もう「#映え」だけじゃない。この数年で「目指すお部屋」がこんなに変わった

「#オシャレ」はもういらない!心地よい暮らしに欠かせない3つのこと


SNSでよく見るおしゃれな暮らし。憧れて真似してみたけれど、なんだか自分には合っていない…なんてこと、一度はありますよね。コロナ禍での二度目の夏を迎え、おしゃれを求める生活から、自分のための心地よい暮らしに変えてみませんか?

今回、RoomClip住文化研究所は、RoomClipに投稿された膨大な写真やコメント、タグといったデータなどから、暮らしの変化について調査を実施。「ニューノーマル」な生活・暮らしとは一体どんなものなのでしょうか?

 

「#オシャレ」は必要ない?

SNS、とりわけInstagramでは投稿の価値を左右する「映え」。SNSの台頭によって誰でも簡単に、住まいや暮らしを発信することができるようになりました。その結果誕生した「映え」は急速に広がり、2017年には流行語大賞にも選出。

でも、SNSの常識とも思われる「映え」は、最近その在り方が変化しているのです。

たとえばこちらは非常にわかりやすい例。この写真は、同じユーザーによる2015年(左)と2021年(右)のキッチンの投稿です。2015年は飾るためのインテリアが多く見受けられますが、それと比べると2021年は全体的にモノの量が減り、すっきり。

 

投稿者の居住空間が主体であるRoomClipでは、「○○インテリア」「○○スタイル」などのタグで「映え」が広がりました。お店のような「カフェ風インテリア」、無骨で粗野な「男前インテリア」、海外ビーチのような開放感ある「西海岸インテリア」などが人気を集めました。それぞれのスタイルには欠かせないカラーや、キーとなる素材・アイテムなどの要素があり、DIYで実現できたり、スタイルを作るコツを知ることができたりすると、共有が加速し大きなトレンドになりました。「○○インテリア」「○○スタイル」等のタグの利用率は、2012年から5年間で31.4倍に増加、「オシャレ」タグも2014年から5年で12.5倍に増加しました。

しかし、「○○インテリア」「○○スタイル」タグは2017年から利用率が横ばいに、「オシャレ」タグは2019年から現在に至るまでに40.7%も減少と、「映え」の勢いは鈍化しています。見た目重視の「映え」から、何か違うものにフォーカスがシフトしていると言えそうですよね。

 

心地よい空気と暮らし

「映え」の次のテーマとして「心地よい暮らし」、とりわけ「感覚」が重視されています。「心地よさ」をつくる上で欠かせないのが「空気」です。

2016年から5年間で「サーキュレータ―」のタグ利用率は7.9倍、「空気清浄機」と「加湿器」はそれぞれ3.6倍と3倍、「エアコン」は2.7倍と全て上昇傾向にあります。検索率に目を向けると、「断熱」というワードは2016年に比べて5.5倍も増加していました。おうち時間が増えたことも影響し、室内環境の快適性を求める意識は高まっているようです。

 

心地よい香りと暮らし

次に、「空気」に深い関係のある「匂い」にも注目が集まっています。

「消臭」「脱臭」というキーワードを含むタグの利用率は、2016年から2.1倍に増加した後、横ばいとなっています。また、「ルームフレグランス」のタグ利用率を見てみると、2016年から2.9倍にまで増加。今後も伸び続けていくことが見込まれます。心地よい暮らしに、不快な臭いは絶対NG。臭い対策はもちろんのこと、心地よさ・快適さを求めて、自分好みの「香り」ただよう暮らしにアップデートしましょう。

 

心地よい音と暮らし

「音」に関しては特に「防音」が注目されています。

「防音」タグの利用率は、2018年から2.4倍に増加しています。また、投稿に関する行動を見てみると、「防音」というタグに併用して使われるタグのうち「ラグ」というタグが80%を占めていました。自宅でのトレーニングや子どもやペットなどの生活音に対する身近な防音対策としてラグが使用されているようです。

 

「空気」「匂い」「音」と、視覚以外の感覚に「映え」からシフトしていることが分かりました。おうち時間が圧倒的に増えた今、背伸びをしたおしゃれな生活空間より、自分のための心地よい生活空間の方がおうち時間を楽しめそうですよね。ぜひ今の暮らしを見つめなおして、心地よさを求めた暮らしのアップデートを行ってみてください。(岩川菜奈)

情報提供元/ルームクリップ株式会社「RoomClip住文化研究所」