森 星、「父に内緒で読モ経験をしたことも…」|CanCam歴代モデルを直撃Vol.14

「現場がエキサイトする、ムードづくりも私の役目」Vol.14 森 星

CanCam創刊40周年を記念して、歴代のOGモデルをクローズアップするスペシャル連載。専属モデル時代から今日までの軌跡を振り返りつつ、今だから話せる撮影裏話やプライベートなお話など、自分らしく輝き続ける彼女たちのリアルなメッセージをお届けします。

第4弾は、CanCam専属モデル時代、抜群のスタイルとハッピーなビッグスマイルで人気を博し、現在はモデル・タレント・クリエイティブディレクターなど活躍の場を広げている森 星さんが登場! 全4回にわたって、森さんの軌跡を辿ります♡

森さんは、慶應義塾大学在学中にCanCamモデルとして誌面デビュー。初登場で初表紙を飾り、「このかわいすぎるモデルは誰!?」と大きな話題を呼びました。2012年から約2年間を専属モデルとして過ごし、人並外れたスタイルと愛され力で読者からもスタッフからも大人気に。かわいい表情もキリッとハンサムな美しさも持ち合わせた森さんは、当時ブームの兆しがあった“ハンサムファッション”を担当しCanCamに新たな風を吹き込んでくれました。

専属モデル卒業後は、国内外の雑誌、広告、ファッションショーで活躍するほか、『tefutefu』というプロジェクトを通して日本文化の魅力を国内外に発信するなど、その活動は多岐に。彼女のライフスタイルや魅力が存分に垣間見える、InstagramやYouTubeも大人気! ファッショナブルでヘルシーなライフスタイルと飾らない人柄が、多くの支持と関心を集めています♡

 第一回目のインタビューでは、多忙を極めた専属モデル時代の胸の内を話してくれた森さん。第二回となる今回は、さらに深掘りした当時の思い出や今だから話せるホンネを語ります。

ドレス¥281,600、靴¥116,600(トッズ・ジャパン<トッズ>)

実は、親に内緒で…中学時代に読モ歴あり!

大学在学中の19才で専属モデルデビューを果たした森さん。早朝撮影を終えて急いで大学の講義に向かったり、撮影の休憩中に試験勉強をしたり、モデル業と学業の両立は多忙を極めていた様子。

――学生との両立。楽しさもあれば厳しさもあったのでは?

「私のモデルスタートは10代とはいえ、そこまで早くなかったんです。祖母がデザイナーをやっていたので、仕事で多くのモデルさんを見てきた父に『そんなに甘い世界じゃないよ』と反対されていて…。でも本当はずっと興味があったから、隠れてモデルをやったことがありました(笑)。中学生の頃に読者モデルとして声をかけてもらって、”読モ”だったらバレないかも!?と思って始めてみたら、案の定すぐにバレちゃいましたけど(笑)。

その頃、私はビューラーやリップクリームくらいしか持っていなかったのに、撮影現場に行くと他校の読モさんたちはたくさんメーキャップアイテムを持っていて、『え、そのコスメは何!?』『カラーシャツを着てるの羨ましい〜!』など刺激的で。そこからメイクやファッションへの興味がぐっと増して、自分の中ではずっとメラメラしていました(笑)。

それからもずっと憧れがあったし、父に口酸っぱく『大変だぞ』と言われてきたので、CanCamモデルとして念願のデビューが叶ったときは、さほど大変さを感じた印象はないんです。むしろその先の道が定まっていなかったから、モデル業と学業の両軸があることがちょうどよかったというか。大学では同世代の友人たちとの関係を築いて、仕事場では年上の方や色々な職業の方と関わることができて、今思えば、とても貴重な時期だったなと思います」

セルフメイクに私服! 自己プロデュースで乗り切った台湾ロケ

当時のスタッフから集められた愛のこもったメッセージを見て、「うれしい…泣いちゃいそう」と柔らかな表情を浮かべる森さん。

多忙な撮影週でも、ひとつひとつの現場を心から楽しみ丁寧に表現する森さんは、毎号発売を楽しみにしてくれていたCanCam読者のみならず、当時のスタッフにとってもオアシスでありパワースポット。朝4:00からの朝日ロケや、セルフメイク&私服で作り上げた台湾取材(!)など、どんなに過酷な状況でも終始笑顔を出し惜しみせず、真摯に取り組む森さんに絶大な信頼が寄せられていた。

ーーとく印象的だった撮影は?

