ただ炭水化物を抜いても痩せない!?「糖質制限」の正しいやり方
よく耳にするようになった「糖質制限」という言葉。実践している方も多いのではないでしょうか? 実際に糖質制限をしてみてダイエット効果はありましたか? 実は、ただ炭水化物を抜くだけではダイエット効果が得られないことも。ダイエットを成功させるには正しい知識を身に付けることがポイント。今回は、糖質制限のウソホントをご紹介します!
間違ってるかも!「糖質制限」5つのウソ?ホント?
【1】糖質を制限をすれば痩せるってウソ?ホント?
→ウソ!
まずはストレートに、とにかく糖質制限をすれば痩せるのかどうか。答えはウソ!
糖質制限の解釈を間違えてしまうと、痩せるどころか太ってしまいます。糖質制限により体内のエネルギーが不足し筋肉が分解されてしまうことで、見た目はスリムだが隠れ肥満になるんだそう。見た目は太っていなくても、脂肪体重が重ければ「肥満」になってしまいます。
【2】炭水化物=太るはウソ?ホント?
→ウソ!
「炭水化物=太る」と一括りにするのは間違い! 間違った糖質制限は食物繊維の摂取量が減る原因にもなってしまいます。
例えばごはんには糖質だけでなく、食物繊維も含まれているのでごはんなどの穀類を減らして炭水化物の量を制限すると、食物繊維の摂取量が大幅に減少してしまいます。日頃から食物繊維が足りていない日本人はダイエットや健康への悪影響が起こってしまう可能性も。
穀類を減らして炭水化物の総量を減らすと食物繊維量が減るだけでなく、タンパク質・脂質過多になり体脂肪が蓄積、生活習慣病の原因にもなるんだとか。パンやピザなど小麦系の炭水化物は控え、お米は上手く摂るなど、ダイエット中でも正しく炭水化物を摂ることが大切です!
「穀物で摂れない食物繊維は野菜から摂ればいい」と考える方も多いかもしれません。しかし、実は野菜の食物繊維量は意外と少ないんです! 穀物と野菜の食物繊維の量を比較してみると…例えばレタスは、100g中わずか 1.1g、一方で押し麦は 9.5g、もち麦は 12.5gとレタスと10倍近く差があります。食物繊維=野菜に豊富という印象がありますが、穀類の方が食物繊維は多いのです。ごはんを減らす代わりに野菜を摂っても、食物繊維の推奨値には及ばないことがわかります。
【3】ご飯の量を減らすと肌がキレイになるってウソ?ホント?
ウソ!
ご飯の量を減らせば肌がキレイになるという事実はありません。それどころかお米を制限して食物繊維の摂取量が大幅に減ると悪玉菌が出す毒素が増え、腸内環境が悪化してしまいます。悪玉菌の毒素は全身に回り、肌に影響し吹き出物や肌荒れの原因になるんです。バランスよく栄養素を摂ることが大切ですね!
【4】ごはんの代わりに肉を食べると痩せるってウソ?ホント?
→ウソ!
糖質制限中だからといってごはんを控えて、お肉をたくさん食べると脂質やタンパク質の過剰摂取により、結局カロリーオーバーとなり、太ってしまいます。また、悪玉菌が増え腸内環境が悪化して、便秘や下痢など体に悪影響を及ぼすことも。
【5】冷やごはんはダイエットに良いってウソ?ホント?
→ホント!
これは本当。ご飯は冷えることで「レジスタントスターチ」という物質が生まれます。この物質は消化されずに大腸まで届き、腸内をキレイにする働きがあるもの。ダイエットの面で言うと脂肪の蓄積予防に繋がったり、便秘解消などに効果的なんです。理想的な温度感は、手で触れて熱を感じないくらいの温度以下ならOK。このレジスタントスターチは、時間をかけて冷めていく間に増えるので、冷凍より冷蔵保存がおすすめ♡
冷やごはんが苦手な場合は
電子レンジで温め直すとレジスタントスターチ量は少し減りますが、炊きたてご飯よりは多く含まれているんだとか。あとは、どうしてもそのまま食べるのに抵抗がある場合は、温かい汁物をかけてもレジスタントスターチ量はほとんど変わらないので、おにぎり・お寿司などでたべるのがおすすめ!
正しく炭水化物を摂って、キレイな身体に
炭水化物を食べると太る、代わりにお肉を食べれば痩せるなど間違った知識を持っていた方も多かったのではないでしょうか? 効率よくダイエットをするには、正しい知識を身に付けバランスよく栄養を摂ることが大切。ただ痩せるのではなく、キレイなボディラインを手に入れたいですよね♡
農学博士(千葉大学)
日本食物繊維学会常務理事。2010年、大麦の食物繊維とメタボリックシンドローム予防に関する研究で同学会賞を受賞。
食物繊維のスペシャリストとして、わかりやすい解説が好評、多くのマスコミ等で活躍