部屋を片づけるのがとっても苦手だったライター後藤です。
片づけビフォーアフターの写真を出したくても、ビフォーの写真はとても世の中にお出しできないくらいひどい。モザイクをかけてすごく小さいサイズで出します。
このくらいモザイクをかけて小さくしても散らかっていたことがわかるレベルです。この部屋に住んでいた頃、日中はほぼ外出していたので、ほとんど寝に帰っていただけ。今見ると「よくこの部屋に住んでたな」と我ながら思います。
前回の「片づけられない人にありがちなこと」にて、「片づけられない人は、そもそものおおもとの原因が『捨てることが苦手』にある」とお伝えしました。ついもったいない、まだ使えると思ってしまったり、部屋が散らかっている状態に慣れてしまっていたり、あらゆる理由をつけて「捨てられない」人たち。
そんな「捨てられなかった」私が、「捨てられるようになった」方法をご紹介します。
【1】部屋を写真に撮る
まずは現状認識から始めましょう。
散らかっている状態の部屋を見慣れていると、「モノがあるのが当たり前」になり、客観的に見るのは非常に難しい状態です。なんなら、もはや見えているのにないものとして無意識のうちにスルーしていることでしょう。
そんなときに使えるワザが「部屋を写真に撮る」こと。肉眼ではなぜか見過ごしてしまう部屋の散らかりっぷりが、写真で見ることによりなぜか急に客観的に見れるようになり、よくわかります。
一度「あれ、もしかしてこの部屋散らかってる……?」と認識ができれば、変われます。
【2】家に人を招く予定を作る
抜群に効くのがコレです。
人は期限を決めなければ動きません。期限があれば、そこまでに動きます。〆切がない「なるはや」の仕事にはなかなか手をつけないのと同じです。「家に誰か来る」という〆切ができれば、「やらなきゃ!」とお尻に火がつきます。
特にひとり暮らしの方の場合「自分ひとりだけだし、多少散らかっていてもまぁいいか」と思えますが、誰か人を招くとなるとしっかり片づける必要があります。
さらに「部屋がわりとキレイな友達」を招くと、「この部屋物多くない?」など、バシッと指摘してもらうこともできます。(経験者)
もし家に人を入れるのが苦手なら、「◯日後に引っ越しするつもりで片づける」と、つもり貯金ならぬ「つもり片づけ」もおすすめです。
引っ越しするタイミングって「これを荷造りして次の家に持っていっても使わない気がする」と、ガンガン処分できますよね。「もし今引っ越すならこれは必要か?」と考えながら短期集中で片づけを行ってみると、びっくりするほどものを手放せます。
【3】とりあえずどこでもいいから着手する(おすすめは服関連)
片づけ本を読んでいると、よく「物の収納場所を決め、そこに戻すようにすれば散らからない」といったことが書いてあります。
そう、きっと「片づけられない派」のみなさんも頭ではわかっているはずです。
しかし、部屋が散らかっている人にありがちなのは「これを片づけたい→ジャンル的にはここに収納するべきとはわかっている→でもその収納先があふれている→そこのモノを片づけようとしたその先もあふれている」の繰り返しで、いったいどこから手をつけたらいいかわからず途方に暮れ、「また今度やろう」…と後回しにすることではないでしょうか。過去の私あるあるです。
途方に暮れてもいいです。でも数分途方に暮れた後は、試しに、どこでもいいので一か所手をつけましょう。クローゼット、食器棚、カラーボックスなどちょっとした収納棚などどこから始めてもOKですが、できれば下記の条件がそろっていると「片づけやった感」が出るのでおすすめです。
・見る機会が多い
・捨てるものが大きめ
・そこそこ捨てるものがありそう
こんな場所がベスト。この「やった感」は非常に重要です。
視界に入り、捨てるものが多い場所を着手し、そこだけでもキレイにできれば「すっきり片づいていると気持ちいいな」という心地よさと「私でもやればできるじゃん!」という経験を得ることができて、その後の勢いもつきます。最もおすすめなのはクローゼット。片づけ苦手さんのクローゼットにはほぼ間違いなく「もはや存在を忘れている服」「数年着ていないのになんとなく捨てられない服」があると断言してもいいほどです。
逆に、「普段は視界に入らない場所」から着手したり、「小さいものをちまちま捨てる」から始めると、あまり「やった感」は出ません。何時間か頑張ったのに、頑張りに対して部屋がまったく変わらず「私の数時間はなんだったんだ」と思ったこと、ありませんか?
