WI 出演者のみなさん、役にぴったりでした。キャストを想定して“あて書き”されたのでしょうか?
監督 もちろん第1稿は“あて書き”ではない人がほとんどです。でも、僕はキャスティングが決まってから書き直すので、そういう意味では“あて書き”と言っていいと思います。舞香ちゃんは未成年ですから違いますが、僕はとにかく演者と飲むのが好きで、もう毎晩、大人たちとは飲んでいたんで(笑)。そういう、飲みに行ったときの普段の口癖とかを盛り込んでいくんです。
WI では、山本さんのときは?
監督 舞香ちゃんの場合は飲みに行くのは無理なので(笑)。アクション稽古で2か月くらい?(山本さん「はい」)何度も会っていたし、撮影に入る前に何度も本読みをみんなでして、徐々に「舞香ちゃんってこういう子なんだ」と感じた部分も、演出の中に入ってきていると思います。それが“らしさ”かな。
WI 山本さんのアクションの型が本当に綺麗でした。気をつけていたことは?
山本 全然考えてなかった……。(しばらく考えて)全然考えてないというわけではないんですが、監督がすごく考えてくださっていたし、やりたかったアクションを取り入れてくださって、ほとんど編集やカメラの方がカッコよく撮ってくださったおかげです。とにかく、やりたかったアクションができて大満足で、できればもうちょっとやりたかった(笑)。それくらい、カッコよかったし、楽しかったです。
WI 山本さんの顔を見ているだけで、楽しかったことが伝わりますよ(笑)。
山本 はい。いままでは「危ないから」と、レベルの高いアクションをする予定だったのが、撮影時には物足りなくなってしまうこともありましたので、今回の作品で一番やりたかった演技と、監督が“山本舞香”をいろいろな形で表してくれて、すごく気持ちが入っています。
WI 監督、山本さんの話を聞いていかがですか?
監督 みなさんにも映画を観てもらえれば、絶対に気に入ってもらえると思います。それと、やっぱり本人を喜ばせたいという気持ちがあります。最初に観るお客さんって、実は演者です。手を傷めて、雨で震えるなかで演じているのに「時間ない。時間ない」って焦らして……。「髪の毛直している時間なんか、ない! 早く終われ!」って言いながら撮っているので、それでカッコ悪いものができちゃったら「なにこれ!」ってなるなって思って。だから絶対にカッコよくしたいと思っていました。