「いろいろと思い出しますが…パッと思いつくのは台湾ロケ!! すべて私服でメイクもセルフ、カメラマンと編集者さんと3人だけで行ったんです。荷物もとっても多くて、シーンによって服を選んだりメイクを合わせたり…とても大変でしたけどすごくいい経験になりました! モデルのお仕事って、基本的に用意してくださった服を着て、それを美しくベストな状態で見せることが仕事ですが、台湾の取材では違う次元からスタイリングやメイクの見せ方を考えたので、セルフプロデュースの楽しさも味わえて。テーマやTPOに合わせて自分で作り上げる面白さを知ったことは、今発信しているInstagramやYouTubeにおいてヒントやトレーニングになったと思います。編集部のスタッフが私服のスタイリングを見て、私のファッションに着目してくれたり、それを誌面の企画に生かそうと思ってくれたこともうれしかったです」

シャイを隠すためのユーモア、私の癖なんです

ーー撮影時に大切にしていることを教えてください。

「現場のムードづくりはとても大事。私は、撮影の現場にいる人たちが『Wow!』ってエキサイトしてくれた時にいちばんハッピーを感じます! スタッフの方々は撮影をじ~っと見てくれているから、『どんな写真が欲しいかな〜』って考えながらポージングをして、期待に応えられる表現を追い求める。撮影した写真を見たスタッフがサプライズを感じてくれるとすごくうれしいんです。

でも私、実は結構シャイで…。シャイな部分を隠すために、『みんなをハッピーにさせたーい!』とか言って現場を盛り上げて、ちょっとユーモアを入れるのが癖なんです。みんなが撮影の雰囲気を楽しんでくれると私の緊張もほぐれるし、あたたかい現場になる気がして。モデルもカメラマンもほかのスタッフも生身の人間。昨日がどういう日だったか、今日の気持ちはどんな状態か、その日によって同じチームで撮影しても出来上がるものが全然違うと思うんです。だからなるべくエナジェティックなムードを作ることは意識しているし、それが自分の心地よさにもつながっています」

CanCam専属モデルに加入してすぐ、スタッフや先輩モデルに自ら明るく声を掛けコミュニケーションを図っていた森さん。いつでも率先して現場を盛り上げてくれる森さんの言動には、周囲への気遣いと愛が詰まっていて、そのパワーは誌面の中にも溢れていた。

当時の自分に伝えたい!「おにぎりは1個まで」

心の美しさだけでなく、群を抜いたスタイルも森さんのトレードマーク。やっぱり聞きたいのは、専属モデル時代に実践していた体型キープ術について。

「これがとくに無いんです。当時は本当に甘えていたなって反省してます(笑)。ジャンクフードも食べていたし撮影現場に用意されているおにぎりもバクバクと食べていて。おにぎりって美味しいじゃないですか…?(笑) 振り返ると緊張感が足りなさすぎると思いますが、やっぱり怠惰なライフスタイルって自分に返ってくるんですよね。水着の撮影とかフィッティングの時に、ほかのモデルさんの体型を見て自信が持てず恥ずかしくなって。自分の代わりはいくらでもいるし、ライフスタイルやバックグラウンドも誌面に表れてしまう、と気が引き締まって少しずつ意識が変わりました」

ーー当時の自分に声をかけるとしたら?

「撮影現場のおにぎりは美味しいけど、一個までね♡」って伝えたいです(笑)!

新たなステージへ向かうため、2年間の専属モデルに終止符を打ち、2013年に笑顔で卒業を迎えた森さん。そんな彼女が卒業後に感じたことや新たに挑戦したこととは…?

次回は、さらなる大躍進を遂げた“CanCamモデル卒業後”についてインタビュー。自身の夢やモチベーションのキープ法などを深掘りします♡お楽しみに!

森 星Profile/東京都出身、1992年4月22日生まれ。2012年CanCamの専属モデルとしてデビュー。卒業後は国内外の雑誌や広告、ファッションショーで活躍するほか、自身プロデュースのプロジェクト『tefutefu』を通して日本文化の魅力を世界に発信。プライベートや現在の活動が垣間見えるInstagramyoutubeも大人気。愛らしいキャラクターと抜群のスタイル、唯一無二の世界観は日本のみならず世界からも注目を浴びている。
撮影/久野美怜(SIGNO) スタイリスト/入江陽子(SIGNO) ヘア&メイク/佐川理佳 取材・文/大下杏子