受け身な人と上手く付き合っていくための心理テクニック

受け身な人と上手く付き合っていくための心理テクニック

(c)shutterstock.com

対人コミュニケーションは、相手と自分の積極性がきっかけになります。でも、いくら自分が話しかけても、相手が消極的だとなかなか会話が進みません。そんなときはどのようにアプローチをすればいいのでしょう!? そこで今回は、「受け身な人と上手く付き合っていくための心理テクニック」をご紹介いたします。

■何でも自分がリードしない

相手が受け身だから、自分が何でもリードしてあげる! このようなアクションをするのは避けた方がいいでしょう。心理学においては“サンクコスト効果”というものがあり、人は労力や時間を相手に費やすと、その対象にのめり込んでしまうのです。例えば、ギャンブルなんかがこれに当たります。そのため、受け身な相手にも多少頑張ってもらうようにしましょう。相手も時間や労力がかかることで、かけたコストの元を取ろうという心理が働き、あなたと真剣に向き合う気持ちになってくれるはずです。よい関係にはギブ&テイクが必要なのです。

■ソフトに断る方法を身につける

受け身な相手からの提案は、なかなか断りづらいもの。せっかく頑張って提案してくれたから、断るのも悪いと思うのが人情ですよね。でも、ムリして受け入れていると、あなた自身にストレスが溜まってしまいます。そこで適切な断り方で対処できるようにしましょう。そこで必要なのは、謝罪に加え、代案を提示することと理由を述べること。このようにソフトな姿勢をとりつつ、ハッキリと自分の主張を伝えることを、心理学では“主張的反応”と言います。これができるようになれば、相手から好感を持たれる上に、あなたに負荷もかかりにくくなるはず。

■上手くほめて積極的になるよう仕向ける

受け身な相手と付き合っていくには、ほめ上手になるのが第一。そうすることで相手のモチベーションが上がり、前向きな気持ちになるからです。ただし、ほめ方にはポイントがあります。心理学者キャロル・デュエックの実験によると、才能や結果よりも努力をほめられた人の方が、より困難な問題に挑戦しようとする傾向がみられました。逆に、結果や才能をほめられると、失敗すると失望されるのではないかと恐怖を感じ、積極性が無くなってしまうのです。そのため、受け身な相手には“努力をほめる”ようにしましょう。

■こちら側のペースに乗せるために選択肢を提示する

相手の判断をコントロールし、行動を促すための心理テクニックとして、“誤前提提示”というものがあります。人は与えられた選択肢の中だけで物事を選択しがちです。その心の動きを利用して、誤った前提を与えて相手を誘導する手法になります。これを受け身な相手に応用して、相手にAという選択肢をして欲しくない場合、BもしくはCでどう? と違った選択肢を提示して、相手にAを選ばせないようにするのです。例えば、「ランチに行く?」と誘うのではなく、「中華に行く? それともイタリアンに行く?」と誘うと、受け身な相手もアクションを起こしやすくなるのです。

おわりに

受け身だったり消極的な人にも、当然感情や心はあります。こちら側が積極的にアクションを起こしても、なかなか動いてくれないと少しイラっとするかもしれません。でも、その心のうちはどのようなものなのでしょう。もしかしたら、変なことを言って嫌われたくないという思いや、ちゃんと受け答えをしようと考えているのかも。そんな相手の気持ちを上手く導いて上げられれば、きっといいコミュニケーションを築けるはずです。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。