の内側のデリケートな部分のお悩みは人に相談しづらいし、かといって病院に行くほどでもない気がして、つい後回しに…なんて人も多いのでは? そんなほっときがちな女性の体のお悩みを先生たちに聞いちゃいました♡ 今回は、女性に身近ながんである「乳がん」についてです。

★子宮頸がん、子宮内膜症…「子宮の病気」についてはコチラ

教えてくれるのは…

乳腺専門医・スポーツドクター
島田菜穂子先生
ピンクリボンブレストケアクリニック表参道院長。診療の傍ら、乳がん啓発ピンクリボン運動を推進。

産婦人科医 
岡田有香先生
グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長。プレコンセプションケアや卵子凍結に詳しく、SNSでも情報を発信。

産婦人科医 
吉形玲美先生
医学博士。浜松町ハマサイトクリニックなどで婦人科診療にあたる他、複数の施設で予防医療研究にも従事。

いま最も女性に身近ながん「乳がん」Q&A

胸にしこりを見つけても、“20代で乳がんなんてあり得ない。痛そうな検査はしなくて大丈夫でしょ!”と決め込むのは危険です。未来の胸を守るために、今のうちからセルフチェック&検診を。乳がんを予防する食事や運動も習慣にするのが◎!

Q.乳がんって、どんな病気?

A.乳頭からのびる乳腺の組織に発生する悪性腫瘍

「乳がんは、乳房に張り巡らされた乳腺の組織にできるがん。小さいうちに見つければ、治る可能性の高い病気です。ただし進行するとがん細胞が乳房以外の臓器に転移して、命に関わることも。定期的な自己チェック乳がん検診による早期発見が何よりの予防策です」(島田先生)


Q.20代なら乳がんを気にする必要ないのでは?

A.乳がんリスクが急増するのは30代後半から。でも、20代でも油断は禁物!

「実は乳がんの原因については詳しくわかっていないのですが、女性ホルモンの分泌が関与していることはわかってます。そのため乳がん患者が増えるのは、生理が始まってから長く女性ホルモンによる影響を受けてきた30代後半からですが、20代でもリスクはあります。多忙なストレス社会の影響もあってか、20年前は30人にひとりだったのが、今は8人にひとりが乳がんに。20代後半でも増加傾向です。今、乳がんは女性が最もなりやすいがんなんです」(島田先生)


Q.乳がんになりやすい人って?

A.以下に当てはまる項目がある人は要注意!

  • 出産・授乳経験がない 
  • 初経が早い
  • 肥満
  • お酒を飲みすぎることが多い
  • 運動習慣がない
  • 良性の乳腺疾患を経験

「生理の始まりが早い、出産経験がないなどは、女性ホルモンにさらされる期間が長くなる要因。20代で乳がんになる人は遺伝の影響も大きいです。例えば母親が30代後半で乳がんになった場合、娘はマイナス10歳の20代後半から発症リスクが上がります。だから検診も早く受け始めるのがおすすめ!」(島田先生)


Q.乳がんを自分でチェックする方法を教えて!

A.毎日の入浴やボディケア時に乳房を触って変化を確認

「まずは自分の乳房に関心をもつことが大切。お風呂で体を洗うときに素手を使う人は、まんべんなく揉みながら胸の状態をチェックしましょう。お風呂上がりにボディクリームを塗る習慣があるなら、ぜひ胸まで伸ばしてください。そうやって毎日触っていると、以前はなかったしこりなど、ちょっとした変化にも気づくはず」(島田先生)

月1回は丁寧にセルフチェック!

月1ペースで、生理の5〜7日目くらいに丁寧なセルフチェック=“ブレスト・アウェアネス”を行うのがおすすめ。生理前の乳房のハリが治まって、やわらかくなっている時期なので、異変に気づきやすい。状況をメモって、検診のときに持参を!

