海にプール、お祭り、花火大会と、楽しいこと目白押しの夏がやってきました!
でも、同時に夏になると気になるのが、「ゲリラ豪雨」こと、突然の土砂降り。さっきまで晴れていたはずなのに、局地的にザッと降る雨が、年によっては毎日のように発生することもあります。
でもこの「ゲリラ豪雨」、不思議と暑い夏にばかり起きますよね。そもそもどうして突然の豪雨が発生するのか、気象予報士の佐藤可奈子さんにうかがいました。
気象予報士 佐藤可奈子さん
大学卒業後、通信販売会社「ジャパネットたかた」に就職し、テレビショッピングのMCとして商品紹介を担当。エアコンが売れ出す時期に夏の到来を感じたり、夜の冷え込みが厳しくなると羽毛布団が売れたりと、天気の影響力を生放送の通販で体感。2017年より気象予報士としてのキャリアをスタート。現在はNHKジャーナルやNHKきょうのニュースなどで天気予報を担当。掃除スペシャリストや整理収納アドバイザーの資格も活かし、快適な生活を提案する気象予報士として活躍。
Q.ゲリラ豪雨って、どうして起きるんですか?
A.「暑い空気は上に行く性質がある」が原因です
近年よく聞くワードになってきた「ゲリラ豪雨」が起きる条件はこちら。
・地上がとっても暑い
・上空がとっても寒い
どちらかひとつ、もしくは両方を満たしていると発生します。
よく、エアコンを使うときなどに「あたたかい空気は上に行き、冷たい空気は下に行く」ため、サーキュレーターなどを使うとちょうどいい温度になる…などと言われますよね。自然界でもこの法則は同じです。暑い空気は軽く上空にあるべきで、寒い空気は重いので地上にあるのが自然。そのため「地上が暑いor上空が寒い」が発生していると、空気は元の状態に戻ろうとして、対流が起きます。そのときに発生した上昇気流に乗って、水蒸気が積乱雲に発達すると、土砂降りの雷雨になることがあります。
地上が暑くなる「夏の昼下がり」に起きやすいのはそのためです。ちなみに気象庁は「ゲリラ豪雨」という言葉は使わず「局地的な雨」という言葉を使っています。
「豪雨」を表す言葉で、2021年から気象庁が一般向けに使い始めたのが「線状降水帯」です。「ゲリラ豪雨」は「暑すぎて雨雲ができちゃいました」という突発の豪雨で、「線状降水帯」は、「同じ場所で湿った風がぶつかり続け、数時間にわたって同じ地域で豪雨が続く」継続的な豪雨、と違いがあります。
前回の記事のおさらいになりますが、天気予報で「大気の状態が不安定」というワードが出てきたら、一度雨が降ると土砂降りになりやすい日です。できれば折りたたみ傘ではなく、しっかりとした傘を持って出ることをおすすめします。
また、急に空が暗くなったり、雷の音が聞こえてきたり、冷たい風が吹いてきたら天気急変のサイン。早めに頑丈な建物に移動しましょう。