知っておきたい「災害時のスマホやインターネット」防災術

災害時のインターネットの使い方、対策してる?

インターネットは今や生活のインフラですよね。インターネットを全く使わない日があるという人はおそらくほとんどいないんじゃないでしょうか? だからこそ、災害時にインターネットが繋がらなくなる可能性があることを考えると困りますよね。

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ここでは、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が提供する高速光回線サービス「NURO(ニューロ) 光」が、過去に震度6以上の被災経験がある方(以降、災害経験者)200名と未経験の方(以降、災害未経験者)200名の計400名を対象に実施した調査をもとに、「いざという時のインターネットの使い方」をご紹介します。

Q. 災害時にインターネットがつながらない場合、どの程度不安を感じると思いますか?

災害時にインターネットがつながらないことでどの程度不安を感じるか聞いたところ、53%が「とても不安を感じると思う」、36%が「やや不安を感じていると思う」と回答しました。合計して89%と、ほとんどの人が「不安を感じる」と考えていることがわかります。

それでは具体的にはどういった点が不安なんでしょうか?

「コミュニケーションツールが使えず、家族や知人、同僚などの安否確認ができない」(80.1%)

「情報検索できず、災害状況の確認をできない」(73.9%)

「情報検索できず、世の中の状況の確認をできない」(61.3%)

の順に回答が多く集まりました。

どれも、人や情報とのつながりが絶たれてしまうことへの不安であることがわかります。災害時こそコミュニケーションや情報収集が重要になってくるのに、普段からその重要な手段として使っているインターネットが使えなくなると苦しいですよね。

Q. 大地震の発生が高確率で予想されていることを知っていましたか?

南海トラフや首都直下地震など大地震が、直近30年で発生することが高確率で予想されています。災害への備えが重要であることが確認できる情報ですよね。知っているか聞いたところ、74%が「知っている」と回答しました。

続いて、災害時にインターネットがつながりにくい状況になる可能性があることを見越して、対策や準備ができているかどうか聞きました。大地震発生の可能性を認識しているものの、この点への対策や準備が「できている」と答えた人はわずか3%でした。「どちらかというとできていると思う」人と合計しても全体の1割程度にすぎないという結果に。危機感はあっても実際に対策はまだ…、という人がたくさんいることが伝わります。

この問いに対する回答結果を災害経験者と災害未経験者で比較すると、災害経験者は対策や準備ができている方は5%、災害未経験者は2%でした。若干ですが災害経験者の方が高い割合であることがわかりますね。

Q. 災害時における家族との連絡手段を決めていますか?

安否確認のために、災害時に家族と連絡が取れるかどうかはとても重要なことです。災害時に家族との連絡手段を決めているかを聞いたところ、23%が決めていると回答しました。災害時に家族と決めている連絡手段としては

「スマホ・携帯電話のSMS」(51%)

「災害用伝言ダイヤル(171)」(47%)

「固定電話(自宅や会社)」(44%)

に回答が集まりました。

Q. 政府や自治体が用意している災害用アプリを現在インストールしていますか?

災害時の情報収集には避難指示や気象警報、緊急地震速報の情報を得ることができる災害用アプリが有効です。アプリのインストール状況について聞いたところ「している」と回答したのは21%でした。また、インストールしている人の多くは災害時に備えて、実際にアプリを利用していました。

Q. 災害時の停電に備えて、スマホを充電する機器を用意していますか?

災害時、人や情報とつながるにはスマホが欠かせません。だからこそ、バッテリー切れで使えない…という事態は避けたいですよね。災害などによる停電に対する備えとして、スマホを充電する機器を用意しているか聞いたところ、約半数(49%)が「用意は特にない」と回答しました。続いて、「災害対策として、災害時に充電器を準備している」と回答した方が実際に用意している機器を聞いたところ、

「繰り返し充電タイプのモバイルバッテリー」(51%)

「乾電池式モバイルバッテリー」(15%)

「コンセントが使えるポータブル電源」(14%)

「スマホ充電ができるソーラー充電器」(14%)

といった機器が人気でした。充電タイプのモバイルバッテリーが圧倒的に人気。

Q. 災害時にスマホが圏外になったとしても、「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)のWi-Fiが無料開放されればスマホを利用できることをご存知ですか?

携帯キャリアが災害時に無料開放する公衆無線LANサービス「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)を使うと、スマホが圏外になったとしてもインターネットを利用することができます。「00000JAPAN」を知っているかを聞いたところ89%が「知らない」と回答しました。さらに、日頃からコンビニや駅などの公衆無線LANの提供場所を確認しているか聞いたところ、84%が「確認していない」と回答。災害時のインターネット利用の助けになる重要な情報ですが、知名度はかなり低いようです。

災害時の不要不急のインターネット利用は厳禁

災害発生時の行動や、今からできる備えについて、専門家であるITジャーナリストの井上トシユキ氏はこのように解説しています。

大地震などの大規模災害に遭遇しても、慌ててインターネットへアクセスを試みることは厳に慎みましょう。

被災が確認されると、政府や地方自治体、社会インフラ関連企業などが、被害の調査、特定に動きます。同時に、消防および救急、病院が救助救難への対応を開始、警察と自衛隊も活動をスタートします。こうした初動には通信による連絡が不可欠であり、電力供給の途絶や通信機器の損壊が確実視される被災地とその周辺での通信がスムーズにいかない場合、助けられる命を失わせ、社会インフラの復旧を遅らせる根本原因となってしまうのです。被災後、避難を始めてから少なくとも6時間程度は、不要不急の私的なインターネット利用は控えましょう。

日頃から当たり前のように使用している分、インターネットはついつい使いたくなってしまいますが、災害時にむやみに使うのはNGのよう。命を守るために必要なときに適切にインターネットを利用することが重要です。

インターネットの面でも、災害時の備えを万全に!

「意外に災害の対策できてないかも」とドキッとした人は多いんじゃないでしょうか? もしそう感じたら、ぜひこれを機に災害時の備えを始めてくださいね。(石川智香子)

▼詳しくはこちらもチェック!<令和版「ネットの防災マニュアル」>https://www.sonynetwork.co.jp/corporation/sustainability/socialactivities/report/04/

調査・情報提供元/ソニーネットワークコミュニケーションズ