納豆は朝夜どっちに食べた方がダイエットに効果的?レシピもご紹介!
納豆は私たちにとって身近で、昔から親しまれている食材ですよね。必ず冷蔵庫に入っているという方も多いのではないでしょうか? その納豆に、ダイエット効果や身体にいい作用が期待できたら、とても嬉しいですよね! 今回は納豆を使ったダイエット法やアレンジレシピをご紹介します。
教えてくれたのは、管理栄養士・加勢田千尋さん
管理栄養士。一般社団法人日本腸内環境食育推進協会代表理事。栄養指導・食事アドバイスを行う。著書『やせ玉 腸活ダイエット』(主婦と生活社)も話題に。先生も4か月で10㎏の減量に成功!公式HP https://j-iaa.jp/ 役立つ腸活ネタを発信している先生のインスタグラムもチェック!
納豆を食べると痩せる?ダイエットにおすすめしたい理由5つ
「どんな食材でも食べるだけで痩せることは難しいです。それは納豆も同様で、ただひたすら食べるだけでは痩せません。ダイエットを成功させるには食事制限や運動に加え、身体の代謝を上げたり、腸内環境を整えたりすることが重要です。納豆にはそれらを助けてくれる栄養素がいくつか含まれているので、その5つのポイントをご紹介します」
1.高タンパク質、低脂質
「タンパク質は筋肉を作る材料なので、多少食事量が落ちても納豆を摂ることで筋肉を保ちながら、身体の代謝を下げずにダイエットをすることができます。納豆1パックあたりの脂質は5gほど。同じ大豆製品で言うと木綿豆腐1丁が14.7gなので、大豆製品の中でも特に低脂質な食品と言っていいでしょう」
2.整腸作用
「納豆に含まれる納豆菌は腸に含まれる善玉菌を増やす作用があります。よって、腸内環境を整えてくれて、便秘を防いでくれます。また、腸内環境が整うことで身体の老廃物が流れて血流がよくなり、肌荒れの改善やむくみ解消にも繋がります」
3.ビタミンB群が豊富
「脂肪燃焼や代謝を上げるビタミンB群が豊富なことも、納豆をダイエットにおすすめしたい理由のひとつ。基礎代謝が上がると、日常生活を送っているだけで習慣的に脂肪が燃焼され、太りにくい身体に。1日に消費されるカロリーが多くなれば、必然的にダイエット効果が期待できます」
4.ポリグルタミン酸
「通常はインスリンというホルモンによって糖の吸収や血糖値が一定に保たれていますが、空腹時によく噛まずに食事をしたり、いきなり炭水化物を摂ったりすると血糖値が急上昇してしまいます。血糖値が急上昇すると、インスリンが大量に分泌されブドウ糖が脂肪に変わりやすくなる=太りやすい状態になってしまいます。納豆に含まれるポリグルタミン酸は血糖値上昇を抑制してくれますので、食事の最初に食べるものとして、取り入れるのもいいでしょう」
5.大豆イソフラボン
「ダイエット中は、ストレスが溜まり女性ホルモンのバランスが乱れやすい状態と言えます。納豆に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た作用があります。イソフラボンには赤血球や血小板の凝固を抑制する働きがあり、血液をサラサラにする作用があります。血行がよくなると末端まで血液が巡るようになり、指先・足先の冷え改善にも繋がります。また、大豆を発酵させ納豆になることで腸に吸収されやすいアグリコン型のイソフラボンに変化し、体内で活躍しやすい形になります」
納豆はいつ食べると痩せやすい?
「基本的にいつ食べても問題ないのですが、朝・夜それぞれのポイントがあります。自身で継続しやすい方を選択してください」
朝食べると体内時計がリセットされ、活動的な身体に
「体内時計は25時間で進んでいるので、意識せずに生活しているとどんどんズレてしまい時差ボケのような状態になってしまいます。身体がしっかり起きないと次第に代謝も悪くなってしまうんです。体内時計は朝ごはんを食べることでリセットされます。その中でもタンパク質と炭水化物をセットで食べたときが、体内時計がリセットされやすいという研究結果が出ています。よって、手軽に食べられる納豆+ご飯のような組み合わせはダイエット中にぴったりと言えます」
夜食べて寝ている間に脂肪燃焼
「脂肪燃焼は夜寝ている間にも行われます。ただ、食べたものの消化が終わらないと脂肪燃焼が始まらないので、夜は消化が早く終わるものを食べることがポイントです。もし揚げ物などの油類を摂ることが多い人は、おかずを納豆に変えるだけで消化のスピードや脂肪燃焼効果が変わってくるでしょう」
夜食べると血液サラサラ効果も
「これは納豆に含まれる『納豆キナーゼ』がポイントになります。寝ている間は、汗などで想像以上に体内から水分が出てしまって脱水状態になりやすいんです。納豆キナーゼは、血栓の原因に直接働きかけ血流をよくする作用があるので、血栓ができやすい夜に摂ると血液サラサラ効果が期待できます」
1日に食べる量は?
