知らなかった…!20代から「頭皮ケア」を始めた方がいい理由

若いうちに始めれば10年後に差がつく?基本の頭皮ケア


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白髪や薄毛。これって「自分にはまだまだ先のこと」なんて思っていませんか? 実は、白髪や薄毛など髪の毛のエイジングサインが出る年齢は、30代までにいかにケアをしていたかでガラリと変わります。今回は、頭皮ケアにまつわるお話を毛髪診断士の伊熊奈美さんにお伺いしました。

お話を伺ったのは…伊熊奈美さん

伊熊奈美(いくま・なみ)1972年生まれ。美容エディター、ジャーナリスト。(公社)日本毛髪科学協会 毛髪診断士 認定指導講師、(社)国際毛髪皮膚科学研究所 毛髪技能士。20年以上に渡り、女性誌を中心に美容分野の記事を編集、執筆、監修。講演やテレビ出演等でも現代の毛髪科学に基づいた知見を基に、生活に取り入れやすいヘアケアメソッドを幅広く伝えている。また、最新の化粧品や家電等に触れてきた経験から、美容関連企業のコンサルティングにも携わる。著書に『頭皮がしみる、かゆいは危険信号! いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)、『脱白髪染めのはじめかた〜でもいきなりグレイヘアは無理』(グラフィック社)がある。インスタグラム@namiikuma_hairista

伊熊奈美著
『頭皮がしみる、かゆいは危険信号! いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)
定価:¥1,540(税込)/小学館刊

肌の曲がり角ならぬ、頭皮の曲がり角とは?

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頭皮は顔と違って日常的に見える部分ではないからこそ、日頃のケアが大事だと伊熊さんはいいます。「実は頭皮って皮脂が多く、保湿能も高い部分ではありますが、肌のスキンケアと同じように、保湿、洗浄、UVケア、この3本柱を頭皮でもやるのがベスト。正直“髪の毛で守られているし、そこまでケアしなくてもいいのでは?”と思いがちなのですが、髪の毛で守られているからこそトラブルが出ても気づきにくいのが実際のところ。顔だったら毎日鏡をみて、ニキビができたり、乾燥していたり、そういったトラブルも一目瞭然ですよね。ただ、頭皮は見えないだけにトラブルに気づくのも遅くなってしまいます。昔から“25歳はお肌の曲がり角”と言われていますが、頭皮の曲がり角は30歳あたりから。30歳あたりになると白髪がちらほら生え始めたり、髪の毛のボリュームが減ってきたり……そんなお悩みに直面するはず。CanCam世代はまさに頭皮の曲がり角を迎える世代だと思うので、その前からなにかしらのケアを始めるベストタイミングです」

髪のプロ・伊熊さんが考える「頭皮ケア」

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「髪の正しい洗い方は20代のうちに習得すべき!」

美の賢者ほど力を入れている「頭皮ケア」。ただ、頭皮ケアと言っても何をしたらいいのか…難しく考えがちですが、私たち20代がまず始めるべきは髪の土台を整えること。若い世代こそ“髪の洗い方”を見直すべきだそう。

「20代の方は今やっていることにプラスαのケアをするよりは、“正しい髪の洗い方”を身につけることが実は最優先。摩擦レスなスキンケア法が主流になりつつありますが、髪を洗う時はゴシゴシ摩擦させながら洗っていませんか? ゴシゴシした方が汚れがよく落ちそうだし、習慣でゴシゴシ洗ってしまう気持ちも分かりますが、美髪を育む『頭皮ケア』の観点で言うと力技で汚れを落とすのは絶対にNG。頭皮も肌であるという意識を忘れてはいけません。シャンプーの泡の力を借りたり、すすぎをいつも以上にしっかり行うなど、ひとつひとつの動作を丁寧にやっていくことが、まさに私が考える頭皮ケアです。20代の方は特に“いつものルーティンを磨く”ということをやっておくと、年を重ねた時にケアがとっても楽になりますよ」(伊熊さん)

髪の洗い方を詳しく解説!

実は頭皮によくない習慣とは?


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やりがちだけど、実はNGな頭皮の悪習慣。やっていないかチェックして!

見直したい習慣①スマホの使いすぎ

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日常生活には欠かせないものとなったスマートフォン。しかし、スマホを使い始めてから首や肩が凝りやすくなった、という方も多いのでは? 実は頭皮にとって、長時間のスマホ使用は最大の敵! 長時間スマホを見ていると、目の疲れが後頭部に溜まり肩や首コリの原因になります。血行不良を起こすことで毛穴が詰まり、キレイな髪が生えてきません。

でもスマホを使わないでいることは、今の時代なかなか難しいですよね。なので、まずはスマホを見る姿勢から正しましょう。スマホを見るときは下を向くのではなく、腕をあげて目線に合わせます。また、夜寝る前1時間は見ないようにするなど、可能な範囲での“スマホ断ち”を始めてみて。寝つきが良くなったり、思わぬ良いことも感じられるはず!

見直したい習慣②毎日洗髪する

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「毎日髪を洗うのが普通」と考えている方もいると思いますが、実は洗いすぎている可能性が。頭皮はそもそも皮脂量が多いので、10〜20代で皮脂分泌が過多な方や新陳代謝がいい方など、毎日洗ったほうがいい場合ももちろんあります。ただ、アトピー肌や乾燥肌、敏感肌の方にとっては、毎日の洗髪が頭皮の負担になる場合があります。また、季節によって肌質がゆらぐ方は毎日洗わない方がむしろよいのです。どうしても洗いたくなったら、湯シャンにしてみるのひとつの手。

湯シャンの意外な効果

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現代はクリーンな社会になってしまったので、毎日お風呂に入る習慣が当たり前だったり、なんでもかんでもキレイにしたくなると思うのですが、皮脂って実はすごく大事な存在。皮脂は皮膚のバリア機能を守るために出ているので、取りすぎると乾燥につながるし、自分のバリア機能を弱めてしまう結果になってしまうんです。頭皮にトラブルが出たら、2、3日シャンプーを控えて湯シャンに切り替える。湯シャンは要所要所に取り入れることで効果を発揮してくれるんです!


頭皮の状態をセルフチェックする方法


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頭頂付近の髪をめくって、頭皮の状態をセルフチェック! 

青白い・透明感がある

健康な頭皮は青白く透明感があります。過度に脂っぽくなく、ふっくらとしていればOK!

黄色くなっている

黄色くなっている場合は、免疫が落ちているサイン。毎日のシャンプーをやめるか、意識的に休息を取り入れてみて。

赤くカサカサしている

赤くなっている方は注意。トラブルが起きているサイン。カサカサとフケが落ちてくる場合は、2〜3日湯シャンに切り替えて。

取材・文/齋藤奈々