ひとまず「やった感」がある場所を、一度片づけてみましょう。
【4】服を捨てられない人は一度着る
というわけで、「服を捨てるコツ」です。かさばる上に、毎シーズンどんどん増えていき、なおかつ捨てられない人は本当に捨てられない「服」。
「ここ3年着てないけど高かったし…」「最近の流行じゃないけどまた着るかもしれないし」と思っているあなた。そんな「普段全然着てないのに捨てられない」服を一度全部引っ張り出して着てください。できればこの前に「最近の自分がいちばん気に入っている服」を着て、そこから着替えるとなおいいです。
見ているだけでは迷った服が、着るとどうするべきかよくわかります。
着てみるとたいてい「あれ? 数年前の私にはぴったりだったのに、今の私には合わない」「今の体型だと変」「丈が一昔前で今後も着ない気がする」など、「着てこなかった理由」が一発でわかります。最近の自分がいちばん気に入っている服から着替えるのがおすすめなのは、落差がよりわかりやすくなるからです。
どうしても思い入れがあって決断できない服は一度置いておくとして、これまで「今後着るかもしれない」と思っていた服を「きっと今後も着ない」と思えることでしょう。
【5】フリマアプリで売ろうとしない
片づけ上級者の方はもちろん問題なし。「写真をキレイに撮って、説明文をつけて出品して…」をあまり負担なくラクにできる人も問題ありません。
ただし、「処分すべきものが大量にある捨て下手の方」かつ「フリマアプリ初心者」は、「これ売ったら儲かるかも…」と思っていると、本当に永遠に片付きません。おそらく、これほどフリマアプリが普及した現時点で「フリマアプリで売る」という選択をしていない時点で、向いていない可能性大です。手間をかけずハードオフなどリサイクルショップに持っていってまとめて査定してもらうか、処分しましょう。
【6】「寄付」という選択肢を知る
とはいっても、私には捨て下手の方の思考回路が手に取るようにわかります。きっと「捨てるのは、もったいない」んですよね。だからずっと手放せない。そんなあなたにおすすめなのが「寄付」です。
今のあなたにはもう不要になってしまったものでも、世界のどこかでは必要にしている人がいる。
古着でいえば「古着deワクチン」などが有名。その他さまざまなNPO団体が寄付を受け付けています。手放したいもののジャンルによって寄付先が違うのですが、個人的にはオールジャンルの寄付を受け付けてくれるNPO法人「ワールドギフト」に、ドラッグストアなどで大きな段ボールをもらってきて、いろいろ詰め込んで送ることが多いです。
私は「まだ使えるものなのに、捨てる」がとても苦手でした。でも「まだ使えるものだから、寄付する」という手段を知ってから、驚くほどいらないものが手放せるようになりました。
【7】インテリア本を1冊読む
完成図が見えていないと、そこを目指すことはなかなかできません。
「きれいな部屋」の状態を忘れている人は、一度「きれいな部屋」がどんなものかを頭に入れましょう。
インテリア本やインテリア雑誌は世にたくさんあります。できれば生活感がちょっとはあるくらいのものを見本にすると「ここはマネできそうだな」「こんなキレイな部屋でコーヒー飲めたら落ち着けそうだな」など、「こんな部屋になりたい」という気持ちが頭に浮かんできます。
個人的には「本や雑誌を1冊」のほうが、今の自分の趣味以外にもいろいろなパターンを知ることができておすすめ。もちろん、インスタなどで「#6畳」など、自分の部屋と同じ大きさのタグを見ながら「こういう部屋かわいいな」など参考にするのもアリ。
【8】捨て方がわからないものはその場で調べる
微妙に捨て方がわからないものってありますよね。たとえば私は「体重計」を新しく買い、先代のものを捨てようと思ってはいたのですが、「粗大ごみっぽいな~まあ後で調べよう」と思って数か月放置していたことがありました。
そういった「いったいどの分類で捨てたらいいかわからない」ものが出てきたら、その場でスマホで「●●(捨てたいもの) 捨て方 XX市(お住まいの地域)」などで検索をかけましょう。すぐに出てきます。所要時間1分もかかりません。「片づけの途中で中断するほうがイヤだ、絶対一気に捨てたい」という気持ちが非常に強い方には無理強いはしませんが、おそらく「捨てられない」人たちは、「後回しした結果さらに面倒になる」ことが多いと思われます。「その場で調べる」を一度試してみてください。
ちなみに私が住んでいる地域では、体重計は粗大ごみではないまた別の区分だったり、「これ、燃えるんだ!?」という意外なものが普通に燃えるゴミでいいと判明したり。その場で調べたら、片づけがサクサク進みました。
一度始めてみると、「これ、まだ持ってたっけ……?」とすっかり存在を忘れていたものなどが部屋の意外な場所からどんどん出てきます。重要なのは「散らかっているという現状をきちんと認識し、一度頭で考えすぎず、やってみること」。
一度勢いをつければある程度までは進むはずです。グッドラック!