①鏡の前で乳房を見る

入浴前に鏡の前に立ち、乳房の左右の違い、皮膚の色、腫れ、くぼみ、引きつり、乳首のただれなどを確認。乳首をつまんで分泌物もチェック。

②乳房全体に大きな「の」→小さな「の」を描きながら調べる

入浴時、ソープやオイルなどをつけ、まずは指の腹でくるくるとクリームを塗り込むような感覚で乳房全体を触る。次に4本の指をそろえ、10円玉大の「の」の字をいくつも描きながら指を動かす。

③気づいたことを記録する

入浴後、その日のうちに気づいたことを記録。しこりがある場合は位置、形、大きさ、動くか動かないか。痛みやくぼみの位置。乳首から分泌物がある場合は色や質感など。以前と変化がないか見返すことも大事。


Q.乳がんのしこりと、それ以外のしこりの見分け方は?

A.自己判断は危険! しこりに気づいたら、放置せず病院へ!

「見つけたしこりが乳がんかそれ以外のものかを自分で判断しないでください。そもそも触診だけで乳がんと診断するのは難しいのです。例えばネットで、“やわらかくて動くしこりは大丈夫”と書いてあったからと安心して、病院に行かず自己完結してしまうのは危険です。セルフチェックはあくまでも以前の自分の胸との違いを見るもの。以前にはなかったしこりに触れたのであれば、放置せずに一度受診することをおすすめします」(島田先生)

実際には何をするの?
美容エディター・小嶋明恵さん(27歳)が乳がん検診を体験!

訪れたのは、「ピンクリボンブレストケアクリニック表参道」

住所:東京都渋谷区神宮前4-3-13 エムズクロス神宮前2F ☎03・3401・7700(予約) 
営業時間:月〜金10:00〜14:00/15:30〜20:00(月・金〜19:00)、土・日(月1回日曜診療あり)9:30〜13:00/14:00〜17:30 休:日・祝 
料金:乳がん検診 フルコース¥18,000、ハーフA¥11,000 他に乳がんの精密検査、治療も行う

①カウンセリング(10分)

\ドキドキ/

事前に入力した問診票を基に、看護師さんから、生理周期、ピルの服薬歴、家族のがん歴、過去の検査歴など細かく質問される。

②マンモグラフィ(5分)

z乳房を板で圧迫し、薄くのばした状態でX線撮影。目に見えないような初期症状も発見できる。「怖かったけど、全然痛くなかった!」

③超音波検査(5分)

\痛みゼロでリラックス/

超音波を乳房に当てて中を観察する。20代はこの検査のみでもOK。「超音波検査は以前にも受けたことがあるから不安なし!」

④診断結果の報告(10分)

\コレは問題なしです!/

検査画像をモニターで見せてもらいながら、説明をうかがう。「乳腺に少し水分がたまっているけど心配ない、との結果にひと安心♪」

\1時間弱ですべて終了。コレで安心できるなら来年もまた受けたい!/


Q.乳がん予防のためにはどんなことを心がけたらいい?

A.運動とバランスのいい食事、生活リズムの改善を!

「日本人女性に乳がんが増えているのは、食事が欧米化して脂肪分をとりすぎているからという説があります。ただ、脂肪も糖質もとってはダメなのではなく、バランスよく程々に。いくら体によいものでもそればかり食べるのはよくありません。毎日なるべく同じ時間に食べるなど、食事のリズムも大事です。また、30〜40分のランニングを週2回する程度の運動習慣も発がんリスクを下げるというエビデンスがあります」(島田先生)

乳がんリスクを高める要因に注意

  • アルコール
  • 喫煙
  • 受動喫煙
  • 動物性脂肪

「生活面での乳がんのリスクファクターは、まず喫煙。たばこを吸う人は吸わない人の1.9倍がんになりやすいという報告が。アルコールや動物性脂肪もとりすぎないで」(島田先生)


Q.ピンクリボンキャンペーンについて教えて!

A.毎年10月、世界の多くの企業が参加して乳がん撲滅のためのイベントを実施

毎年10月に行われる「ピンクリボンキャンペーン」は、乳がんの早期発見・早期治療・早期診断の大切さを訴える「ピンクリボン活動」の一環。コスメを買って募金したり、イベントに参加したり、身近にできることも多いのでチェックして!


次回は、生理のトラブルと、ラクに乗り切る方法をご紹介します。

CanCam2023年11月号「20代の保健室」より
撮影/森戸美帆(LOVABLE) イラスト/そばまる 構成/つつみゆかり WEB構成/深澤 彩
◆この特集で使用した商品はすべて、税込価格です。