変幻自在の演技力に大注目!俳優・坂東龍汰さんに独占インタビュー【未公開カットアリ】

フラットに作品に向き合い、進んでいきたい

── 理想の俳優像ってありますか?

常にフラットな人、ですかね。誰に対しても同じ熱量、同じ視線、同じ土俵で話し合える。で、作品のことを第一に考えて現場で物作りができる役者です」

── 影響を受けた人はいますか?

ドラマ『未来への10カウント』でご一緒した満島ひかりさんです。相手の立場で声の“音”の出し感を変えず、生徒役とも気軽にコミュニケーションをとってくださったんです。すごくいい雰囲気を作ってくださるんですよ。超一流だからこそ、そこまで配慮しているのかなって改めて思い、僕もこういう人になりたいと、強く感じました」

── 同じ“音”で会話するという表現の仕方がユニークですね。

僕も自分を作れないタイプで。だからこそ『この人、本心で話していないな』とか、声の“音”でピッてわかっちゃうんです。接し方を変えないというのは、一緒に同じ方向を向いて、いい作品を作ろうとしている人たちには、大切なことなのではないかと、改めて思いましたね。それこそ、共演した村上虹郎くんや佐久本 宝くんには、心地よい音を感じて、助けられました」

── おふたりとは同年代ですが、プライベートで交流したりしたのでしょうか?

「そうですね、村上虹郎くんは上京直後の19歳ぐらいから親しくさせていただいてたので、やっと一緒にお芝居ができてうれしかったです!ドラマの舞台がボクシング部だったので、一緒に汗かきながら練習をして、その後サウナへ行って、また汗をかいてということをやっていました。帰宅中はふたりで練習中の動画を観ながら『これ入ってるね』、『いや〜悔しいわ〜』とか言い合いながら、ストイックにボクシングの話をしています(笑)。」

── ボクシングにハマっているんですね。

「はい!ボクシングを教えてくださっている役者の松浦慎一郎さんとの出会いがすごく大きくて。映画『あゝ、荒野』や『百円の恋』などボクシング映画に多く出演している方なのですが、いい刺激を受けたんです。人を引き寄せる力の持ち主で、週1では絶対会いたいような人!すごい癒し系というか…大自然に生えている木のような(笑)。プロボクサーを演じて、松浦さんとご一緒できたらなっていう夢もできました」

── ボクサーの役を今度は映画で、でしょうか?

「はい。試合で本当に殴り合うシーンを、3分1ラウンド長回し1カットで一緒に撮りたいねって話で盛り上がりました。なので、ボクシングは辞めずに継続していけたらと、すごく思っていますね。毎回ボコボコにされていますが(笑)」

── 奇抜な役やストイックな役を演じることもあれば、青春映画などまったく違うのジャンルの作品に出演することもあると思うのですが、何かご自身の中で切り替えることはあるのでしょうか?

「難しいですね。でも、自分の中で線引きはないかもしれないです。どの作品に対してもフラットに、同じマインドで向き合ってるので、その結果『実力派』とも『イケメン俳優』とも言っていただけることがあります。僕に対する評価は、キャッチしてくださったみなさんに判断していただければいいと思います。『自分はこう見られたい』と思いながら俳優業に向き合っているわけではないんです。それこそ出演した映画『ハニーレモンソーダ』と『閉鎖病棟―それぞれの朝―』は、まったく違うジャンルですが、僕はどちらも演じていて楽しかったんです!役者である自分の“アイデンティティ”の部分はまったく変わらないからです。できるもんなら、40歳まで『ハニーレモンソーダ』のような青春映画に出演してキラキラしたいですよ(笑)。もちろん重厚なノアール映画などにもトライしていきたいから…もう全部やりたいってことです。テレビのバラエティ番組に出演するのも好きなので、全部楽しんでできるのは、ある意味才能なのかもしれないですね(笑)」

── では、普段からいろいろなジャンルの作品を観ているのでしょうか?

「なんでも観ます。アートフィルムやフランス映画、ドイツ映画も観ますし、最近だとマーベル作品をイッキ観しましたし…10本ほど観ている月はありましたね