【購買心理】余計な買い物をしないための心構え4選
年末年始はバーゲンセールが多く、ついつい余計なものも買ってしまいがち。もちろん中にはお買い得な買い物もありますが、「安物買いの銭失い」のような結果になってしまうケースも少なくありません。どうすれば、ムダ遣いを防げるのでしょう!? そこで今回は、購買心理の観点から「余計な買い物をしないための心構え4選」をご紹介いたします。
■損よりも“得”について意識する
私たちは同じ量の得と損を比較したときに、“損”の方を約2倍も重大に感じてしまう傾向があるとされます。例えば、2分の1の確率で勝敗が決まり、負けると千円をとられてしまうギャンブルがあるとします。あなたなら、勝ったときにいくらもらえるなら、そのギャンブルに参加しようと思いますか? おそらく2千円以上はもらえないと参加したくないはずです。この心理を“プロスペクト理論”と言います。もしも何かを購入する際には、損を考えて買いそびれないように“得”を意識した方がいい買い物ができる場合もあると言えます。
■ブランド物にこだわりすぎない
何かを買おうとするとき、あるブランドを気に入って使っていると、同じブランドを買い続けてしまうことってありますよね。途中から好みが変わって、自分には不要だと感じてもそのブランドに固執するのには心理的な理由があります。それは“確実性効果”というもの。これは収集したいという人の基本的な欲求によって、無意味なものまで購入してしまうという効果です。私たちはコンプリートすることに対して過剰に反応するあまり、費用対効果を無視して継続して購入する傾向にあるのです。買う時はブランドに左右されず、じっくり吟味するようにしましょう。
■買いたいものは絞り込むほうが吉
私たちは買い物をする際に、多数のものから1つを選ぶ選択という行為をしがちです。コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授によると、多数の選択肢を持つことは、一見自由さの象徴のように思えるが、実際には多すぎる選択肢が生む迷いや戸惑いが、決断を遠ざけてしまうとのこと。これを“決断回避性”と言います。購入する上で慎重に熟慮するのはいいことですが、選択肢が多いがゆえに本当に必要なものまで買いそびれないように心がけましょう。
■買い物をする際には比較検討が大切
私たちは通常、まず直感で正しそうな答えを発見すると、それに飛びついて固執し、別の答えの可能性を頭から排除してしまいがちです。つまり、ある規則にのっとっているものを示されると、人は次もきっと同じような法則性で動き続けるだろうと言う心理がはたらいてしまうのです。これを“確証バイアス”と言います。確かに予測は大切なことですが、そこには消費者を躍らせるための様々なワナも仕掛けられているもの。だからこそ、何かを買う時は他のお店と比べる必要があります。そのお店で購入することが、最もお買い得なのかを検討する習慣をつけましょう。
おわりに
人が買い物をする理由・引き金となる心理の中には、“承認欲求”が隠されています。これを身につけていることで自分の価値が上がる、所有しているだけで周囲から認められるという気持ちが裏に隠されています。しかし実際にはそれは自信の思い込みであることが多く、それほど他者は自分に関心を持ってはいないというのが実状。他人からどう思われるかで買い物をせずに、自分が本当に欲しいものを購入するようにすれば、自ずとムダな支出はなくなるはずです。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。