1日何パックまで食べていいの?
習慣的には1パックがおすすめ
「大豆イソフラボンの1日の摂取上限目安量は子宮内膜症予防の観点から70~75mgとされています。納豆1パックあたり大体35mgの大豆イソフラボンが含まれているので、納豆からは1パックあとは、豆腐や味噌など別の食材から摂るとバランスが取れていいでしょう。摂取上限目安量を超えた量を食材から摂っても明らかな健康被害は報告されていませんが、どの食材も摂りすぎは栄養の偏りに繋がり、腸内細菌が増えすぎてお腹がパンパンに張ってしまう人もいます。習慣的に摂るのは1パックを目安にしてください」
ダイエットに適した納豆の食べ方は?納豆ダイエットを成功に導く方法
納豆ダイエットの効果を高めるには
- 食物繊維を含む野菜などと組み合わせる
- よく噛んで食べる
- 納豆の種類はどれでもOK
- 混ぜる回数は栄養価に関係なし、お好みで
「納豆菌の餌になる食物繊維を一緒に摂ると、腸内環境が整いやすくなり代謝アップにも繋がるので、野菜などと一緒に食べるといいでしょう。納豆の種類は小粒・大粒・ひきわりなどがありますが、どれでも好きなもので問題ありません。また、いくつかおすすめの食べ方もあるのでご紹介します」
おすすめの食べ方
1.お酢+納豆
「お酢を大さじ1程度、納豆に直接かけてみてください。血糖値の急上昇を抑えたり、お酢に含まれるグルコン酸が善玉菌を増やし腸内環境を整えてくれることから、便通改善や免疫力アップ、代謝アップが期待できます」
2.えごま+塩+納豆
「納豆にえごまと塩を合わせるのもおすすめです。えごまに含まれるオメガ3脂肪酸は脂肪燃焼を促進する油です。塩と合わせると食べやすいですよ」
3.オリーブオイル+納豆
「オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、腸の働きを活性化し便秘を解消する作用があります。ワインのおつまみにも合うので、ついついおつまみをたくさん食べてしまう方はオリーブオイル+納豆に変えてみてはいかがでしょうか」
一緒に食べるとダイエット効果がよりアップする食材
1.トマト
「トマトにはリノール酸という脂肪燃焼を促進する成分が入っています。一緒に食べると納豆の血液サラサラ効果も相まって、体内に溜まった余分な水分を出す作用、むくみ解消に繋がります。また、トマトに含まれるリコピンは油と一緒に摂ると吸収率が上がります。なので、オリーブオイルを追加すると良いでしょう」
2.おくら
「おくらは納豆菌の餌となる食物繊維が豊富なので、納豆と一緒に摂ることで腸内環境を整える作用がアップします。また、おくらを生のまま入れることで、加熱の際に壊れやすいビタミンCを壊さずに摂取することができるため、免疫力アップや肌の抗酸化作用も期待できます」
3.キムチ
「キムチには植物性乳酸菌が含むため、納豆と組み合わせることで整腸作用や便秘改善効果、またカプサイシンには発汗を促し脂肪を燃焼する作用を持っています。キムチを食べる際は、化学調味料無添加もしくは、なるべく添加物が少ないものを選ぶことと、加熱しないこと、1日50g以内に抑えることを注意してください」
納豆を使ったおすすめアレンジレシピ
1.おかず納豆(1人前)81kcal
「私がおかず納豆と呼んでいるんですが、納豆に人参・こんぶ・しょうゆ・甘酒を混ぜるだけの、自称『おかず納豆』は、手軽に作れておすすめの食べ方です。具沢山で満足感もあります」
2.アボカド納豆丼(1人前)425kcal
「納豆とアボカドをご飯の上に乗せ、最後に卵黄を。これだけでタンパク質も炭水化物も食物繊維も摂れるのでバランスのいいメニューです。朝食べるのもいいですね」
3.納豆そうめん (1人前)296kcal
「そうめんの上に納豆をかける、シンプルなメニューです。温泉卵やトマト、ツナなどとも相性が良く栄養価もアップできておすすめです」
ダイエット時に納豆を食べる場合の注意点
- 塩分の摂りすぎに注意
- カロリー過多になるので1日1パックを目安に
「塩分の摂りすぎはむくみに繋がるだけでなく、腸内環境にも影響。腸内細菌の善玉菌の中には、塩分が苦手な菌が存在し、摂りすぎると善玉菌が減少してしまうことも。腸の動きが悪くなると代謝が悪くなったり便秘にも繋がったりするので注意しましょう」
納豆は毎日食べているという方も多いかもしれません。食べるタイミングやかけるものを変えるだけで、ダイエット効果が期待できるかも。上手に食べて健康的な生活を心がけましょう。